第16話 都市伝説より話題になりそうな俺ら
この場に居る人で一番話が通じる人はいない。
元々囚人の俺がお願いしてもどうなるかわからないし。
「な、なあ。同じ人が同じ場所にいるって良くないんじゃなかったっけ」
「んー。なんかそんなのあったな」
都市伝説になってるやつ。自分と同じ人を見たらっていう。ドッペルゲンガーって言うんだったと思うが。
「え。なら僕、ここにいるのまずくないか ? 怖いんだけど」
「大丈夫だよ。何もないと思うけど」
ある意味、一卵性双生児ってどうなのよって、友達の中で話し合ったことあったんだよな。
外見が同じでも性格が違っていたらとか、雰囲気が違うだけでも別人と言えるんじゃないかとか。
異様に長く話ていて、公園で解散した後でも考えてたことあったな。
「性格違えば別人だと思うし、すべて同じ人間っていないってメディアで見聞きしたことあるし」
やばかったら既にどうにかなってるのに、現在何もないんだから大丈夫でしょ。
大丈夫じゃないのは俺たちの登場の仕方であるわけで。
「あの、リテクスさん」
「は、はい」
「申し訳ありませんが、国王様とお話することはできませんか ? 通じるのがあの方しかいないと思うんです」
マジでそう。今のところ陛下しか通じるとか理解できる人がいない。
リテクスさんの近くにいる兵士たちは怒り始めているし、同じ制服を着ている人たちは考え込んだり、実験したいとか言ってるし。
「皆さん、お静かに。すぐに陛下へ繋ぎましょう」
そう言うと何か、ラテン語のような英語のような言葉を言い始める。
すると彼の手のひらからキラキラとした薄水色の靄が出てきて、鳥の形になり、はっきりと鳥と分かるくらい姿がくっきりすると飛んで行ってしまった。
「今、陛下に知らせました。返事が来るまで」
彼が鳥を放ってそう時間が経過していないのに戻ってきた。
「返事がきましたね。仕事してるはずなんですけどね」
どこか遠い目をしながら、手のひらで鳥を受け止める。
「お二人を今すぐ陛下の元へご案内します。彼らを今すぐ外へ、大事なお客人です」
不満を言いながら鍵を開ける兵士に礼を言い、外へ出ると笑顔のリテクスさんに迎えられる。と、同時に始めてみる制服の方々に興味深々に観察をされた。
「ああ。彼らは文官の中でも、私と同じく魔術が使用できる者なんですよ。あまり人数がいないので働かせすぎてしまってるんですが」
出会った時の王様を思うと文官は大変なんだろうな。
なんか、周りの人を振り回してそうな人だったし。
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