空間属性・結婚?
「そうか。まぁ、分からないなら仕方がないか。ところでその『空』属性なるものはどのような事が出来るのだ?」
「申し訳ありません、まだ魔法を習ったばかりなので把握出来てはおりません。ただ『空』属性は空間に冠することだと思います」
本当は試そうとした事があるが、全く何も起きなかったんだよね。
「いや、魔法を習いたてなら仕方がない。空間?それはどう言う意味だ?」
「そうですね。例えば、この部屋をもっと抽象的に表した言葉ですかね?」
「ん?抽象的に?…なるほど、何となくではあるが分かったような気がする。と言う事は、もしかすると『空』属性なるものはその空間なるものの干渉が出来ると言う事か?」
「恐らく、その通りかと」
「これは非常に大変な事だぞ!」
「陛下、何が大変なのでしょう?」
「わからん‼︎」
いや、わかんないんかい!さも分かった様に言うのはやめてもらいたい。他のみんなも呆れた顔してるよ。
「サイラス、今のは無いよ」
「ん?すまん、すまん。ちょっと意味が分からなさすぎて大変だと思ってな」
「あ〜、確か。私も意味が分からなくて混乱してるよ、ユーリは何かわかったかい?」
「そうね。例えばだけど、今この空間の音を遮断したり出来るのかしら?空間に干渉するとはそう言う事だと思うのだけど?」
なるほど。流石母上、僕でも何が出来るか分かんなかったのに、すぐに思いつくなんて。
「なるほど、言われてみるとそうだね。アロイスちょとやってみて」
「よろしいのですか?」
「サイラス、良いよね?」
「うむ、実際に見てみたいからな、許可する」
「分かりました。母上、これは上級属性と同じやり方で大丈夫なのでしょうか?」
「そうね、まずは圧縮せずにやってみて」
「分かりました」
「待て、貴様は魔法を習いたてならではなかったのか?何故もう圧縮が出来るのだ」
「これに関してはたまたま?ですかね、魔力操作を早く出来る様に考えた結論が圧縮だったってだけですかね?」
「それも前世の記憶から引き出したのか?」
「そうですね。前世では魔法は無かったので少し違いますが知識の応用です」
「魔法の無い世界、考えられんな。まぁ今は良いか。やってみてくれ」
「はい、でも出来るか分かりませんからね」
「出来なければ、出来る様に努力をすれば良いだけだ」
まともなこと言ってる。いやこの人は娘が関わらなければまともな人なのか。
「ではやりますね」
まずは魔力袋から魔力を取り出して、これをこの間杖を使った時の感覚を思い出して、音が漏れない様イメージしながら放出。
「………」
ん?何か変わったか?
「どうですかね?」
「ダメね、魔力が出ただけよ」
やっぱりか。んー?イメージは出来てるんだけどな。
「どんなイメージしたの?」
「はい、音とは空気の振動からなるものなので、皆様の周りから振動しない様にイメージしました」
「まず音の原理について聞きたいが今はそれでは無いね。じゃあ次は圧縮してやってみて」
「分かりました」
さっきと同じように魔力を取り出して、それを圧縮そしてイメージ、放出。
「………」
ダメか。
「駄目だな」
「ですね」
「やり方が違うのでしょうか?」
「やり方ですか?」
「はい、『空』属性は他の魔法とは別の力なのでは?わたしの瞳の様に」
なるほど、この世界は魔法だけでなく不思議な力がある事はエリナの瞳の事で分かった。そうなると、その可能性も否定出来ない。
「瞳?」
しまった母上はエリナさん秘密について何も知らなかった。
「はい、ユーリ様。私の瞳には不思議な力があります」
「エリナ、良いのか?そこまで言って」
「はい、問題ありません。何せアロイスのお母様ですから」
顔を見て赤くして言うと不味いよー。
「ほぅ。アロイスの母親だから、ね。貴様!やはりエリナに何かしたな‼︎」
やっぱりー。親バカってめんどくさい。
「私は誓って何かしたわけでは」
「アロイス…がんばれ」
父上に見捨てられた。くっ誰か味方はいないのか。
「お父様、私はアロイスに何かされた訳ではありません」
「では何故そんな顔をしているのだ」
そうだよね、顔を赤くしたままいたら変に思われるよね。分かってるのかなエリナは。
「これは、その。アロイスの言葉を思い出しただけで…」
「貴様、エリナに何を言ったのだ‼︎」
「先ほども言いましたが可愛いと言っただけです」
親の前でそれ以外の事を言う勇気は僕には無いよ。
「本当か?」
「アロイス…忘れてしまったのですか?」
悲しそうな顔をしないでくれ。しょうがない恥を捨てるか。
「エリナを悲しませるとは何事だ!本当の事を言わないと許さんぞ」
「は、はい。出会えて良かったと言いました!」
恥ずかしいんですけど。顔が熱い。
「アロイス中々やるわね」
母上がめっちゃ楽しそう。
「えへへ」
エリナも嬉しそう。あんな笑顔を見れたのなら言って良かった気がする。
「き、貴様‼︎」
え?陛下の顔が真っ赤なんですけど、めっちゃ怒ってるー。
「まぁまぁ、サイラス。2人はまだ5歳だよ。そこまで気にしてはいけないよ」
流石父上だ。ありがたい。
父上に感謝言おうとしたら。
「ベルク伯爵様、私は本気です。私はアロイスと…け、結婚したいと思っています」
なんか言ってるー。そんな爆弾発言今言わないで‼︎僕が死ぬ!…あれ?何も言ってこない?
不思議に思って陛下を見ると。固まっていた。
「へ、陛下?」
ダメだ、完全に思考停止してる。放っておこう。
「王女殿下、よろしいのですか?」
「はい。アロイスの秘密を聞いた後に家族に言おうと思っていましたので」
「コンコン」
「?はい」
「失礼するわね」
「お、王妃殿下」
王妃登場か。
「お久しぶりねベルク伯爵」
「お久しぶりでございます。それでどうしました?」
「いえね、執事から娘の婚約について話していると聞いて。急いで来たのよ」
お、恐るべし。執事パワー遠く離れていても全てを察してまう。この世界で一番強いのは執事かもしれない。




