出発・不穏な動き
屋敷に戻った後は特にする事もなく直ぐに就寝した。
翌日からはシェリーと遊んだり、エリナと2人で過ごしたりと充実した休みを過ごせたと思う。僕はエリナの帰還に合わせて王都に行くことにした。
「おにいさまはもういってしまうのですか?」
「ごめんね、もっとシェリーと遊んでいたいけどエリナも心配だから一緒に行こうと思うんだ」
「そうですか、およめさんになるかたなのですから、しかたないですね」
「ありがとう」
「じゃあ、アロイスがいない分僕がいっぱい遊んであげるね」
「ありがとうございます、ユリウスおにいさま」
「兄上、ありがとう」
「気にしないで良いよ。アロイスも気をつけてね」
「うん」
シェリーの事は兄上にお任せしよう。それにしてもシェリーの言葉がとても大人びてる、女性は早熟と言うけれどまだ5歳のなんだよな。
「母上」
「何かしら?」
「シェリーはどうしてあんなにも大人びた言葉使いなのですか?」
「あー、それね。なんでも立派な淑女になる為のお勉強だそうよ」
「お勉強ですか、因みに何を参考にしているのですか?」
「たしか、何処かの王女さまの伝記だったかしら?」
「なるほど、納得しました」
「それよりも、道中気をつけなさいね」
「はい、まぁエリナと護衛の方もいますし何かあるとは思いませが」
「ふふふ、アロイスそれはフラグと言うらしいわよ」
誰だそんな言葉を広めたのは。
僕は苦笑いをしながら気をつけますと返事をする。
「アロイス」
「え?あっ、ち、父上、どうしました?」
「いや、王都に行く前に挨拶をしたいだけなんだけど…」
「あ、すいません。えっと、行ってきます」
「あ、うん。気をつけて」
気まずい空気になってしまった。
「ユーリ、これが親離れなのかな?」
「そ、そうね。貴方も早く子離れした方が良いわよ」
あ、母上も父上の事忘れてたな。
なんだか最近父上の存在感が薄い気がする。
「で、ではそろそろ行きますね」
「「「いってらっしゃい」」」
「おにいさま、いってらっしゃい」
「行ってきます」
僕は玄関を出てすでに挨拶を終え馬車で待っているエリナの元へ行く。
「エリナ、お待たせ」
「いえ、もうよろしいのですか?」
「うん、また長期休みの時に会えるからね」
「私もまた、来たいです」
「そう言ってもらえると嬉しいな」
「アロイスのお陰でとても素晴らしい休日を過ごせました。ありがとうございます」
「僕もエリナのおかげでとっても楽しかったからおあいこだよ」
「ふふふ。そうですね」
「じゃあ王都に行こうか」
「はい!」
出発をする時にふと母上との会話を思い出し、自分がフラグを立ててしまったかもしれないと少し不安になった。
な、何もなく王都に着いた。いや、それで良いんだけど、なんだか無駄に気を張ってしまった気がする。
「アロイス?どうしました?」
「い、いやなんでもないよ?」
「そうですか?なんだか疲れているように見えますが」
「き、気のせいだよ。それよりこの後はどうする?」
「その、一度アロイスも王城にお越しいただいてもよろしいですか?」
「王城に?良いけど何かあるの?」
「はい、お父様とお母様がお話ししたい事があるそうです」
「そうなんだ。なんだろう?」
「私も詳しく聞いてはいないのですが、なんでも他国で不穏な動きがあるそうです」
「…そっか、分かった。じゃあ王城に行こうか」
「はい」
「王女殿下、アロイス様王都に着きました」
「ありがとうございます。お父様とお母様に私の帰還とアロイスもいる事を報告して下さい」
「はっ。かしこまりました」
「では、アロイス私は一度部屋に戻り着替えをして参りますので、案内を出しますので客室でお待ち下さい」
「分かった」
そして客室に通されしばらく待っていると。
「失礼します。王女殿下が参りました」
「はい」
「お待たせしました。お父様達も直ぐに参りますのでもう少しお待ち下さい」
「分かっ「コンコン」」
僕は頷き返事を返している途中でドアがノックされる。
「国王陛下と王妃様をお連れしました」
「はい」
「おー、エリナ。よく帰った」
陛下は僕の事など全く目にいれずにエリナの元へと向かう。
「エリナ、無事に帰った事嬉しく思います、そしてアロイス君よく来ましたね」
「お久しぶりです、王妃様」
「ええ、お久しぶり。あ・な・た、アロイス君もいますよ」
「お、おお、アロイスよ良く来た」
「お久しぶりです」
「うむ。ではもう帰って良いぞ」
いや、呼んだのそっちだし。親バカは全く変わっていな、いやむしろ酷くなっているか。
「何を言っているのかしら。大事な話があるでしょう?」
「あ、いや。そうだったな…んん!アロイスよ隣国の事は知っているか?」
「帝国ですか?」
「そっちではない、50年くらい前に建国したファレント公国だ」




