表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様に「観光マップを作って」と頼まれたので、ワンタップで世界のバグを消去しながら美少女たちと絶景巡りの旅に出ます  作者: 悠々


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/54

第010話:山岳のドワーフ国家と、冷たい温泉


「うわあ……! アキラ、あそこ、もくもくと煙が出てる」

 

 アキラの服の裾をぎゅっと握りながら、エルナが山の上を指差した。

 急な山道を登りきると、目の前に頑丈な石と鉄で作られたドワーフの山岳国家『バルカン』の入り口が見えてきた。岩肌にへばりつくように多くの石造りの家が建ち並び、あちこちから温泉の湯気が立ち上っている……はずだった。

 

「……なんだか、活気がありませんわね」

 

 隣を歩くフィリアが不思議そうに小首をかしげる。

 通常なら、鉱山から採掘された鉄を叩く金槌の音や、観光客で賑わう温泉街の喧騒が聞こえるはずだが、街全体がひっそりと静まり返っていた。

 

 アキラはデバッグマップを開く。

 バルカンの山全体、特に街の奥にある源泉地帯が、赤く明滅する深刻なバグ警告で覆われているのが見えた。

 

【警告:山岳国家バルカン・源泉エリアに深刻なシステムエラーを検出】

【バグ名:『魔力逆流による温泉冷水化・有毒ガス発生』】

【危険度:高(一般の生命体は吸入後5分で戦闘不能)】

 

「温泉が冷めて、おまけに毒ガスが出てるのか。これは観光地としては壊滅状態だな……」

 

 アキラは苦笑いしながらUIを閉じた。

 せっかく温泉を楽しみにここまで来たのだ。なんとしても直さなければ、極上の温泉ライフが味わえない。


────────────────────


 街に入り、ドワーフの衛兵に話を聞くと、事態はアキラのUIの表示通りだった。

 

「おう、旅の御人か。あいにくだが、今は温泉街は休業中だ。一週間前から、源泉から有毒な魔ガスが噴き出しちまってな。おまけに肝心の湯は冷たい泥水に変わっちまった」

「有毒ガス、ですか」

「ああ、頑丈な俺たちドワーフでも、近づけば一瞬で気絶しちまう。今じゃ源泉のある山の上は完全立ち入り禁止だ。このままじゃ、温泉で成り立ってるこの街は破産しちまうよ……」

 

 ドワーフの衛兵は肩を落とし、ため息をついた。

 

 アキラは宿を求めて街を歩いたが、どこの宿も温泉が使えないため閑古鳥が鳴いている。幸運にも、温泉街で一番大きい『金槌と湯煙亭』という宿に、格安で部屋を借りることができた。

 

「温泉に入りたかった……」

 

 エルナが部屋のベッドに腰掛け、小さく折りたたんだ白い翼をしょんぼりと垂らしている。

 フィリアもまた、「温泉街の美味しい肉料理と地酒を楽しみにしていたのですが……」と残念そうだ。

 

「よし、それじゃあ、さっそくバグを取りに行こうか」

 

 アキラはポンポンと二人の頭を撫でて、笑顔で言った。

 

「毒ガスなんて、俺の『絶対安全領域セーフティ・ドメイン』と『クリーンアップ』があれば一瞬で消せるからね。極上の露天風呂を復活させよう」

「アキラがそう言うなら、絶対、大丈夫」

「はい! アキラ様の奇跡、また見せていただきますわ!」

 

 二人の期待の眼差しを受けながら、アキラは立ち入り禁止の源泉地帯へ向けて出発した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ