お披露目
お披露目の準備といっても僕は正装に着替えるだけだからそんなに時間はかからないな、さてどうやって誤魔化すか。
いっそのこと全てを話しても良いんだが、信じて貰えるか分からないな、だがメリットはあるな。
しっかり説明すれば協力を取り付けられるかも知れないから、生きやすいことは間違い無いな。
だが、陛下がどの様な人物かわからないし利用される可能性も否定出来ない。
しかし何も話さず色んな事をやったら知識の源を言わなくてはならず結局全てを話す羽目になるな。
「うん、正直に全部話そう、その方が色々考えなくて済むし楽そうだな」
自分の部屋でアレコレ悩みながら全てを話す事に決め、お披露目の時間までのんびりする事にした。
「アロイス様、時間になりましたので玄関ホールまでお願いします」
教会での出来事の疲れを癒していた所に声がかかる。
「分かった、今出るよ」
玄関ホールに着くとベルク伯爵家と親しい貴族と、繋がりを持ちたい貴族全部で100家くらいは集まっているだろう人数がいた。
玄関ホールに降りる階段の踊り場に居る父の隣に立つ。
「今日は我が次男、アロイスの5歳のお披露目会にお集まり頂きありがたく思います、アロイス挨拶をしなさい」
父に促され前もって考えた言葉を出す。
「本日は私の様な若輩者の為にお集まり頂き感謝致しましゅ...」
噛んだ、めっちゃ恥ずかしい、自分でも顔が赤くなっているのが分かるくらい顔が熱い。
周囲からはクスクスと笑いが起きていた。
二度めの人生で初めて沢山の人に注目されて緊張していたみたいだな。
「5歳なのだからそういう失敗もあるさ、気にするなアロイス」
俯いていると、父から励ましの言葉がかかる。
「はい、父上。失礼しました」
気を取り直して顔を上げ謝罪する。
「5歳らしい失敗もありましたが、別会場にて軽い宴の用意がありますので短い時間ですが、ごゆるりとお楽しみ下さい」
父の言葉に貴族達が移動し始める。
今日の主役という事で椅子に座り次々とくる貴族達に挨拶を交わす。
「アロイス君5歳のお披露目おめでとう、私は君のお父君の友達で隣の領地を任せられているマット=フォン=ヴィンテーヌ公爵だよ、アーガスとは学生の時に知り合って今では親友なんだ、宜しくね」
ヴィンテーヌ公爵は痩せ型というより細過ぎる体型の人だ。
「ヴィンテーヌ公爵様本日はお越し頂きありがとうございます、父からヴィンテーヌ公爵様の事は少し聞いておりましたが、親友だったのですね。もし宜しければ今度父の学生時代の事を聞かせて下さい」
「勿論良いよ」
ヴィンテーヌ公爵が即答してくれる。
「ん⁈ヴィンテーヌ公爵様、学生時代の事などお話しするほどの思い出は無いかと思いますが」
少し慌てながら一応は体面を整えて父が反論する。
「そんな事ないよ?私たちがまだ1年生だった時に君が上級生に絡まれた時なんか一方的にボッコボコにした話とか…」
「マット!それ以上はダメだ僕の、父としての威厳が無くなってしまう」
どうやら父は学生の時から強かったらしい。
慌てた父が他の人の目も気にせずヴィンテーヌ公爵の言葉を遮る。
僕も強い魔法使いになりたいな。
「アーガス、どうやら威厳が無くなるどころか尊敬されたよ」
「そ、そうかアロイスは強い魔法使いになりたいのか」
目を輝かせながら父の事を見ていたらそんな言葉を言われた。
「はい、僕は父上の様な強い魔法使いになりたいです」




