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女神様に「観光マップを作って」と頼まれたので、ワンタップで世界のバグを消去しながら美少女たちと絶景巡りの旅に出ます  作者: 悠々


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第009話:甘えん坊聖女の仲間入りと、写像の送信


「これからどうすれば、って……。決まってますわ!」

 

 俯くエルナの手を、フィリアが優しく両手で包み込んだ。

 

「私たちと一緒に旅をしましょう! アキラ様の旅は、美味しいものを食べて温泉に入る、とても楽しくて温かい旅ですの。あの大聖堂の暗い部屋より、何百倍も素晴らしいですわ!」

「旅を……? 私が、そんな自由なことをしても……いいのですか……?」

 

 エルナは不安げに、アキラの顔を覗き込んだ。

 アキラはいつもの人畜無害なタレ目を細め、穏やかに微笑む。

 

「ええ、歓迎しますよ。うちは定時退社、残業なし、ストレスフリーがモットーのパーティーですからね。のんびり世界を見て回りましょう」

「アキラ……」

 

 エルナの瞳から、ぽろぽろと大粒の涙がこぼれ落ちた。

 彼女はアキラの胸に顔を埋め、子供のように声を上げて泣いた。長年、生贄として押し付けられてきた孤独と苦痛から、本当に解放されたのだと実感しての涙だった。

 アキラは彼女の頭を優しく撫で、泣き止むまで静かに寄り添った。


────────────────────


 数日後。

 すっかり元気を取り戻したエルナは、アキラの隣が自分にとって一番安心できる場所だと理解したようだった。

 

「アキラ……お出かけ、する?」

「ええ、今日は街の市場へ美味しいお菓子を買いに行きましょう」

「うん。……手を繋ぎたい。いい……?」

 

 エルナは頬をほんのり赤く染め、アキラの服の袖をぎゅっと引っ張る。

 アキラが手を差し伸べると、彼女は嬉しそうにアキラの手を両手で包むように握りしめた。その背中で、小さな純白の翼が嬉しそうにパタパタと小刻みに揺れている。

 

「エルナさん、アキラ様の隣は私の特等席ですのに! ずるいですわ!」

「アキラは、私の……。渡さない……」

 

 エルナはアキラの腕にぴったりと体を寄せ、フィリアに対して小さくむっとした表情を見せる。

 すっかりアキラに対してだけは甘えん坊でクーデレな態度を見せるようになったエルナに、アキラは苦笑するしかない。


────────────────────


「さて、次の目的地へ出発する前に、ここでの観光マップを完成させないとね」

 

 アキラは宿のテラスで、夕日を浴びる美しいサンクタスの街並みと、その手前で白い翼を大きく広げたエルナの姿を『写像水晶』でパシャリと撮影した。

 夕日に照らされたエルナの純白の翼と、アキラに向けて咲かせた満面の笑みは、まさに絵画のような美しさだった。

 

【写像:『夕暮れの聖女と白い都市』を保存しました】

【女神リアへ送信しますか? [はい]】

 

 送信ボタンをタップすると、一瞬でリアからのホログラム通信が立ち上がり、大絶叫が響いた。

 

『リア:アキラさん! 有翼族エンジェルの美少女をパーティーに加えるだなんて、職権濫用です! うらやましすぎて神界の書類仕事が手につきません! 私も今すぐ退職届出してそっち行きます!』

「神様が退職しちゃダメでしょう……。それじゃあ、私たちは次の『ドワーフの温泉街』に向かいますので」

『ああっ、温泉!? アキラさん、ずるい、ずるいですーーーっ!』

 

 ジタバタと悶絶する女神の通信をいつものようにぷつりと切り、アキラはマップを閉じた。

 

 アキラの隣をきっちりキープするエルナと、その反対側でお菓子の入った袋を抱えて目を輝かせるフィリア。

 賑やかになったパーティーは、次なる絶景と極上の温泉を求めて、新たな旅路へと歩み出した。

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