第11話 軽いもんじゃないのよ
それってかなりまずいのではないかな。
彼を消そうとしている人がいるってことだろうけれど。
「彼は大丈夫なのか ? 」
悪い方向にしか思考が働かない。
狙われるといっても一体誰に ? 彼は村の人だよな。
「大丈夫だ」
「どうやら相手方からの警告だったようで、少々体調を崩したくらいで済みました」
牢に入っている時から思っていたけどこの世界、人の命を軽視しすぎではないだろうか。
現実世界でも歴史の授業で、最低最悪な王族や指導者は存在したけれど。
「体が良くなったというので、お主に直接謝罪をしたいと言っているそうだ。会う気はあるか ? 」
「そうですね……」
二つ返事で了承しそうになって、自身の気持ちにブレーキをかけた。
初めての出会いは良かったけれど、連行されていた日々を思い出すと複雑だ。
「無理にとは言いません。会わない方がいいというのが私たちの意見ですので」
そう言いながら渡される書類に目を通しては、アドバイスをしているリテクスさん。その横で頷きながらお菓子を食べようとして、側近の人に止められている王様。
目の前で繰り広げられている光景を見ている分には平和なんだが。
「と、ところで。俺はなぜこの世界に来たのでしょうか。いつも突然なので」
俺の発言に部屋に居るすべての人の動きが止まった。
「防音魔法解いちゃったのに。今、言いますか」
そんなこと言われましても。先に言ってくださいよ !
「ならば、やはり牢の男に会いに行くしかないな」
「関係ありますかね」
「うーん…。我はあると思うんだが、魔術師たちでもわからんらしいからな」
何か嫌な予感がするんだが。
「会って話したいことがあるので、連れて行ってくれませんか ? 」
リテクスさんと王様はお互い顔を見て、頷くと席を立った。
「何を見ても大声を出さんようにな。日本人には堪えるだろうが」
「ええ、まあ」
入れられてたので理解できます。
公務のある王様を執務室に置いてきて、リテクスさんと脳筋騎士くんプラス魔術師で地下牢へ足を運ぶ。
「お、おい ! 大丈夫か ? 」
再会した幼馴染みに似た男は、見るのも辛くなる状態だった。
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