王都到着・メイガス支部
ベルク伯爵領を出て4日、ようやく王都へ到着した。
今日から約3週間後に学園のクラス決めのテストがある、クラスは成績順にA〜Dクラスまである。その1週間後に入学式。テストはどうでも良いが、エリナの婚約者と発表がされた時に下のクラスにいるとカッコがつかないので主席をとるつもりではいる。学園は全員学生寮に入らなければならないが、入学式が終了するまでは入らない。テストまで余裕があるよう到着したが何もする事がない。なので王都の冒険者ギルドに行くことにする。
「ここが王都の冒険者ギルドか、やっぱりデカいな。ベルク伯爵領とは大違いだ」
「ようこそ、冒険者ギルドメイガス支部へ。今日はどのようなご用件でしょうか?」
受付の女性から用件を聞かれる。
「学園の入学式までする事が無いので、何か依頼を受けようと思いまして」
「もう冒険者登録はお済みなのですね?」
「はい、2年前に済ませています」
「今のランクはいくつでしょうか?」
「Aランクのアロイスです」
そう言ってギルドに登録すると貰える、ギルドカードを出す。
「え、Aランク⁉︎」
声でか!
周りの人までこっちを見てくる。
「あの年でAランクってありえるのか?」「Aランク⁉︎凄い‼︎、ウチのパーティーに入ってくれないかしら」「将来有望ね」など
ヒソヒソ何か言っているが聞こえないフリ。
冒険者にはランクがあり、最初はEランクから始まりSSランクまであるらしい。Eランクは登録したばかりの初心者とあって、皆んなから色々教えてもらいながら冒険者としての知識を貯めていきCランクで一人前と言われる。BランクからAランクは達人の域、僕はここだ。Sランクは超人の域SSランクは人外と言われている。今の時代にSSランクはいないらしい、最高ランクはSで父上達、国の最強戦力の人達らしい、僕もSランクと同じ力があるが、Sランクになるにはダンジョンと言われる、魔物の出現する洞窟を攻略しなければならない。僕はまだダンジョンに入った事が無い、なのでSランク以上になれない。
「あのお姉さん?」
僕のランクを見て固まっている受付嬢に声をかける。
「え?あっ、し、失礼しました。それと私はキャロと申します、以後宜しくお願いします」
キャロと言うのか。覚えておくかな。
「こちらこそ宜しくお願いします。それで何か依頼を受けたいのですが」
「すぐに見積もって参ります」
それから少ししてキャロが戻ってくる。
「お待たせしました、アロイス様。これなどどうでしょう?」
「イビルタイガーの討伐か、この近くにこんな魔物がいるのですか?」
「はい、つい先日西の森に現れたらしいのですが、イビルタイガーの特性が今いる冒険者とは相性が悪く今だな倒せていないのです」
確かイビルタイガーはAランクとBランクの間位の強さで相手の認識をずらす魔法を使うんだったな。
「分かりました。それを受けます」
「ありがとうございます!それでは受注手続きをいたします。…受注完了しました。それではよろしくお願いします」
「はい、では行ってきます」
西の森か。……何処だろう?王都は5歳の時以来、来てないから周辺の事は何も知らないや。門番に聞けば分かるだろ。
「すみません、西の森に行きたいのですが、何処にあるのでしょうか?」
「冒険者かな?西の森は今危ないから別の所にした方が良いよ」
まぁ、僕の年齢を考えたらそう言いたくなるよね。
「あ、その危険を取り除くために行ってきます。これでもAランクなので」
「その年でAランク、凄いな。西の森はここを真っ直ぐ行けば見える最初の森だから迷わずに行けるぞ」
「ありがとうございます。それでは失礼します」
「気を付けろよー」
冒険者は礼儀作法をしっかりとしているからか、皆んな優しいな。僕がAランクって事に疑いも持たないし、前世で読んだ小説なんかだと乱暴者とかのイメージがあるけど、こっちの方が余計なトラブルに合わないから楽だな。
「おっ、あれが西の森か。まずは、空間魔法で森全体を把握する。これかな?他の魔物より強い魔力を感じる」
近づくと魔法でこっちの認識をずらされるからな。ここは、このまま空間魔法では倒す。イビルタイガーの位置をしっかりと確認して、奴の首あたりに亜空間を作って、閉じる!よし、魔力が流れ込んできた。素材回収に行くか。
「うん、首だけ無いね。これを時間停止の空間にしまってと。さて帰るか」
行きに話した門番がいる。
「どうした?準備不足で帰って来たのか?」
「いえ、もう倒したので帰ってきました」
「えっ?も、もう?まだ門出て30分しか経ってないのに?」
「はい、遠くから魔法を撃ったので直ぐに倒せました」
「そ、そうか、流石はその年でAランクになるだけの事はあるな」
まぁこれだけ早いとビックリするよね。流石の父上達でもここまで早くは倒せないしね。
「では、冒険者ギルドへ行くのでこれで」
「あ、ああ」
冒険者ギルドに到着した。
「アロイス様?何か忘れ物ですか?」
キャロが話しかけて来た。
「いえ、イビルタイガーを倒したので、依頼完了の手続きをお願いします」
「た、倒した⁉︎もうですか?失礼ですが討伐証明をお願い出来ますか?」
「死体丸ごとあるので、解体場に持って行きますよ」
「え?何処に?」
「ここに」
そう言って、空間を開いて、頭だけ出してみる。
「きゃっ。し、失礼しました。解体場はこちらです」
可愛い悲鳴を上げるキャロの案内に従って、解体場に向かう。
「おう、キャロ。どうした?」
解体場にいるおじさんが迎えてくれる。
「こちらにいるアロイス様が討伐されたイビルタイガーの、解体をお願いします」
「そのちっこいのがイビルタイガーを?そんなの持って無さそうだが?」
「こんにちは、Aランクのアロイスと申します。イビルタイガーはここに」
そう言って空間からイビルタイガーを取り出す。
「うおっ⁈ど、何処から取り出した⁉︎」
「僕は特殊な魔法が使えますので」
「あー、あまり詳しく聞くのは良くないな。それにしてもなんて綺麗な状態なんだ、傷が一切無いな。ん?首はどうした?」
「これは首のみを吹き飛ばして殺しましたので、首はありません」
「な、なるほど。首のみをね、おっかねぇな」
本当は首も亜空間の中にあるから出せるけど、そんなの出しても説明出来ないから出さない。




