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母上と再戦

「こ、ここは?僕の部屋か」


母上に魔法を奪われて自分の魔法で串刺しにされたんだったな。傷は、無いな。


「やっと起きたのね、アロイス。ちょっと怪我したからって寝過ぎよ」


「すいません」


まだ怒ってるのか。いい加減許してくれないかな。


「貴方って弱いわね」


いきなり精神攻撃か。


「母上達に比べたら、それは弱いですよ」


「いいえ、私達ではなく一般的に言ってよ」


僕ってそんなに弱いのか?魔力量も沢山あるし、これでも毎日練習して、それなりに使えるようになってるのに。


「そこまで言うほどですか?」


「ええ、貴方は弱過ぎます。ユリウスにも勝てないでしょう」


兄上と模擬戦した事ないから分からないけど、いい勝負出来ると思うんだけど。兄上争い事嫌いって言ってたし。


「戦うのがあまり好きではない兄上にも勝てないのですか?」


「ええ、勝てませんね。貴方には魔法使いとしての素質はとても高いわ。けどね、使い方がなっていなさ過ぎるのよ」


「使い方?ですか」


イメージと放出の仕方が悪いのかな?


「貴方は勘違いしている様ですけど、イメージと放出がいくら上手くても、それだけで勝てる相手は三下だけよ。もっと魔力操作を出来る様にならなければ私達はおろかユリウスにも勝てません。アーガスは私よりも魔力操作が上手くありませんが貴方が不思議に思うあの動き、あれは身体強化によるものよ」


身体強化だけであの動きが出来るのか⁉︎と言うか身体強化しながら他の魔法も使っていた。魔法は二個同時に出来るのか。


「魔力操作を極めれば父上の様に動き、母上の様に相手の魔法を奪える。魔法を同時に使えるようになるんですね」


「その通りです。それで?私が何故怒っているのか分かったかしら?」


なるほど。そう言うことか。


「未熟な僕が多少魔法が使えるようになったからと言って調子に乗っていたからですね」


「はい、正解。分かったらもっと努力なさい」


「はい!分かりました」


母上の話を聞いて気がついた。空間魔法は多分魔力操作を極めなければ使えない気がする。自分の魔力すらろくに扱えないのなら、空気中の魔力を扱うなど持っての他!

よし‼︎魔力操作、極めるぞ‼︎


「あ、母上。いつまで王都にいるのですか?」


母上が部屋から出る寸前に聞いてみる。


「来週あたりかしら」


「分かりました」


来週か、エリナとは会えそうに無いな、手紙を書いておこう。




それからは魔力操作の練習をずっとしながらエリナと文通をしたり、体力向上に努めたりしていた。


王都を帰る前日僕はまた母上達に模擬戦をお願いした。


「母上お願いします」


「良いわよ、貴方ずっと頑張っていたものね。正直ひくぐらい」


母上に引かれている。それはそうか、寝る時以外ずっと魔力操作していたものな、食事の時もお風呂の時も。


「は、ははは。でもそのおかげで結構上手くなりましたよ」


「でしょうね。まぁ良いわ、やりましょうか」



「では、行きます」


まずは自分の影を出して。


「シャドー」


「あら、また同じ事するのかしら?」


次に母上の影をバレないように。


「なるほどね、私の影も操っているのね。でもバレバレよ」


ここまではバレても大丈夫。

ここからだ、影に注意を引かせて。

今だ‼︎


「くらえ、メテオ‼︎」


土魔法で岩を作りそれを火魔法で岩を囲って速度を上げる。無理矢理隕石を再現する。


「っ⁉︎これは‼︎ウォーターカーテン‼︎」


分厚い水の膜を張って防ぐつもりなのか?

あ、こっちの魔法の威力が弱まる。ダメだ消える。


「参りました。もう魔力がありません」


「はぁ、はぁ、貴方、今のは?」


「火と土の混合魔法です、今の僕の最高の技です、まぁ防がれてしまいましたが」


「いえ、防げたのは、貴方の魔力量不足によるものよ、それがなければ間違いなく私の負けよ」


魔力量かそれは今の僕では増やせないな。


「では、まだ母上には勝てませんね」


「勝てたら困るは、貴方と私では経験が違うのですから。でも良くここまで強くなれたわね」


「あの技は前世の知識による物ですね、隕石が落ちるイメージをしたので、本当は空間魔法が使えればもっと完璧に出来るのですが、まだ試していないので使えないです」


空間魔法で重力を操れれば完璧なんだよな。


「そう。正直使えなくて良かったと思ってるわ、空間魔法で何が出来るか良く分かっていないけれど、何となく

勝てる気がしないもの」


空間魔法には魔素操作も必要になるから母上でも奪えないだろう。父上にも重力を直接かけてしまえば素早く動けなくなるだろう。うん、勝てる気がする。と言うか大抵の相手に勝てる。重力を潰れるくらい増やしてしまえば勝てる。チートだな。


「そうですか。なら僕は空間魔法を完璧に扱えるようになって、魔力量を上げていきます」


「そうね、それが出来れば貴方に勝てる人は多分いないわ」


誰にも負けない、か。僕は両親と肩を比べられるぐらい強くなれれば良いから、あまり固執しないようにしよう。他にやりたいこともあるし。



そのあとは空間魔法を扱える様に、空気中の魔力を集める練習をして王都最後の夜を迎えた。

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