アロイスのミス
「ならさ、その逆で身体強化に属性付けたらどうなるんだ?」
ゾルの発想は僕も思った事がある。
「僕もそれを考えたんだけど、身体強化って体の中で起こってる事だからそこに属性を付けたら体の中がとんでもない事になる気がするんだ」
「確かにそうね、体の中が燃えちゃったりするのかしら?」
「それは怖いですね」
うん、本当に怖くて試そうとすら思わなかった。皆んなも想像したのか少し顔色が悪くなってる。
「まぁ出来ない事を考えても仕方がないから今は無属性魔法の応用でも考えていこうよ」
「そうだね、因みにアロイスにはもう考えがあるの?」
「一応ね、まだ試してないからどれだけの威力になるか分からないけど」
「流石だね。見せてもらっても良い?」
「勿論」
さてあんまり強すぎてもダメだろうから加減しないと。
「ショット」
「ドカーン‼︎‼︎」
僕が放った魔法が放った先にある木と地面を凄い音を立ててえぐっていた。
「え?」
「「「「「「⁉︎⁉︎」」」」」」
あれ?どうしてあんな威力に?そんなに魔力を込めてないのに。
「あ、アロイス?今なんの魔法を使ったのですか?」
「えっ?いや、ただ魔力を圧縮して放っただけなんだけど」
圧縮し過ぎたのかな?いや、でもいくら圧縮したからといって魔力自体をそんなに込めなかったらあんな威力になるとは思えないんだけど。
「そ、それだけであんな威力になるのですか?」
「いやまさか魔力自体はそんなに使ってないからあんな結果になるとは思えないんだけど…」
そんな会話をしていたら沢山の足音がしてくる。
「なんだ今の音は⁉︎」
あ、ゼフ先生だ。
「魔法の試し打ちをしただけなのですが、思った以上の威力になってしまいまして、すみません」
「アロイスか、話を詳しく聞きたい。場所を変えても良いか?」
「はい、分かりました。ごめん皆んな今日はここまでって事で」
「いえ、ありがとうございました」
先生に連れられ学園の空き教室に入って行く。
「それで?なんの魔法を使ったんだ?アロイスが加減ミスをするとは思えないんだが」
「えっとまだグループの人達にしか見せた事が無いのですが、属性変換をしない魔法です」
「属性変換しない?どう言う事だ?そんなの聞いたことないぞ」
「父も母も知らないと思いますので仕方ないかと」
「この国の最強戦力でも知らない魔法だと?どんな魔法なんだ?」
「単純に魔力そのものを放っただけです」
「魔力そのもの?そんな事出来るのか?」
「そうみたいですね。僕も今日初めて試したので出来るかどうかも分からなかったのですが、どうやら出来る様です。グループの皆んなも出来ていたので、誰にでも出来ますね」
「誰にでも?適正の有無は関係ないと」
「はい、魔力を放つだけですので」
「それもそうか。どんな効果を教えたんだ?」
「シールドと言う魔法です。盾のイメージです」
「なるほど……シールド!お、出来た。なるほどこれは便利だな」
いきなり試すのか、ちょっとビックリしちゃったよ。
「先生、やるならやると言ってください」
「ん?いや、悪い悪い。本当に誰にでも出来るのか試して見たくてな。しかし本当に出来るんだな、しかも予備知識など無くても。これを広めても良いか?」
「それは良いのですが、話が変わってしまってます」
「そうだった。アロイスはどんな魔法を使ったんだ?」
「ショットと言う魔法なのですが、魔力そのものを圧縮して放っただけです」
「それだけなのか?もっと爆発したりする効果があったんじゃないのか?」
「もし爆発する効果をつけるとしたら、それは無属性魔法にはならないと思います」
「無属性魔法?」
「あ、すいません、一々属性変換しない魔法と言うのが長かったので無属性魔法と名付けました。まぁ僕が言ってるだけなので別の名称でも構いませんが」
「いや、無属性魔法で良いと思う。分かりやすいし。
しかし圧縮魔力を放っただけであんな威力になるとは思えないんだが」
「それは僕も同意見です。威力を抑えるためにもたいして魔力も込めていなかったのに、あんな威力になってしまったのは僕にも分からないのです」
「まぁ、今まで誰もやらなかった事だからなぁ。何が原因か分からんな、心当たりはあるか?」
心当たりか、なくもないけどこれは僕の推察だからなぁ。




