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学園の意向

「よし、皆んな決まったな。まぁ、グループに分かれてもらったが今のところは特にやる事が決まってない。ただなるべく今決めたグループで固まって授業を受けてくれ」


何のためにグループに分かれたんだろう。やる事がないならグループに分かれる必要性がないのでは?

他のクラスメイトも困惑してるようだし。


「あー、皆んな疑問に思うよな。まぁそのうちわかる事だけど、教えとくか。まだ正式に決まった訳ではないが、今年から課外実習をする事になるらしい。場所も時期もまだ決まってはない、個人ではなくグループでの行動って事になるから今のうちにメンバーと仲良くなっとけみたいな感じだ」


へぇー課外実習か面白そうだな。今から楽しみになってきた。


「説明は以上だ、早速授業始めるぞ」


学園に入学してから初めての授業が行われた。行われたのは良いが正直つまらない。皆んなしっかりと書取りをしているから僕も同じ様に書取りしているが、読み返さないだろうな。

と、授業内容をあまり聞かずにいると授業の終わりを告げる鐘がなる。


「よーし、今日はここまでだ。忘れないようにしとけよ。…あと、アロイス、話があるからちょっと着いてこい」


僕に話し?なんだろう。


「はい」


「アロイス、何かしたの?いきなり呼び出しだよ」


授業聞いてなかった事怒られるのかな?


「特に思い当たる節はないけどなぁ、とりあえず行ってくるよ」


そう言って皆んなと離れて、担任の所へ向かう。


「わりぃな、いきなり呼び出して」


「いえ」


「いきなりだがさっきの授業どうだった?」


「とても分かりやすかったと思いますよ」


対して聞いてなかったけど、そう言っておかないとね。


「そうか、聞いて無かったのによくわかるな」


バレてました。


「すいません、ほとんど聞いていませんでした」


「だろうな、まぁそんな事を言いたい訳では無いから気にするな」


ん?お説教では無いのか?


「お前の事は聞いているから別に授業を聞いてなくても怒りはしない、退屈だろうからな。ただお前に合わせた授業をする事も出来ない、それはわかるな?」


「はい」


学園で習う事は殆ど分かるからね。


「でだ、お前にはグループ内の教師的な事をやって貰いたい」


僕に皆んなの勉強を見ろって事かな?それは別に良いが何故わざわざ言うのだろう?


「それは構いませんが、何故僕個人に言うのですか?成績の良い人皆んなに言った方が良いのでは?」


「あー、正直に言うとだなアロイスに教える事が出来る奴がこの学園にはいない。むしろお前が皆んなに教えたらどうなるのか、まぁ試験的な意味合いだな、後は友達作りの一環だな」


友達作り?確かに友達は欲しい、ボッチにはなりたく無いし。でも学園がわざわざ言うのだろうか?


「そうですか。僕に教えられるのなら承知しました。ただ、友達作りと言うのは、学園の考えですか?それとも先生個人の意見ですか?」


「学園の意向だな、アロイスの実力を目にした学生達がどう思うのか分からないが、多分お前は周りから一線置かれると思っている。そうならない為にも繋がりを作った方が良いだろうって考えみたいだな」


なるほどね、実技なんかで本気を出したらとんでもない事になるのは分かる、なんせこの国の最強戦力と同等の力がある。そんな力を10歳そこらの子供が見たら恐怖を覚えても仕方がないもんね。

ただ学園がそこまで気にする事なのか?ただの一生徒が遠目に見られる事なんか気にしていたらラチが開かないと思うんだが。


「仰る意味は分かります。ですがそれでも不思議ですね、ただの生徒にそこまで気にする理由は何ですか?」


「まぁ、疑問に思うよな。学生だからってのもある、俺も貴族の嫡男だから使命を分かっている。ベルク家が何を任されているのかは知らない。だが、貴族同士の繋がりは絶対に必要だ、そんな理由もあってお前みたいな実力者を放置する訳にはいかないって所だな」


僕は次男だから、本来なら使命の事は聞かされてるはずは無いんだが、それは分かって言っているのだろうか?


「先生、僕は次男です、貴族の使命について言っても良いのですか?」


「ああ、そこはベルク伯爵に聞いているから問題ない」


父上は色々喋り過ぎでは無いのか?


「ただ何故話したのかは聞いていないから理由が知りたいとは思う」


事細かく説明した訳では無いらしい。


「それは時期に分かるとしか、今は言えませんね」


「そうか、まぁ理由が分かる日が来るなら今聞く必要は無いな」


追求する気は無いのか良かった。


「とまぁそんな事だから頑張れ」


「分かりました。なるべく多くの繋がりを作る様にします」


時期に分かるか、自分で言っておいてなんだがいつにしよう。王妃様が言っていた事を真に受けるなら今直ぐにでも爵位が貰えるんだよな。まだ誰にも言ってないけどドラゴン倒しちゃったし。ただ出来れば学園を卒業してからが良いんだよね。学生のうちに貴族当主になると色々面倒なことがありそうだし。

エリナにそれとなく聞いてみようかな、結婚ではなく婚約だからいつでも良いって言いそうだな。

そんな事を考えながら、教室に戻ると心配そうなエリナと目があった。


「ただいま」


「おかえりなさい。大丈夫でしたか?随分長くお話ししていた様ですが」


「うん、大丈夫だよ。皆んなの勉強見てあげろって言われただけだから」


繋がり云々は言わなくて良いよね。


「そうですか?その割には何か考え込んでいた様に思いますが?」


おっと、見られていたか。まぁエリナに隠す事は何も無いから良いけど、他の人に聞かせることでは無いから今は誤魔化しておこうかな。


「単純に何をすれば良いのか考えてただけだよ」


「そうですか、何か悩みがあったら言って下さいね?相談に乗りますから」


「うん、そうするよ。ありがとう」

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