第12話 どの世界も理不尽でまわってる
1,000文字超えました…。
なんだよ、これは。
これじゃあまるで牢に入れられてた時の俺じゃないか。
いや、それ以上に酷いだろう。
「…う……」
俺はこんなに酷い状態だったのか。体はやせ細り傷だらけ、服は所々破れてボロボロだし、目視できる範囲だけでも殴打痕がおびただしい。
人の肌ではなく別の生き物に思えるくらいに。
「なんだお前、随分な身なりじゃねぇか」
床に身を預けている男から目をずらすと、そこには俺が牢にいた時に世話をしてくれた強面さんがいた。
「あの時は、ありがとうござ」
「よしてくれや。これが仕事なもんでね」
「え ? 」
囚人の世話をするのが仕事ってこと ?
罪人じゃないのに牢に入ってるってどういうことなんだ。
「彼らの先祖が大罪を犯しまして、刑期が何百年とあるんです。当人が世を去った場合は、ご家族か親族の中から選ばれて、刑期を引き継ぐんです。その場合、当人ではありませんので牢の中へ入り罪人を見張ったり世話をしたりする、職員として雇っているのです」
家族は連帯責任って感覚が強いのは分かるけれども、親族はやりすぎな気が…あ。現実でも某大国がそうだって、クラスの奴が話してたな。
怪我の手当したり、暴れたり脱走しないようにってことなら、看守として雇っているってことになるのかな。
隣で説明をしてくれたリテクスさんをチラ見する。
(この状態だと無理かもな)
無理というか出来るわけがない。
俺を連行した時の恨み節を聞かせてやろうと思ったのに。
「ところで、この者にどの様な用件があったのですか ? 」
リテクスさんはこの状況を目前にしても動揺しない。それほど見慣れた事なのか。
正直に話すと彼の命は確実に終わるかもしれない、というか終わる !
「気を失ってから姿を見ていなかったので、村に帰ったのか、街を散策しているのか気になっただけです」
本音を飲み込んで、不思議と口から出てくる嘘に、自分が変だと感じても止まらなかった。この男を牢から出さなければならない、という気持ちでいっぱいだった。
「そうですか」
リテクスさんは今まで俺に向けてきたのと同じ笑顔を向けているのだろうが、今は恐ろしく思う。
どうすればいいのだろうか。
どうすれば牢から出せる。
自然と体に力が入り手を握りしめていたらしい。心配そうにしている彼の手に優しく包まれて思考を戻された。
無理かもしれないし、払いきれない対価を求められるかもしれないが、お願いしてみるのもいいかもしれない。
読んでいただきありがとうございます。
何だかんだで文字数が1,000文字前後しております。
このまま続いていくと思います。
短い方が良い方は同時連載で同じファンタジー(恋愛)の「女侯爵と誰か」をご一読ください。
こちらは500~800文字くらいのペースで書いています。
よろしくお願いします。




