王女の訪問④
「ここは真っ暗ですね」
エリナは少し不安そうな顔をしながら身を縮める。
「周りには灯りになるものが全く無いからね、でもここには魔物も盗賊なんかも出ないから安心していいよ」
僕はエリナを安心させるように言葉をかける。
「おにいさま、ここで何が見れるのですか?」
シェリーにはまだ見せてなかったな。
まぁまだ小さいから起きてられなかったってのもあるけど。
「とっても綺麗なものだよ。楽しみにしててね」
「はい!」
「さぁ、着いたよ。ちょっと準備するから少し待ってて」
皆んなの顔にハテナが浮かぶ。
イメージ次第で魔法が使えるなら試してみたいことがあった。
「行くよー」
「ライト‼︎」
皆んなから驚きの声が聞こえる。
「アロイス、凄いです!綺麗な色が沢山」
そう、僕はライトの魔法を少し工夫して色んな色にして出してみた。
「赤、緑、青、本当に凄いわね!良くこんなこと思いついたわね」
「これも、知識によるものかな」
「そう、あなたの知識は本当に凄いわね」
僕が凄いわけではないからなんとも言えないな。
「おにいさまはすごいですね。わたくしもおにいさまをみならってもっとがんばります」
「そうだね、魔法に関してはアロイスを目標にするのは良いことだよ」
「父上、魔法に関しては、とはどういう意味ですか?」
「え?あ、んーと。勉強もだね」
「あなた、アロイスの魔法を目指すのはあまり良くないと思うわよ」
「母上⁉︎」
「だって貴方、魔法の事となると正直引くわよ」
えー、僕そんなだったかな?確かに魔法が楽しくてずっと魔法の事ばかり考えてたけど、引く程かな?
「ふふふ、楽しい家族ですね」
「エリナに笑われたんだけど」
「でも、褒められたわよ?」
「いや、そうだけど」
「私もこんな風に家族と過ごしてみたいです」
「?陛下も王妃さまも、エリナと楽しそうに過ごしてるよね?」
「はい、お父様も、お母様もとても優しくてとても素晴らしい方達なのですが、私達は王族なので王城でしか過ごしてきませんでした。だから家族で何処かに出かけるというのが今までなかったのです。少し羨ましいです」
そりゃそうだよね、王族がホイホイ何処かに出かけるなんて出来ないもんね。
「僕達じゃあご両親の代わりにはなれないけれど、これからは沢山出掛けよう。いっぱい思い出作って、いっぱい楽しもう」
「はい‼︎」
「わたくしも、おにいさまといっぱいあそびたいです!」
「あはは、そうだね。沢山遊ぼうね、その時はエリナも一緒でいいかな?」
「もちろんです、わたくしエリナさまだいすきなので」
「私もシェリーちゃんが大好きです」
いつの間にそんなに仲良くなったんだろ?まぁ仲が良いのは良い事だよね。
「そろそろライトだけだと寂しいから湖も光らせようか」
そう言って湖に衝撃を与える。
「わぁー、凄いですね。昼間とは全く違います、これがアロイスの見せたかった景色なのですね」
「うん、どう?綺麗でしょ。僕のお気に入りなんだ」
「はい!私もとても気に入りました」
「わたくしもー」
「それなら良かった」
「本当綺麗だね」
「ええ、湖だけでも綺麗なのにライトの魔法でさらに幻想的ね」
「アロイス、もし良かったら僕にもこのライトのやり方教えてもらえるかな?」
「それは良いけど、何かあるの兄上?」
「うん、ちょっとね」
もしかして、兄上にも気になる人でもいるのかな?
「この景色を見せたらきっと上手くいくよ」
「な、な、何を言ってるの⁉︎ぼ、僕はただこの魔法が使ってみたいだけだよ⁉︎」
テンパリ過ぎで笑える。
「兄上、僕は上手くいくとは言ったけど、何がとは言ってないよ?」
「あ、アロイスー」
「あはは」
「あら?ユリウスにも気になる方がいるのね?誰かしら」
「は、母上別にそういうわけではありませんよ⁉︎」
「そうなの?」
「はい」
「そう、それは残念ね。ようやくユリウスも婚約者を見つけたのかと思ったのに」
「なら、僕達でユリウスの婚約者を探してみようか」
「そうね、それが良いのかしらね」
「僕にはまだ早いと思います」
「何を言っているのかしら?貴族なら遅いくらいよ。これは駄目ね本気で私たちで探すしか無いようね」
「い、いえ自分で決めますので大丈夫です」
「貴方に任せたらいつまで経っても決まらなそうなのでこちらで決めます」
「うっ、いや、あのすいません。気になる女性がいるのでやめて下さい」
「やっと正直になったわね。そういう事ならこちらで探すのはやめておきます。しっかりと捕まえるのよ」
「はい。まぁそのためにアロイスに魔法を教えてもらおうと思ってしますので」
「さっきの、ライトの魔法ね。良いと思うわ、アロイス任せたわよ」
「はい、任せてください。しっかりと叩き込みます」
「ほ、程々にね。僕はアロイスと違ってそこまで魔法に一筋にはなれないから」
「はは、冗談はやめてよ。兄上だってかなりおかしいらしいからね?」
「いや、確かに学園の人達と比べるとあれだけど、アロイス達と比べたらマシな方だと思うよ」
「そうかなぁ?まぁいいや。実際は魔法というより勉強を叩き込む感じだから」
「そうなの?」
「うん、魔法のイメージを明確にする為にはしっかりと下準備が必要だからね」
「そっか、それなら思いっきりやっても大丈夫かな」
「分かった。僕に任せておいてよ」
なんてね、僕もこの知識が無かったら意味不明なんだけどね。
「そろそろ、帰ろうか。若干一名がもう限界みたいだから」
?あ、シェリーが船を漕いでいた。
「そうですね、帰りましょうか」
「「はーい」」




