52.火災
こんにちは、こんばんは。全話見返しました。
意外と書いてるんですね。びっくりです!
「久しぶりですね。アシュ」
「おっ、久しぶり」
楽な服を来たアシュが、片手を上げながら気さくに挨拶をして来る。まさか、こんなにすぐに会えるとは…。
だが、反対側の王国で殺しの依頼をやっているはずのアシュが、どうしてここにいるのだろうか?
「で、どうしたんですか?わざわざこんな所で」
「ちょっとばかし用事を済ませに、さ」
言葉を発しながらアシュは、フレイに視線を送った。おそらくフレイに何か用事があるのだろうが、通信魔法を何故使わないのだろうか?
「えっ、何?私に用なの?何何ー?私がいなくて恋しくなっちゃったー?」
「ああ、それもあるが、俺らがいる王国の王が珍しく依頼を出して来てな。それが、これまた少し厄介な依頼だったんだよ」
少し呆れながら、ため息混じりにアシュは言葉を零した。それで、なんの依頼なのかを察したのだろう。
さっきまでの柔らかくおちゃらけた表情と気配から一変して、なんと言えば良いか…気配が少しだけ質量を帯び、表情が少し歪んだ気がした。
「そう。なら後でその話をしましょう?今は、ご飯を食べてるからさー」
途中までは格好良い女性の声色だったのだが、最後で台無しだ。だがまあ、あれが仕事モードなのだろう。酔っている時とも違い、底知れぬ恐怖を感じる。結局いつものフレイが1番良い。
「そうか、分かった。先にマスカの家にいるからな」
「ほーい」
アシュはじゃ、と言い残して店から出て行った。というか、何故この店にいたのだろうか…。この店に自分達が来ることを知っていたのか?
まあ、なんら問題はないので気にすることではないだろうと、エリックは考えていると
「そう言えば、どうしてフレイはマスカが好きなんですか?」
唐突なノンの質問にフレイは、咳き込んだ。だが、それに構うことなくノンは続ける。
「前から気にはなっていたんですが、なかなか言える機会がなかったもので…。で、どうして好きなんですか?笑」
咳き込み過ぎてか少し涙目になっているフレイは、深呼吸をしてどうにか落ち着きを取り戻し、少しノンを睨みながら言葉を発した。
「別に、好きじゃないよー?」
「そんなんですか。なら、大好きなんですね!」
ノンのそんな言葉に、また咳き込むフレイ。
何故か急に、ノンはテンションが高くなり、意地の悪い笑みを浮かべて、にこやかにフレイをからかって遊びだした。
まあ、ノンの事だ。昼前の事を根に持っており、仕返しを今ここで始めて楽しむつもりだ。
「ゴホン、コホン。大好きでもないです」
少し頬を赤く染めたフレイは、明らかに口調が変わり少し声色が子供っぽくなった。
「はぁー、そうですか。それは、残念ですね。マスカが、悲しむかもしれませんよ?」
ノンは、フレイではなく店員を見ながら言葉を発した。最初は、何故か疑問に思ったがどうやらノンはこの席に料理を運ぶ店員を見ていたようで…
「えっ、ど…」
「お待たせしました。こちら、ご注文の品でございます。では、ごゆっくりどうぞ」
店員の声によりフレイの声は遮られる。タイミングはぴったりだが、どうしてこんな事をしたのか?疑問に思っていると
「では、食べましょうか?」
「えっ、いや…さっきの話を詳しく」
「さっきの話、とは?一体なんの事ですか?」
明らかにノンは、惚けている。それは、フレイも分かっている。それ故にここは一旦諦めた。
「まあ、それならーいいよ」
拗ねたフレイは、ノンに視線は送らずエリックのみに送り手を合わせた。
それを見て、ノンとエリックも手を合わせ
「「「いただきま(ー)す」」」
そう挨拶をして食べ始めた。それからは、ノンがフレイをからかう事もなく、たわいもない会話をして案の定フレイが最後に食べ終わり
「「「ごちそうさまでした(ー)」」」
3人で声を合わせて挨拶をしたその時、外から爆発音が響き渡って来た。それは、店全体を震わせ天井、壁、床を軋ませる。
数秒して揺れは収まったが、今度は外から
「「キャー」」
どこからともなく、誰かの悲鳴が聞こえて来た。店の中にいた客は皆、外の様子が気になり店を出て確認をする。もちろん、エリック達も。
店を出たエリック達の目に写った光景は、簡単に言うと大きな赤い炎が家々を片っ端から飲み込んで行き、大きく成長して行く生きた大きな炎が数百メートル先で暴れている。
「これは、凄いですね。初めて見ましたよ。こんな光景」
ノンが少し感動した様に言葉を発した。確かに初めて見る光景だが…感動するものかと言われれば、エリックにとっては否であった。
フレイは、どうやら何も言わずにただその炎を見ているだけだ。
数十秒間その炎を見続けていたが、やがて
「もっと近くに行ってみようよ」
「そうですね。面白そうですし。行きましょうか」
フレイとノンの声が聞こえて来るがエリックは、何も言わなかった。
やがてフレイが進み出す。エリックは何も言わずにそれについて行く。
店の中にいた人達は、皆逃げて今は炎の近くにいた人達だろうか、エリック達とは逆方向に必死に走って逃げている。
この光景を見ていると昔を思い出す。だが、今は関係ない事だとエリックは、思考を変えてフレイ達について行った。
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5分後。エリック達は、炎の目の前に来ていた。轟々と炎は燃え上がり、まるでその炎に感化された様に辺りの空気が厚く、熱を帯び辺りに吹き荒れている。簡単に言うと地獄だ。炎の中にある家は既に炭化しており白くなり赤い光を放っている。
「これは、凄いですね。どうしましょうか?中には、入れませんよ?」
ノンが少し興奮した様に言っているが、これを見て興奮出来るのは異常だ。エリックは、少しだけノンの異様な面を見てしまった気がした。
「この炎に火魔法をぶつけてみよっか」
フレイが少しだけ暗い声色でそう言いながら口を開き、火の上の下の魔法の名前を叫ぶ。
「インフェルノ」
魔法陣をフレイの前に展開してそこから凄まじい火が柱となって目の前の炎の中を通り過ぎて行った。
それにより一瞬だけ、道が出来る。その道になんの迷いもなく入って行ったノン。それに続くようにフレイ、エリックとその道へ入って行った。
〒〒
「凄い燃えてるねー。お姉ちゃん!」
「暖かいでしょ?」
「うん!」
楽しそうに微笑み合いながら会話をしている2人の少女、姉のマヤと妹のラプ。
姉の方は蒼い炎を見ており、妹の方は焦げて黒くなった死体を踏みつけていた。
「よし。私達は仕事が終わったから帰ろうか」
「そうだね。お姉ちゃん!」
屈託のない笑み浮かべて返事をしたラプは、首がもげて、両腕がないまだ燃えていない死体を蹴り飛ばし、炎の中へと放り込み笑いながら姉と一緒に帰るのだった。
♡
熱い炎を何とか掻い潜りながら進んで行く、エリック達。炎の色が少しだけ薄くなりピンクに近づいている事ぐらいで変化がない。
「結構進みましたが、何も無いですね」
さっきからずっと前に進んでいるのだが、地面は燃えた家が炭になり白くなっており、空は炎で覆われ見えない。もう既に夜だと言うのにこの炎の中にいるとまるでそれを感じない。
「あー、あそこから炎の色が青になってるー」
フレイが指を指した場所は確かに青い炎になっているが…
「まるで、別世界の様にここだけ熱くありませんね」
ノンが不思議そうに立ち止まり辺りを確認する。確かにノンの言う通り熱くはない。だが、したの炭は他と変わらずに白く赤い光を放っている。
「あれ?これって人の骨じゃない?」
フレイが少しだけ驚いた表情で、指を指した。それをよく見ると確かに人の頭蓋骨だったのだが…
「これ、だぶん誰かに引きちぎられたと思う。じゃないとこんな風に首の骨が砕けないよ」
フレイがそう言いながら骨となった死体を観察して頭蓋骨を持とうとしたその時…
「ねぇ、遊ぼう?」
少女の薄気味悪い声が辺りに響き渡った。
文字数を増やしました。
いかがでしたか?これぐらいの文字数で続けて行きたいと思っているのでよろしくお願いします!
全く関係ないですがデート・ア・ライブの延期はつらいよ!




