第27話 今さら修行ですか?!
何か暗い過去を思い出しているのか、苦しそうな表情だ。
「この世界の者にとっては現実で起きていることだがな」
なんだかしんみりした空気を破るように、魔術専の文官が言う。
「あのー。歪みとかって何ですかね。私たちは認知してないのですが。というか陛下、そういうことは我々部門の者に伝えていただきたいものです」
表情がコロコロと変わる人たちだなあ。
「別の世界と繋げたいなら魔道具を使えばよいのでは ? 」
魔術専の一人が重要な事を言った。魔道具ってあのファンタジーど定番のであってるのかな。
それが使えればいいけれどね。
「陛下、別世界とのランダムな繋がりは、我々の課題としてもよいですかな。早く取り掛かれば早く理解できるというわけではないが」
王様は少々考えてから、魔術の専門家たちに任せることにしたようだ。
魔道具だけでなくもう一つの方も。
「だったらこの二人が魔術を使えるように手解きをしてやってはくれぬか ? 」
何言ってるんだろうね、この世界でしか使えないってことじゃなかったかな。
「無駄に終わりそうだけれどね」
「うん。ラノベみたいに空気中の魔素がとかいうことなのかな ? 」
「真斗がこの前読んでたやつか。似た展開だったらそうなるかもね」
「お教えしましょうか ? 」
さっきまで暗い表情をしていたリテクスさんが、にこにこしながら言ってきた。
今日までの付き合いで何となく得意そうだなとは思っていたけれど。
こんなに生き生きとしながら名乗り出てくるとは考えてませんでしたよ。
訓練をするならば魔術専に任せる。と、王様は放り投げて自分の仕事に戻ってしまった。
忙しいのに相手をしてくれてありがたいというか、立場的には心強いというか。
「さっそく訓練の場へ行ってみますか。それとも今日はお休みになりますか ? 」
ここでさっさと決めてしまったし、真斗がどう考えてるのかも知りたい。
「今日は部屋で休んでもいいですか ? 」
「かまいませんよ。部屋まで送りましょう」
まだ一度しか行ったことないし、広いので迷子になるのではと不安が過ったので助かった。
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