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女神様に「観光マップを作って」と頼まれたので、ワンタップで世界のバグを消去しながら美少女たちと絶景巡りの旅に出ます  作者: 悠々


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第040話:巨大化する果実と、制御碑のデバッグ


 最高長老アルヴァンに導かれ、アキラたちは里の奥にある巨大な鉄格子のゲートをくぐり、世界樹の根元に広がる『世界樹の聖域』へと足を踏み入れた。

 ここは限られたエルフしか立ち入りを許されない、森の中で最も神聖なエリアだ。澄んだ空気が漂い、世界樹の根から溢れ出た清らかな魔力が周囲を満たしている。


 しかし、その美しい聖域の頭上を見上げた瞬間、全員が驚愕のあまり言葉を失った。


「な、何ですか……! あそこにある、あの巨大な球体は……!?」


 フィリアが手すりを掴みながら、信じられないものを見る目で絶叫する。


「うわあぁ……! 家が木にぶら下がってるみたいだよ!」


 サリアも目を丸くして頭上を指さした。


 世界樹の太い枝の一つから垂れ下がっていたのは、本来ならば両手で抱えるほどの大きさであるはずの、黄金色に輝く『世界樹の果実(黄金桃)』だった。

 だが、その果実は自重によって異常に膨れ上がり、今や直径十メートルを超える、まさに「家一軒分」ほどもある超巨大な桃と化していたのだ。果実を支える太い茎は、その凄まじい重量のせいでミシミシと不気味な軋み声を上げており、今にもちぎれて落下しそうになっていた。


「あれが落ちたら、ちょうど真下にある里の居住区が完全に押し潰されてしまいますわ……!」


 フィリアが表情を強張らせる。


「うん……。すごく危ない。あんなのが落ちてきたら、ひとたまりもないよ」


 エルナもアキラの隣で、不安そうに頭上の巨大な黄金桃を見つめた。


「どうやら、あの世界樹の生育パラメータに深刻なエラーが発生しているみたいですね」


 アキラがデバッグUIを稼働させると、世界樹の根元に埋め込まれている『生育制御魔導碑』から、真っ赤なバグ警告のポップアップが何十枚も飛び出していた。


`【警告:世界樹生育制御システムの巨大化バグを検出】`

`【エラー原因:水分および魔力吸収パラメータの異常増幅エラー】`

`【解決推奨:生育制御魔導碑のクリーンアップ】`


「なるほど、本来は果実の糖度や魔力を高めるための機能が、バグによって際限なく巨大化する方向へ暴走してしまったわけですか」


 アキラはのんびりとした口調で分析すると、世界樹の太い根に囲まれた『生育制御魔導碑』へ向けて歩み寄った。


「アキラさん、気をつけてね。世界樹の魔力が暴走しているから、近づくだけでも強力な魔力フィールドで弾き飛ばされるかもしれないわ!」


 セシリアが背後から警告の声を張り上げる。確かに、魔導碑の周囲には激しい魔力の乱気流が発生しており、風が渦を巻いていた。


「大丈夫ですよ。――『絶対安全領域』展開」


 アキラがそう呟くと、彼の周囲に透明な球状の障壁が出現した。吹き荒れる魔力の乱気流は、その障壁に接触した瞬間、そよ風のように優しく受け流されて消えていく。アキラは全くの無傷で、乱気流をものともせずに石碑の前へと到達した。


 石碑はツタに覆われ、表面の魔力回路がバチバチと不気味な赤い火花を散らしている。アキラはツタを払い、石碑の表面にそっと右手を触れた。

 その瞬間、彼の視界にホログラムのウィンドウが大きく浮かび上がる。


`【警告:生育制御システムの巨大化バグを検出】`

`【クリーンアップを実行しますか? [はい / いいえ]】`


「それじゃあ、このバグ、クリーンアップしちゃいますね」


 アキラは心の中で『はい』をタッチした。

 直後、アキラの指先から、清らかな純白の光の波紋が解き放たれ、石碑全体を優しく包み込んでいった。


 不気味に赤く明滅していた魔力回路は、アキラの光に触れた瞬間に一瞬で穏やかな黄金色へと書き換えられ、エラーのノイズ音が消え去る。

 そして、そのクリーンアップの光は世界樹の根を伝い、太い幹を駆け上がり、頭上の超巨大な黄金桃へと到達した。


 その瞬間、頭上の黄金桃が眩い光に包まれた。

 ミシミシと軋み声を上げていた太い茎の音が消え、家ほどもあった超巨大な桃が、光の中でみるみるうちに縮小していったのだ。


 直径十メートル、五メートル、一メートル――そして最終的に、両手で抱えるほどの、美しく完璧なサイズへと収まった。

 巨大化パラメータが正常化されたことで、果実の中に蓄えられていた膨大な魔力と水分が、その適正な大きさの中に限界まで凝縮され、まるで自ら発光しているかのように神々しく輝き始めた。


「わあぁ……! 桃が……桃が元の大きさに戻りましたわ!」


 フィリアが歓声を上げ、アルヴァンや里のエルフたちも「おお……! 里が救われた!」と抱き合って涙を流した。

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