食事会
エリナと会話をしながら寮へと戻り、夕食の時間まで自分の部屋で過ごしながら今後の事を考える事にした。
「学園生活は多分何事もなく過ごせるだろう。ただその後何をしようか考えないとな、武功で貰える最大の爵位は確か子爵までだったよな、本当は男爵位が良かったんだけど、エリナと婚約するには最低子爵位だったよな。
でも子爵以上になると確か領地を任される事になる、僕に領地経営なんか出来るとは思えないんだよな。いや、前世の知識を使えばある程度形には出来ると思うけど、自信無いな、でもやらなきゃいけないんだろうな。後僕に課せられる使命も分からないし、あれ?でも名誉爵位なら領地も使命も無いのでは?あ、でも名誉爵位だと婚約は難しいか。んー、まっ今考えても仕方ないか、どうせ爵位は成人してから貰う予定だから後5年はあるから少しずつ考えて行こう。おっとそろそろ時間だ」
部屋を出て、食堂に向かいメンバーのみんなと合流した。
「お待たせ」
もう皆んな揃ってたんだ、少し遅れちゃったかな?
「これで皆んな揃ったね、どこに座ろうか」
「端っこの方だけどあそこが空いてるみたいよ」
「ではそこにしましょう」
「私達がお食事を持って参りますので皆さんは座って待っていて下さい」
「トルネさんそれはダメだよ、自分の分は自分で用意するから順番に行こう」
「ただでさえ同じ席と言うだけで恐れ多いのに皆さんを働かせるのは気が引けます」
んートルネは身分を気にし過ぎな気がする。よし今回の食事会でしっかりと言い聞かせよう。
「アロイスの言う通りですよ、皆さんは私達の使用人ではなくお友達なのですから、私達が貴方たちを使うのはおかしい事です」
エリナも僕と同じ意見の様だ。
「しかし…」
「トルネ、あんまり自分の意見を言うのも失礼にあたると思うぜ」
おっ、ゾルが良い事言った。
「ゾルの言う通りだよ、あまりかしこまり過ぎるのも迷惑になるよ。まぁ、ゾルみたいに砕け過ぎるのもどうかと思うけど」
ラーダもしっかりと分かってるみたいだな。
「…分かりました」
「よし、じゃあ話も纏まったことだし、順番で取りに行こうか」
「じゃあ食べ始めようか、もう待てそうにない人もいる様だし」
ゾルを見ながら皆んなが苦笑いしていた。
「そういえば4人は昔からの知り合いなの?」
ラーダ君に質問してみた。
「はい、皆んな同じ村の出身で、子供が僕達4人しかいなかったので、村の人達みんなでお金を出し合って学園に通わせてもらってます」
村のみんなでお金を出し合ってか、なんか良いな。暖かみを感じる。
「そうなんだ、良い人たちだね」
「はい!だから村の人達に恩返し出来る様にしっかりと勉強して、村の役に立ちたいです」
しっかりしてるな。
「そっか、じゃあ僕も気合入れて教えるね」
「ありがとうございます」
「出来ればもっと砕けた喋り方の方が嬉しいな」
「あ、忘れてまし…忘れてた」
「少しづつ慣れてくれれば良いよ。せっかく友達になれたんだから、いつまでも敬語って言うは寂しいからね」
「うん、なるべく慣れる様にするね」
「よろしく。トルネさんもね」
「えっ、は、はい頑張ります…が、頑張るね?」
「ふふふ、アロイスの言うように慣れてくれれば嬉しいですけど、無理はしなくて良いですよ」
「まぁ、そうだね。強制するつもりは無いけど、ゾル君までとはいかなくても、出来ればもっと仲良くなりたいな」
「ゾルの場合は単に敬語が使えないだけなんだけど、努力するね」
「あ、だから最初ゾルは喋らなかったんだ」
「そっか、ならゾル君にはそっちの勉強もしようか」
僕とギールで少しゾルをからかってみる。
「えー、そりゃないぜ」
「あはは、冗談だよ。でも礼儀は知っていた方が便利だから、覚えておいて損はないよ」
「そんなもんそのうち覚えるから大丈夫だろ」
どこからそんな自信が出てくるんだろ。
「所で、エリナ様とアロイス君はいつ婚約の儀をしたの?」
シルフィからいきなりの質問が飛んできた。
と言うかもう婚約してる前提だったのね。
「してないよ。僕は次男だから婚約するには身分が足りないんだ」
「え?じゃあどうするの?」
「まぁそこはどうにでもなるかな?」
「そうなの?」
「うん」
あまり詳しく言う必要はないよね。
と、思っていると。
「そうなんです、アロイスはもういつでも子爵になれるので何も心配は無いです」
「「「「え?」」」」
あちゃー、エリナが喋っちゃったよ。
「えっと、まぁそうだね」
「なんで?何したの?」
あんまり言いたく無いんだけどなぁ。
「もしかして、言わない方が良かったですか?」
「うーん、隠しておくのもあまり良く無いとは思うんだけど、まだ言わなくて良いかなとは思ってた」
「す、すみません。そんな事気にせず言ってしまいました」
「いや、別にエリナを責めるわけではないから気にしなくて良いよ。どうせいつかは知る事になるだろうから」
「すみません」
「気にしないで」
「それで、それで。なにやったの?」
「んー、ここだけの秘密だよ?」
「うん、うん。誰にも言わないから教えて」
「ドラゴンを討伐した」
「ん?ごめんもう一回言ってもらって良い?聞き間違えちゃったみたい。ドラゴンて聞こえたけど間違えだよね?」
「聞き間違えではないね。ドラゴンで合ってるよ」
「〜〜‼︎」
シルフィが声にならない叫び声をあげそうになってる。
まぁ仕方ないか、普通ドラゴンを討伐するのはこの年齢じゃ無理だもんね。他の人は固まってるし。
「ア、アロイスって本当に凄いんだね。もしかして、ベルク伯爵家はドラゴンの討伐は出来て当たり前なのかな?」
ギールの言葉に強ち否定も出来ないな。両親は勿論のこと多分兄上も今なら出来るのではないだろうか。
「ど、どうだろうね。ただ両親が両親だからなんとも言えないね」
「あはは、冗談で言っただけなんだけど、確かにアーガス様やユーリ様なら簡単に出来るよね」
「す、すげ〜、アロイスの家族はドラゴン倒せるんだ。なぁなぁ、俺にも戦闘教えてくれよ。俺もドラゴン倒したい」
「ゾルはまず勉強が先でしょ。ちゃんと魔法の知識が無いと使えないんだから」
いやそんな事は無いよ、トルネ。僕はスパルタで頭より先に体で覚えたから。
「トルネ、それは人によって違うと思うよ。現に僕なんかは父上からは感覚で覚えさせられたから」
「あ、そういえば今日の授業でそんな様な事聞いた気がする。あれってどう言う意味なの?」
「父上が脳筋てことだよ」
「な、なるほど」
「じゃあ、俺にも魔法教えてくれよ」
「別に良いよ、と言うよりも元よりそのつもりだったから」
「よっしゃ」
「そうなの?」
「うん、だって勉強を見てやれって実技も含まれるでしょ?それとも、ギールは自分でどうにかする?」
「そう言われるとそうなのかな?いや教えてもらえるなら是非教えてもらいたい。何せ『魔法のベルク家』から教えてもらえるなら皆んなが集まるほどだからね」
魔法のベルク家?なんだそれ、聞いたこともない。しかもダサいし。
「魔法のベルク家ってなに?」
「え?アロイス知らないの?ベルク家って言えば魔法特化の家柄でしょ?どの貴族よりも優れているから魔法の事はベルク家に聞けばまず間違いがないって言われてるんだよ」
「知らなかった。でも父上は脳筋だから聞かれても多分答えられないんじゃないかな?」
「きっと、口で言うよりも早いと思ってるだけでしっかりと答えられると思うよ…」
目を逸らしながら言われてもね。
そんな話をしながら食事会は終わった。
あれ?ベティなにも喋って無いよ⁉︎と言うか空気みたいに存在感が無くなってたよ。ある意味凄いな。




