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自己紹介・噂

えーっとこういう時は。


「エリナ、行こう!」


「え?あ、アロイス⁉︎」


逃げるのが1番。後回しにするとも言う。


エリナの手を握り急いで教室に入って行く。


「はぁはぁ、アロイス急に走らないで下さい」


「ごめんね、ちょっとあの空気に耐えられなくて」


皆んなから畏怖を向けられるのはあまり好きではないからな。


「と、ところでいつまで手を握っているのですか?」


ん?あ、ずっと繋ぎっぱなしだったか。通りでエリナの顔が真っ赤なわけだ。


「気づかなかったよ、ごめんね」


そう言って手を離す。


「あ、…いえ私は嬉しかったので構いません」


少しだけ寂しそうな顔をしながら手を見つめた後に、そう返す、エリナ。


「今度、2人で出掛けようか」


とりあえず、デートのお誘いをしてみる。


「本当ですか?約束ですよ」


パーっと顔が明るくなって嬉しそうにする。


「うん、約束だね。そろそろ皆んな来そうだね、席に座っていようか」


「はい」


席に着くとゾロゾロと教室に生徒達が入ってくる。

そして僕達を含めたクラス全員が席に座る。

周りからはさっきの出来事を見ていた人もいたらしくヒソヒソと話し声と視線が向けられる。

んー、なんだか居心地が悪い。自業自得のところもあるからなんとも言えないな。


少ししてから、ガラガラと教室のドアが開いて、担任らきし先生が入ってくる。


「皆んな揃ってるな。今日からこのクラスの担任になった、ゼフだ。宜しくな、式でも言っていたが身分は関係ないから皆んな仲良くしろよ。今日は授業はないが自己紹介はやってもらおうと思う。成績順に行くぞー。アロイス、お前からだ」


「はい!アロイス=フォン=ベルクです。一応貴族の生まれですが、僕は皆平等に接していきたいと思っていますので、気軽に声を掛けてくれると嬉しいです」


周りがザワザワしだしたがアロイスは別の事を考えている為聞こえていない。


よし、しっかりと言えたな。でも、さっきの事もあるから話しかけてくれる人は少なそうだな。


「エリナ=ヴァン=メイガスです。王族ですが学園にいる間は皆さんと同じ立場ですので、気軽にお声がけをお願いします」


エリナの自己紹介も終わり次々と自己紹介が進んでいく。

程なくして自己紹介も終わり、これからの日程が話される。


「よし、皆んな終わったな。次だ、まず授業は明日から、1日5、6時間程度だな。一年次はクラスに関係なく同じ内容だ。それと休みだな、1週間のうち、光の日と、闇の日が休みだ、基本的には自由だが、もし街に行くことがあるなら、最低でも2日前には申請する事。もしも申請せずに街に行ったことがバレると罰則が与えられる。まぁ基本的には掃除とかだな、ただ何度もやると監視がついて1ヶ月外出禁止だ、気を付けろよ。後は、長期休暇の事だな、これは7月の初めから9月の終わりまでと、16月の初めから18月の終わりまで、後は25月の初めから1月の初めまでだな。それと皆んな大好きテストも長期休暇の前にあるからしっかりと勉強しろよ。それぐらいか?何か質問のある奴はいるか?いないな。よし、解散」


1年の大まかな日程を聞き解散となった。

しかし、昔から思っていたけど一年が25ヶ月って長すぎだと思う。前世で言うとこちらの一年は向こうで二年以上になる。学園に入学してから余計にそう思う。


「アロイス、これからどうしますか?」


考え事をしていたら、エリナから声をかけられる。


「んー、確か学園の寮の説明があったはずだから、寮に行こうと思ってるよ」


「あ、そういえば今日から寮での生活になるのでしたね。忘れていました。では寮に向かいましょう」


「うん」


エリナと寮に向かおうとしたら横から声をかけられる。


「アロイス君」


「君は、ギール君だったよね」


「そうだよ、アロイス君と同じ伯爵家の生まれさ」


「そうなんだ、ごめんね。僕貴族に詳しくなくて、苗字を聞いただけだと誰がどの家の人かわからないんだ」


「気にしなくて良いよ。ここにいる大抵の人はみんなの事知らないだろうから、王女殿下とアロイス君以外は」


エリナの事は分かるけど何で僕まで?


「何で僕の事を知ってるの?」


「アロイス君自身と、言うよりもベルク家と言った方が良いかな?」


あー、それなら何となく分かるな。最強戦力夫婦だものね。


「それなら納得したよ」


「うん、だから君が自己紹介をした時から皆んなの反応が違うでしょ?」


そう言われるとそうだな。突き刺さる視線とか畏怖がないように感じる。ベルク家だからと納得したのかな?ベルク家って凄いな。


「そうみたいだね。それにしてはギール君以外話しかけて来ないよ?」


「多分殿下がいるからだと思うよ?」


「エリナが?」


「ほら、君以外に殿下と仲良さそうな人はいないし、2人の仲を邪魔しようとも思う人がこのクラスにはいないみたいだから」


あれ?皆んな僕達の仲を知ってるのかな?


「僕達の仲?」


「うん、まだ発表はされてないみたいだけど、殆どの貴族は分かってるみたいだよ」


どこからバレるんだろ?


「何でそんな事になってるのかな?」


「王女殿下と手紙のやり取りをしてるのがアロイス君だけみたいだし、手紙を受け取った王女殿下の顔が凄く嬉しそうにしてるから、王女殿下のお相手が決まったって噂されてるみたいだよ」


王城にいる人達の噂から広まったのかな?


「王城から噂が広まった感じなんだね」


「そうだろうね、王城にいるメイドとか、兵士達は何処かの貴族の出だから、自分の実家とか仲のいい人達に話しちゃうみたいだよ。気をつけてね」


「ありがとう。これからは気をつけるよ」


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