15.初デート?
「話すっていっても、ここじゃあなんだし、どこか別の場所で話さないか?」
「それもそうですね。なら、この近くにある美味しいお店にでもいきますか?」
「そうか。ならそこに行くか」
ということで、ヘクトに案内してもらう。まさかヘクトと2人きりで、店に行くと思っていなかったので、妙に緊張するエリック。これは、もしかしたらデートなのでは、なんて事を考えながらヘクトについて行く。
1、2分して一軒の喫茶店についた。外観は、レンガ造りで窓はない。築50年ぐらいの良い感じの店だ。中に入ってみると客は誰もいない。カウンターに1人店員がいるぐらいだ。
ヘクトがカウンターの一番奥に座ったのでエリックはその1つ前の席に座る。
「これはこれは、お久しぶりですね。お連れさんと来ていただけるとは」
「久しぶりね。まあ、そんな事よりマスターコーヒー2つお願い」
「かしこまりました」
ヘクトと話していた店員は、50代後半ぐらいのかっこいいマスターだ。こういう店は、はずれがほぼないと思っているエリックは、少し期待しながら待っていると隣にいるヘクトが
「ところでエリックはマスカの家に行ってるの?」
「ああ、行っているよ、つい昨日もいったし。そういえばヘクトはマスカの家にはそんなに来てないらしいけど、どうしてなんだ?」
「そうね、特に行く必要もないし、連絡もできるから」
「へーそうか。そういえば何か話したいことがあるんだろ」
「ああ、そうね。そろそろ仕事には慣れた?」
いきなりどうしてこんな事を聞いてくるのか謎だが、まだ仕事で人を殺してはいないエリックは、慣れたといえるか微妙だがまあ、一応ということで…。
「うーんどうかな、慣れたには慣れた、かな」
「そう、それならよかったわ」
「マスカから聞いたけど、あなた達のパーティーは色々な王国を回っているんでしょ?」
「あー、そうだけど…。それがどうしたんだ?」
「もし違う王国に行くとしたらどこの王国に行くの?」
「うーんそうだな、たぶん隣の王国、かな」
「そう、それならいいわ」
「お話中失礼いたします。コーヒーが出来上がりました」
マスターが、ヘクトとエリックの前にコーヒーを置いてくれる。せっかくきたのだからと、エリックはコーヒーを1口飲んでみる。今までのコーヒーの中で1、2番目ぐらい美味しい。酸味が少しありちょうどいい苦味、後味はあっさりしていてとても飲みやすい、そんなコーヒーだ。で、さっきの話しの続きだ。
「違う王国に行ったら、何か問題でもあるのか?」
「まあ、問題と言えば問題だわ。けど、この話しはまた後で、しましょう」
「そうか。分かった」
エリックはここでは言えない話しなんだろうなと思いながらコーヒーを飲む。そして無言の時間が続く。
気が付くとコーヒーを飲みきっていた。ヘクトを見てみるとヘクトは、あと少し残っているのだろう、ゆっくりと飲んでいた。
「失礼いたします」
マスターが、空になったエリックのコップを下げてくれる。流石だなと思いながらヘクトをまた見てみると、飲み終わったらしくマスターがコップを下げている。
「じゃあ、そろそろおいとましましょうか」
そう言ってヘクトは、店から出る。それを見てエリックも店から出ようとするがふとあることに気が付いた。あれ?、ヘクトはお金を払ったのか、と。すると後ろからマスターが
「では、お代を。銀貨1枚です」
ほらやっぱりだ。そんな事を思いながらエリックはお金を払う。
「マスターごちそうさま。また来るよ」
「はい、ありがとうございました。また来て下さい」
お金を払った後、エリックは店から出る。外には、ヘクトが待っていた。
「ごちそうさま、エリック。さっきのお話の続きでもしましょうか」
「そうだな」
2人並んで歩きながら、ヘクトがさっきの続きを教えてくれる。
「今いる王国の王は、そこまで人を殺せとは言わないし人使いが、悪いわけではないけれど違う王国の王は、そういうわけではないのよ。今、2人違う王国に行っている殺し屋がいるでしょ」
「ああ、マスカが言っていたな。それとあれは特別とも言ってたけど…」
「そうよ。あの2人は今、殺し屋の中で一番嫌われている王の所に行っているの。エリックは、殺し屋になったばかりだからまだそこら辺については、詳しくないでしょ?。せっかくだからそこら辺、教えてあげる」
コーヒーの味の表現って難しいですね。




