侵入
ちょっとした勘違いがあったが無事隣国のファレント公国にたどり着いた。
城に行く前にこっちの状況を確認しておこう。
「随分静かな町だな。…すいません、今日こちらに来たのですが何かありました?随分静かな雰囲気なのですが」
「あんた、旅人かい?悪いことは言わない、直ぐにこの国から出た方が良いよ。この国はもう終わりだよ」
「どう言うことでしょうか?」
戦争の事を知っているのかな?
「この国の王は何を血迷ったのか隣のメイガス王国に戦争を仕掛けると言っているんだよ。そんな事したらこの国は潰れちまうよ」
「それはまた、メイガス王国は大国ですからね。もし戦争に勝てたとしても被害は甚大でしょうね」
町の人でも戦争の事知ってるんだな。それに事態を良く分かってる、それなのに何故この国の王はメイガスに戦争を仕掛けようと思ったんだろうか?不思議でならないな。
「ありがとうございます。なるべく早く出ていこうと思います」
「それが良いよ。気をつけていくんだよ」
「はい」
次に軍を見に行ってみよ。
おっとちゃんと姿を消しとかないとな。
「はぁー、なんでこんなご時世に戦争なんてしないといけないんだ。しかも俺ら対人戦はあまり得意じゃないのに」
「本当だよな。陛下は何を考えているんだろうな」
軍も乗り気じゃないのか。本当ダメだな。
「おい、あまり大きな声で言うな」
「た、隊長⁉︎」
「お前らの言い分も分かるしその通りだと思うが、俺たちはファレント公国の騎士だ陛下の命令には逆らう事は出来ない。諦めろ、メイガス王国もこちらが本気の戦闘の意思が無いと分かれば殺しはしないだろ」
うわー、隊長まであんな事言ってる。しかも負ける気満々、無駄な戦闘なんてさせないように王の捕獲は失敗出来ないな。
「そうは言いますが、もし負け帰ったら陛下に処罰されるのでは?」
「そう言う時の為に俺みたいな隊長職があるんだ。お前らは怪我をしない事だけ考えてれば良い」
「「隊長〜」」
部下想いの良い隊長だな、こういう人は絶対に死なせてはいけないな。
そろそろ城に侵入しよう。
ここが城かあんまり華美では無いな。贅を尽くす様な国王では無い様だ。
「おい」
⁉︎ば、バレた⁉︎
「は、はい。どうなさいました?」
良かった、バレたわけでは無い様だ。
「戦争の準備はどうだ?」
「着々と進んでおります」
「そうか」
「陛下、本当にメイガス王国に戦争を仕掛けるおつもりですか?」
「くどいぞ、今更何を言っておる。我らにはもうその道を選ぶしか無いのだ」
「な、何か方法はないのですか?折角国王陛下がここまで築き上げたこの国がなくなってしまします」
「どちらにせよこの国はもう終わりだ。なら国民が一番良いのは、敗戦国となった我が国民達の保証をしてもらった方が良い」
?どう言う事だこの国が終わる?国王も勝てるとは思ってないみたいだし、しかも国民の為?ますます意味がわからない。
「そ、それはそうですが」
「もう良いのだ、皇帝陛下に独立を許して頂いたのがそもそもの間違えだったのだ」
もっと詳しい話を聞きたい。国王ではなく、こちらの宰相っぽい人に聞けないかな。
「そんな、陛下は間違えなどしておりません。今回の事は仕方かった事かと」
「それは我らだけの事を考えればそうだが、国民は関係ない、我についてきたばかりにこんなことになるなんて。悔やんでも悔やみきれん」
話を聞いていると、悪い人には見えないな。事情があるみたいだし。
「陛下…」
「まぁいい、とりあえず頼んだぞ」
「…はっ!失礼します」
おっちょうど良い。
宰相っぽい人の後をついて行き部屋に入っていく。
「はぁ、何か良い手はないものか」
「お話を聞いてもよろしいでか?」
「⁉︎な、何者⁉︎」
「すいません、怪しいものではありません」
いや、この国にとっては怪しいものか?
「貴様は誰だ⁉︎」
「これは失礼、メイガス王国からやって来ました、アロイス=フォン=ベルクと申します」




