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19.殺し屋になって初めて人を殺した夜

 調査という名目で、勇者が召集されることは多々あり、調査の内容次第で報酬は変わってくる。基本的には、違う王国どうしが協力して調査をする事が多いいのだ。


「なんか、久しぶりに面白い話を聞いた気がするよ」

「はは、それは良かったよ」


 エリックは、意外とこういう場所も悪くないなと思いはじめてきていた。


「そういえば、あんちゃん達のパーティーって王国から王国を移動してるんだろ?」

「まあ、そうだな。でも意外に楽しいぞ」

「そういうものなのか。なんで移動なんかしてるんだ?同じ王国にいた方が楽だろ」

「それはそうだが、同じ王国にいたら飽きるし、色々なダンジョンにも行ってみたいからな」


 ダンジョンは1つ1つが、基本的な構造…要はワープする事が出来る魔法陣があったり、1階の構造などは同じだが湧いてくる魔物の種類や階層ごとの構造は違ってくるのだ。ちなみに、ダンジョンは全部で100階層まであると言われており、その階にいるボスを倒せば自動的に地上に送られて、異次元の強さを誇る武器が貰えるとか貰えないとか…。


「へー、意外と薄っぺらい理由なんだな」

「そうだな。けど、楽しかったら理由はどうだっていいんだよ」

「はは、いいこと言うな。俺もこの王国に飽きたら旅でもしようかな」

「旅か、是非ともおすすめするよ…。よし、俺はそろそろ帰るよ」

「そうか、また機会があったら面白い話、聞かせてあげるぜ」

「おっそれは、嬉しいな。じゃあ、またいつかだな」

「おう」


 エリックは、会計を済ませて店から出る。周りはまだ冒険者達が楽しそうに酒を飲んでいた。エリックは、それを少し眺め宿屋へと帰る。大通りから細い道に入ると人が1人もいない。その道を歩き、宿屋まで帰ってきた。そしてエリックは、ベッドに入り今日はもう寝ることにしたのだった。




 次の日の朝。エリックは、目を覚まして窓の外を見る。今は、昼を少し過ぎたあたりだ。エリックは1階へと行き朝ごはん兼昼ごはんを食べる。今日は、パンにサラダそれとスープだ。きちんと完食して何をしようか考える。そして、考えた結果散歩のついでに、マスカの家に行くことにしたのだった。

 宿屋を出て、のんびり遠回りしながらマスカの家へと向かう。数十分歩き到着した。扉を開けて中に入り2階へと向かいまた扉を開けた。


「エリックか、なんかあったのか?」

「いや、ただ暇だから来たんだよ」

「そうか、だったらいいタイミングで来たな。今、ちょうど依頼がきたところだったんだよ。また、夜ついて来るか?」

「ああ、今日もどうせ暇だから行くよ」

「お、そうか。まあ、それはいいとして、ゆっくりしていってくれ」

「ああ、助かるよ」


 その後、エリックはマスカと話をしたり、今回の依頼について色々と教えてもらい、本棚にあった小説で、時間を潰して気が付けばもう夜になっていた。


「そろそろ時間かな。よし、エリック行くぞ」

「分かった」


 今回殺す人は、ナシク侯爵だ。また、侯爵を殺すのだ。ナシク侯爵の家は、ここからけっこう離れたところにある。そこまで、のんびりと徒歩で向かう。


「なあ、今回はエリックが殺してみればいいんじゃないか?」

「俺が殺すのか。いいにはいいけど、マスカみたいな殺しかたはできないぞ」

「別に殺しかたなんて、どうでもいいんだよ。殺しさえすれば、それでいいんだからさ…。けど、エリックも俺みたいな殺し方できるぞ。教えてやろうか?」

「あれ、俺でもできるのか。マスカがいいなら教えてくれ」


 そんな会話をしながら、ナシク侯爵の家へと向かい気が付けば、もう着いていた。ナシク侯爵の家は、でっかい庭がありその中央には、これまたでっかい家が建っている。

 家に明かりは付いておらず、庭の外にも誰もいない。


「よし、仕事開始だな」


 エリックとマスカは庭に入り、一直線に家を目指す。家に着くと窓を割り家の中へと入る。そして、いつものようにマスカが、ナシク侯爵を探す。

 階段を上がり、廊下を歩きある部屋の前まできてマスカが止まった。


「たぶんこの部屋の中だ」


 マスカが扉を開くと中には、寝ているナシク侯爵がいた。エリックとマスカはナシク侯爵のすぐ隣まで移動する。


「じゃあ、さっきの続きだな。エリックは、風と火の魔法が使えるんだろう。で、あのやり方は風魔法の中の中に風圧ってあるだろ、あれを使うんだよ」


 風圧は魔方陣から空気の塊を放つ魔法だ。


「あれは、そんなに使ったことがないな。威力がいまいちだし。本当にできるのか?」

「ああ、もちろん。まず1つの魔方陣を発動させて、その後にその魔法陣の両脇にまた別の魔法陣を発動させる。その後、1つ目の魔法陣から少しだけ速く空気の塊を放って少し遅らせた両脇のやつをを同時に打てばできるぞ。1つを両脇から2つで潰せば押し出されるだろ。球体が円になって攻撃力が上がるしスピードもあがる」

「意外と単純なんだな。それなら、意外とすぐにできそうだ」


 エリックは、そんなことを言いながら魔法を発動させ、マスカが言ったようにやると、バキバキドゴドゴと音を立てながら、魔法がナシク侯爵の首とベッドと2階と1階の床を貫通して引き裂いていたのだった。

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