30.エリック大ピンチ
29話書き足したのでまだ見てない方はそちらを先に見ていただくと話が噛み合うと思います。すいません、またですが許して下さい。
殺し屋が人を殺しているところを見られれば、誰であろうとその見てしまった人も、殺すというのは昔からの暗黙のルールだ。
そして、前に言った通り依頼には、王からの直々の依頼というものが存在する。その依頼は、断ることが出来ず、断われば罪人になる依頼。それが直々の依頼だ。エリック達の王国の王は、その依頼を出すことはほとんどなく、殺す場所なども指定をしない。が、今いる王国の王は少し違うと言うか、頭がよく性格が悪い。依頼内容は、王が好きなように決めれる。誰を殺すか、もちろん何人でもいい。そして、細かくなればどの場所で殺すか、もっと酷い時には時間の指定もあるが、それはほぼない。
今、エリック達が手伝っている依頼は、過去1番大変でなおかつ1番意地が悪い依頼だ。今回殺す相手は、人を殺せない魔法が解けた組織のいわば、幹部に当たる人達7人だ。だが、その7人はさっきものの数十秒で半殺しにされた訳だが、どうして幹部なのか、それはけっこうな金持ちだから、それだけの理由だ。
まあ、そんなことはさておき。この組織の人は、皆例外なくある魔道具によって、魔法が解かれたもしくは自分で解いた。その魔道具というのが、鏡だ。この鏡には、魔法がかかっておりその魔法は、鏡を壊せないようにする魔法だ。その鏡を10秒以上見ると、鏡全てを壊せなくなる。そんな魔法にかかるために魔法が上書きされ、今までかかっていた人を殺せない魔法が解ける、ということだ。これだけ聞くとふざけていると思うが、いたって真面目だ。だから、今の現状がこれなのだ。
「よし、エリックには一通り説明したし僕は、さっきの人達のところに戻るよ」
そう言って、ロットはまた空を飛んで戻って行った。1人になったエリックは、特にやることもないので、ここで少し休憩することにした。このまま誰とも戦わず、終わればいいなと思う。そういえば、あの7人は、今殺してはだめなんだろうかと思っていたその時、また3人の人達が音もなく現れた。その方を向くと、さっきとは比べ物にならない化け物だ、と本能が告げた。
今、目の前にいるのは1人がレイピア、後の2人がロングソードを持っている化け物。今、ここでこの3人と戦えば確実に死ぬ、そうエリックの本能が言っている、逃げろと理性は言っているがもう間に合わないと、本能が言っている。だが、そんなことお構い無しに、真ん中にいるレイピアを持った女が話かけてくる。
「あー、こんなところに、悪い子がいるー。殺さないとー」
声は、まるで幼い少女の声のようだが、明らかにその声には相手への憎悪と殺意が籠っており重い。
「どうして、俺を殺すんだ」
「だって、お兄さんは、殺し屋でしょ。だからー殺さないけないんだよねー。だって、お兄さん達、私達の仲間を、沢山殺してきたんだから、ね」
さっきよりもなお重いその声は、エリックに勝利は無いそう思わせるに、十分な憎悪と殺意があった。
「じゃ、いくよー」
それを合図に1人のロングソードを持った男が、エリックに斬りかかってくる。何とか対応出来る剣速なので、ギリギリで受け流し一進一退の攻防が続く。速さはお互いに、互角だがエリックの方が、技術は上だ。徐々にエリックが有利になっていき、一瞬の隙をつき、エリックが相手の首に切り込み、勝負がついた。何とか1人殺した。だが、あと2人いる。
「わー、すごいね、お兄さん。勝っちゃたね。すごい、すごい」
まるで殺した男はわざと自分が殺させたみたいに。とっても楽しいそうに話かけてきた。
「ふふ、次は私達が相手だよ。頑張ってね」
やはり最初の男は、死んでもよかった捨て駒だったのだ。
この女には勝てない。だが、逃げても意味などないのだ。たぶん、すぐに追いつかれるから…。
「じゃ、いくねー」
そう女は言い、エリックとの距離を一瞬で詰め、エリックのみぞおちにレイピアを、突き刺したのだった。
少し時間を遡って。
マスカは、今何者か分からないが自分と互角に戦える女と戦っている。レベルブーストを使っているのかは、分からないが楽しい。キンキンキン、久しぶりだ。こんなに体を動かしているのは。だが、楽しいからと言って、こう時間をかける訳にはいかない。
そろそろ一撃入れて、殺そうと思った時に相手が勝てないと思ったのか、逃げ出してしまった。追いかけようと女へと近づくと、後ろから何者かに斬られかけた。後ろを向くと1人の男が立っておりマスカに話かける。
「今度は、俺が相手だ」
マスカは、あの女よりこっちの男を先に殺さないといけない、そう思いその男の方を優先した。だが、後にこの判断は間違っていたと分かる。
マスカは、男と向き合う。マスカが使っている武器はエリックと同じ右左同じ短剣だ。
「さて、なにか言い残すことは、ないかな?」
「それは、お前の方だろ」
「ほう、そうか俺に勝つか。今のお前には、無理だな」
「それは、やってみないと分かんねーだろ」
男の持っている少し長めのロングソードとマスカの短剣がぶつかる。想像以上に、相手の攻撃が重く速い。剣の技術は、ほぼ同じだが速さでは、マスカの方が劣っている。だんだんとマスカが不利になっていき、男が一瞬の隙をつきマスカの左腕を切り落としたのだった。




