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16.殺し屋の事情

 この世界ではまだ、大陸は自分たちが住んでいるこの大陸しかないと言われている。王国は、今エリックたちがいる王国をいれると6つある。それ以外の国はないのだ。6つの王国は上から見ると歪だが六角形になっている。


「今、私たちがいる王国の反対側の王国の王は、人使いが悪くて、人を次から次へと殺しているの。だから時々、これは無理だと思った依頼は、その王国にいる殺し屋から、手伝ってほしいって連絡がくるの」

「そんなに大変な依頼なら、断ればいいんじゃないのか」

「それができたら苦労してないでしょうね。王からの直々の依頼は、断れば罪人として扱われて王宮騎士団なんかに目をつけられるのよ。それに、王国からの出入りを一切禁止されるのよ」

「王からの、直々の依頼なんてあるのか?」

「そうよ。通常の依頼は、断ることができるんだけど、直々にだと断ることができないの。けど報酬は、何倍にもなるわ」

「へーそうなのか。聞いた感じ依頼というよりは、命令って感じだな」

「まあ、そんな感じよ。そして、その王国の王は毎回直々の依頼を出して殺し屋に殺させているの」

「それは、嫌われるな。けど、報酬が何倍にもなるってことは、儲かってるんじゃないのか?」

「それが儲かっていないらしいのよ。私たちの通常の依頼の報酬と、一緒らしいわ」

「それは、行きたくないな。けど、どうしてそんな事をしてるんだ?」

「さーそれは、分からないわ。けど、その方が確実だし、他の殺し屋が手伝わないといけないぐらい、大変な依頼は、断られちゃうからそうしているんでしょうね」

「なるほどなー。けど、そんなに人を殺しているのか。それはちょっと、やり過ぎな気がするな」

「ええ、本当に私もそう思うわ」

「それにしても、だるい王がいるのは、そこだけなんだろ」

「そうよ、けどそこに、行かないと聞いて安心したわ」


 気が付くと、エリックが泊まっている宿屋の近くまできていた。


「もうそろそろ、俺の泊まっている宿屋に着くけど、遠回りしてまだ話すか?」

「いいえ、それは必要ないわ。私が話したい事は、だいたい話せたからここでお別れね。また会う機会があれば、その時はよろしく」

「そうか、分かった。またどっかで」


 ヘクトは、さっき来た道を戻って行く。エリックは、ヘクトが見えなくなった後、宿屋へと戻った。

 今は、昼を過ぎてもう少しで夕方といった時間帯だ。エリックは、自分の部屋へと入りベッドに座る。今日は、ヘクトに色々と教えてもらったが、殺し屋にも色々大変な事があることが知れて、とても勉強になった。だが、反対側の王国には、おそらくエリックが勇者パーティーに入っている限り、行く事なるだろう。そうなると、マスカやヘクトたちに迷惑が、かかってしまうかもしれない。だから、どうするか、そんな事を考えるが良い解決方法は、出てこない。まあこれは、その時になったらまた考えようと、軽く考えてもう1つのエリックが気になっている事に関して考える。

 どうしてそんなにも、人を殺さないといけないのか、少しでも邪魔だと思ったら殺させているのか、それともただ意味もなく殺させているのか。今、いるこの王国の王は、殺せとは言うものの簡単な依頼ばかりなのだろう。どうしてこうも、差がつくのかがとても不思議だ。だが、まあこんな事を考えても仕方がないので、エリックは少し寝る事にした。




 エリックが目を覚ますと、外は暗くなっており雨が降っていた。


「はぁーー、もう夜かー。寝る前は、天気が良かったのに」


 そんな事を言いながら、伸びをして窓の外を少し見てみる。この世界では、高い建物は貴族の家と王宮、それと国にとっての大事な機関の建物ぐらいしかないので、それを除くと3階建ての家や宿屋は、ほぼない。なので遠くが良く見える。少し見た後、1階へと行き夜ご飯を食べる。今日は、サラダにパンそれだけだ。きちんと完食して自分の部屋へと戻りベッドに寝転がる。全くやる事がなく暇だ。それに外は、雨が降っていて、散歩もできない。こんな時は、寝るのが1番手っ取り早いがさっき寝たので、今は全然眠たくないのだ。エリックは、部屋を見渡す。


「小説でも読むか」


 本棚から1冊の本を出し、試しに読んでみるとすごく面白い。そしてエリックは、次から次へと本を読んでいく。

 気が付けば、もう窓の外は薄暗い。エリックは、今読んでいるこの1冊を読んだら寝ようと考えて、本を読み切りエリックは、寝ることにしたのだった。

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