第018話:家計簿メイドの加入と、海の写像送信
「というわけで、私はアキラさんの旅に同行させていただきます」
宿の食堂で、美味しい魚介類のスープをスプーンで掬いながら、セシリアが当然のように言った。
アキラは「え? いいんですか?」と驚いてスプーンを止める。
「ええ。実家は無事に元の領地と資産を取り戻し、家族も安全です。何より、アキラさんたちのお気楽な金銭感覚を見ていたら、とても放っておけません。旅の資金管理と家計簿のチェック、そしてお世話係が必要でしょう?」
「あう……。お肉やお菓子を買いすぎて、昨日も少し怒られましたわ……」
フィリアが耳を垂らして縮こまっている。
エルナもまた、セシリアのしっかりしたお姉さんのような雰囲気に、少し気圧されつつもコクリと頷いた。
「セシリア、お料理上手……? なら、歓迎する」
「ふふ、ありがとう。エルナちゃん。任せてちょうだい、美味しい海鮮料理をたくさん作ってあげるわ」
セシリアが優しく微笑むと、エルナの背中の翼がパタパタと嬉しそうに揺れた。
こうして、金銭管理と古代語の知識を持つセシリアが、三人目のヒロインとして仲間に加わった。
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「それじゃあ、マリーナの観光マップも納品してしまいましょうか」
アキラは夕日の沈む美しい港の展望台へと向かった。
黄金色に染まる海と、停泊する無数の帆船。その手前で、嬉しそうに並び立つフィリア、エルナ、そして新調したメイド旅装を着たセシリアの姿を『写像水晶』でパシャリと撮影した。
【写像:『黄金色の港町マリーナと風の乙女たち』を保存しました】
【女神リアへ送信しますか? [はい]】
アキラが送信ボタンをタップすると、すかさずリアからの通信ホログラムが飛び出し、大号泣のビジュアルが展開された。
『リア:アキラさん! 海の絶景! ロブスターに生牡蠣! しかもまた美少女が増えてるじゃないですか! 有給申請したら『神界のバグが多すぎるので却下』って言われました! 絶対アキラさんのデバッグが早すぎるせいですーーーっ!』
「私のせいと言われても困りますが……。有給、取れるといいですね」
『うわあああん! アキラさんのイジワル! 私も海行きたい! 水着着たいですーーーっ!』
ジタバタする女神の通信をいつものようにぷつりと切り、アキラは穏やかな夜風を浴びた。
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「アキラさん、これでこの周辺のデバッグ(観光)は完了ね。次はどこへ向かうのかしら?」
セシリアが家計簿を閉じ、アキラの隣に立って尋ねた。
アキラはデバッグマップを起動し、大陸のさらに中央、未開の絶景エリアへと地図をズームさせた。
「ここから先は、まだ誰も踏破していない世界の最果てだね。女神リアが一番楽しみにしている『幻の楽園』がある場所だよ」
「世界の最果て……! 未知の精霊たちもたくさんいそうですわね!」
「アキラといっしょなら、どこまでも行く」
フィリアとエルナもアキラの手を引き、目を輝かせる。
セシリアはふふっと笑い、アキラの腕にそっと自分の手を重ねた。
「仕方ありませんね。アキラさんたちの手綱は、私がしっかり握っておいてあげます。さあ、新しい絶景を目指して出発しましょう!」
アキラは魅力的なヒロインたちに囲まれながら、潮風の香る港町を後にし、世界の最果てへと続く新たなお気楽旅情へと歩み出した。




