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S.7コクナとユノ生還

おーー、3日ぶりですね。長くなりました。すいません。本気で過去1番長いです。でも、描きたいことがたくさんかけました。魔法の話だったりコクナの話だったりと…。小説書くの面白いです!!

 コクナは、ユノの頬を触り気を失った後、夢を見た。所々が継ぎ接ぎで、無音になるそんな夢だった。


 それは昔、親に捨てられた夢だ…。8歳の時、親は金に困り自分を売った。

 自分が生まれた王国は経済的にお金があまり回らず、一部の貴族だけが金を支配していた。その為に、その王国は職に付くことが出来ない人、職を失った人、そんな人達がスラムを作りそこで暮らしていた。

 年々スラムには人が多くなり、少し荒れ始めた王国だった。コクナと親は、スラムではなく家で暮らしていたが父がある日、職を失った。そしてその数日後、父と母はコクナを売った。

 母が最後に「ごめんね…。コクナ…」そう言いながら抱きしめて、言って来た。

 コクナは、ある1人の女性に買い取られた。自分が住んでいた家よりも少しだけ大きい家に住んでいた人だ。

 その人は、自分に身の回りの事をさせた。掃除や洗濯、料理などを…。全て最初は優しく教えて貰い、コクナは少しずつ出来る様になり、それから1年が経った。

 コクナは9歳。背が伸びて家事は、ほぼ完璧に出来る様になっていた。一方その人は、変わったところを探すのがとても難しいぐらいに、最初に会った時と容姿が同じだった。

 何を考えているのかあまり分からない。だが優しいその人は、よく夜に家を開けて朝方帰って来ることが多かった。

 そして、コクナの心の中にその人が頭を撫でて来て「よくできたね。コクナ」と、そう言われることが1番嬉しいかった記憶がある。

 そして、場面が急に切り替わる。コクナが11歳の時、父が病気で死んだ時に…。母は涙を浮かべて父に寄り添っていた。

 だが、ここでの音は無かった。

 母が自分に久しぶりに会ってなんと言ったか、母が泣いている声も何も無かった…。コクナは、何となくここに居てはいけない気がして帰った。あの人の元に…。

 また、場面が切り替わった。父が死んだと家であの人に言われた時。コクナは、少し悲しんだが涙は流れなかった。

 あの人は、この王国の事を色々と知っていた。まあ、父の事ぐらいは知っていてもおかしくはないのだが…。

 場面が変わる…。12歳の時あの人に買って貰った本を読んでいる時。不意にあの人がコクナに向かって言ってきた。「……コクナ……」口の形でそれだけは分かった。だが、それしか分からなかった…。

 音が消えたのだ。唐突に…。

 その人は今、座っていた。だが、何かを言い終わると立ち上がりコクナに向かって来た。そして、音が戻る…。「ねぇ、コクナ知ってる?昨日、王族が増えたって…。昨日生まれたんだって双子の赤ちゃんが…。名前はね、ラプとマヤ。でも、もしかしたらすぐに死んじゃうかもね…。その2人…」あの人がそう、コクナに微笑を浮かべながら言った。

 コクナが何故なのか聞き返そうと口を開いた時、あの人が頭を撫でてくれ、そこで意識が覚醒した。




 コクナはまだ薄暗い朝方に目覚めた。


「ラプと…マヤ」


 冒険者として付いてきたあの2人。今考えるとあの2人の死体は見ていない。

 だが、ユノならば助けたはずだ。あの2人も…。助けなかったという事は死んだか何かあったか…。まあ、今考えるのはやめよう。ユノが何も言わないのならそう言う事だろう…。

 コクナはユノの寝顔を少し見た後、馬車からおり薄暗い中、崖の近くの岩へと腰を降ろした。コクナは、さっき見た夢を思い出す。

 あまり覚えていないがあの人が出てきた。今は何をしているのか…。また、会いたい。そう思っていると、朝日が上り始め辺りを照らし始めた。それをぼっーと眺めながらあの人の事を思い出す。

 それからどれぐらい経ったか。ユノが後ろから話しかけて来た。コクナは、少し焦りながら返してユノの話を聞いた。どうやらもう今から馬車で王国に向かうらしい。コクナは、


「ああ、ユノがそうするならそうしよう。あまりここにいるのは得策ではないだろうからな…」


 そう嘘を言った。ユノが馬車の準備をするため背を向けて走って行く。その背に向かってコクナは


「本当は…ずっと一緒が…良いのだが……」


 無性に悲しくなったコクナが、なんとなく気を紛らすためにそう言った。




 ユノが目覚めたのは、次の日の朝だった。馬車の何もない四角い窓から、太陽の光が差している。ユノは、体を起こし馬車から外へと出た。

 とりあえず、もう1つの馬車から馬の餌と水を出し馬に与える。

 その後、コクナ探すため辺りを見渡しながら歩く。コクナはどうやら既に起き、馬車から出たらしい。ユノが起きた時にはもう、馬車の中にはいなかったのだ。

 ユノは少しだけ森の方を見たが、あの怪我で遠くまでは行くまいと思ったユノは、先に崖の近くから探すことにした。

 歩きながら探しているとほんの1、2分でコクナを見つけた。コクナは崖の近くの岩に腰掛けぼーっとどこかを眺めていた。


「コクナ、怪我は大丈夫か?」

「ああ、ユノか。怪我なら大丈夫だ…。止血しているし、骨折の痛みはもうないからな」


 コクナが少し焦った様にそう返して来た。どうやら体は少しだけだが、回復したらしい。だが、手首は止血だけしかしていない。速く帰った方がコクナのためだろう。

 ユノは、この後どうしたいかをコクナに聞いてみる事にした。


「もう少ししたら馬車で王国に帰ろうと思っているんだが、それでも良いか?」

「ああ、ユノがそうするならそうしよう。あまりここにいるのは得策ではないだろうからな…」

「そうだな。なら少しだけ待っていてくれ」


 コクナが頷いたのを見てユノは、馬がいるところに戻り馬車の向きを出発しやすいように変えた。

 その後、馬のロープを解き馬車に馬を固定して、もう1つの馬車から馬の餌と水だけを移動させる。それに加え、もう1つの馬車にももちろん馬がついているので、その馬2頭を馬車の後ろにロープで固定して一緒に連れて帰る。結果、捨てるのは1つの馬車のみにした。

 ユノは、コクナに出発する事を伝えてコクナを馬車の場所まで案内する。その後、コクナを馬車に乗せて出発した。

 ユノが、まだ勇者ではなく冒険者をしていた時は、馬車の騎手になる事がしばしあったので一応騎手はできるのだ。

 だが、王国の方向はあまり分かっていない。昨日来た時には、夕方で沈みかけの太陽が幽谷とは反対の向きにあった。今は、昼前で幽谷の方に太陽がある。その太陽を背に進んで行けば、おそらく王国に着くはずなのだが…。

 出発から1時間が経った。景色は変わっておらず、モンスターとはまだ遭遇していない。コクナがまた、怪我をしてはいけないので、来た時よりも速度を落として進んでいる。

 その為、もう1回だけ夜を過ごさないといけなくなるだろう。それが今はモンスターより問題という事にさっき気がついた。


 出発から5時間が経った。モンスターが出てきた。ダークウルフだ。2匹しかおらずリーダーがいない。なので、馬車に乗りながら火魔法で殺す。どうやらリーダーとはぐれたのだろう。仲間が追ってくる気配がない。ユノは、何も無かったかのように進んで行く。


 11時間が経った。辺りがだいぶ暗くなったので馬車を止めてここで野宿する事にした。馬に餌と水を与えてコクナを見るとどうやら寝ているようだったので、火を起こしてユノは1人で夜ご飯を食べた。硬いパンと干した肉だ。

 その後、ユノは馬車で寝ようとしたのだが不意に人の気配を感じて辺りを見回すと、木の影からマヤが出てきた。


「なっ、マヤ。どうして…」

「ふふ、勇者さん元気ですか?別に殺しに来た訳では、無いですよ?」


 マヤが本能的な恐怖を感じる笑顔でそう言って来た。

 だが、ここでユノは何故マヤが人を殺しているのか疑問に思った。そう、ユノは人を殺した事がない。そもそも殺すという行為自体人に使わないのだし…。

 何か別の世界で生きている幻の生き物に思えてきた。やってはいけないではなく、想像すら出来ないような事であり、人が人を殺すのがとても不思議に思えてくると……頭に霞がかかったと思うとさっき自分が何を考えていたのかを忘れてしまった。

 キョトンとした顔でマヤを見ると


「あーあ、忘れちゃったの?可哀想に…。魔法が干渉してきたんでしょ?」

「魔法?何を言っているのか分からないが?」

「ふふ、せっかくだしいい事を教えてあげるよ…。もう王国同士で戦争なんてしてないけどさ…昔はしてたんだよ?死ぬ人は一部だったけど…。けど、今それが想像出来る?だいたいの人は想像出来ないよね?その王国にない物は想像出来ないし、ましてやその世界に無いものなんて全く想像出来ないでしょ?無いものは分からないんだよ?底辺這いつくばっているような馬鹿なガキ(殺さない人)がさ、天才(殺す人)って謳われるている人の頭の中が分かるわけないでしょ?この世界は魔法でそうなってるんだよ?ほぼの人は、どうやっても分からないし覆せないんだよ?だって()()()()()()()()()()()()()()()()()、ね?」

「さっきから何を…言って…るん……」


 ユノは頭に霞がかかり頭が回らなくなった。そして、そのまま気を失った…。


「ありゃ、魔法の過度の干渉で本当に気を失うんだね。ふふ、いい事をまた知れた…。けど、人を殺すって事が分からないからずっと分からないままで、想像出来ないんだよ。知ってる?勇者さん。馬鹿って天才じゃないからさ、馬鹿なんだよ?ふふ、さよなら」


 マヤはそれだけ言い残すとどこかへ行ってしまった。




 数時間後。ユノは、コクナに起こされた。


「おい、大丈夫か?ユノ、ユノ!」


 コクナのすごく心配そうな声で、ユノは意識が覚醒する。


「あ、ああ……。大丈夫だよ。コクナ」

「なんでこんな所に倒れているんだ?疲れているんならゆっくり休め」

「そ、そうだな。そうするよ…」


 ユノは、コクナに促されるまま馬車で寝る事になった。


 それからしばし寝て、まだ辺りが薄暗い中、ユノは、目を覚ます。

 と、コクナが隣で寝ていた。ユノは、少し驚きながらも起き上がり馬車を出た後、火を起こし朝ごはんを食べる。

 昨日と一緒の硬いパンと干した肉だ。それを食べてユノは、昨日の事を思い出そうとしたがやはり駄目だ。マヤに会った事は、覚えているのだが…。ユノが考えて込んでいると、馬車からコクナが降りて来た。


「朝ごはんだ」

「ありがとう。ユノ」


 コクナが朝ごはんを食べる。その後、馬にも餌をあげて朝日が上ると同時に出発した。


 ユノは、昨日と同じ速度で進んで行く。おそらく昼前ぐらいには王国に着くはずなのだが…。もう少しの辛抱だ。


 3時間後。やっと道と言える道を見つけた。後、もう少しだ。やっとここまで来たのだ…。


 道を見つけてから2時間後。やっと王国に着いた。馬車からコクナを連れており、冒険ギルドへと向かう。

 冒険者ギルドでは、回復魔法が使える者が多いので、そこが1番回復魔法を使える魔法使いをみつけやすいのだ。

 冒険者ギルドに着いたユノは、魔法使いに聞いて回り回復魔法の上が使える魔法使いの少女が、1人だけいた。

 そして、その少女がコクナの手首を元通りに治してくれた。礼をしようとしたが少女が「大丈夫です。仕事ですから」そう言って、冒険者ギルドで酒を呑んでフラフラな女性のリーダーの元に、去って行ってしまった。

 少女がそう言うならまあ、いいかと思いユノは、コクナに改めて礼を言った。


「コクナ、ありがとな」

「な、なんだ急に…。でも、私こそ色々面倒をかけてすまなかった。それと…ありがとう…ユノ…」


 コクナが照れくさそうに、でも嬉しいそうに笑顔でそう言ってきた。

コクナとマヤ。あとラプは今後も出てきますよー。いやー、女の子を書くのは本当に面白いのです。あと魔法の説明少しというかめちゃ濁らせていますのでまあ、分からなくても問題ないです。作者だって分かってないんですからね?では、3日後また!

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