魔物戦闘の観戦・王女殿下
僕たちは今日も朝早くから町を出て次の目的地へと向かう。
「ん?あれは?父上、母上あそこ何か砂煙が立っていませんか?」
「あらほんとね。何かいるのかしら?」
もしかして魔物?
「ん?戦闘してる音が聞こえるぞ‼︎セバス急げ‼︎」
戦闘!この世界で初めての魔物との戦闘か、どんな感じなのだろう。
「父上、鎧を着た人達が劣勢の様です‼︎」
「ユーリ‼︎」
「分かってるわ!」
「「加勢します」」
「た、助かります!」
父上と母上が水と風の魔法を魔物にぶつける、そして一瞬で決着が着いた。
つ、つえー。これが父上達の実力、そしてカッコいい。
魔物と戦闘をしていた騎士達もポカンとした顔で2人を見ていた。
「兄上、父上たちって凄いですね」
「アロイス、今更君は何を言っているんだ、父上と母上はこの国が誇る最強戦力の1人だよ」
思っていたよりも凄い人達だった。
「最強戦力…僕もいつか父上達と肩を並べてみたい」
初の魔物との戦闘を見て、父上達の戦う姿を見て今まで以上に尊敬する。
「アロイスなら出来るかもね、僕と違ってセンスあるから」
「兄上だって十分凄いと思いますが」
「確かに魔法はそれなりに使えるけど、僕はあまり戦闘が好きじゃ無いんだよ」
そうだったのか、良く訓練してるから強くなりたいのかと思っていた。
「では何の為にあんなに訓練を?」
「アロイスも言われただろうけど、デブロン侯爵様のお言葉に従ってるだけさ」
あー、親の恥になるなと言うやつか。
「兄上はベルク伯爵家の嫡男らしい振る舞いをしてると思います」
「うん、そう言われると嬉しいな」
少し顔を赤くしながら照れ笑いしている。なんて純粋な笑顔なんだ。心の穢れが浄化していく。穢れてるか分かんないけど。
「父さんと母さんが戻ってくるよ」
「父上、母上。とってもカッコよかったです」
目をキラキラさせながら言うと父上達も少し照れている。
「フフッ、私達の勇姿をちゃんと見ていたのね」
「なんだか少し照れくさいね。っと、ユリウス、アロイス外に出て来てくれるかい?」
「「?はい」」
なんだろう。
「あの馬車に乗っている方は私達よりも格の高い人達が乗っているから失礼のない様に挨拶をして」
「「はい」」
家よりも格が高いと言うことは最低でも辺境伯以上か。
「王女殿下、アーガス=フォン=ベルク伯爵にございます」
格が高いって王族かよ。これ本当に失敗出来ないぞ、今後の人生に関わる。
「ベルク伯爵様、この度は助けて頂き誠にありがとうございます。騎士達も一生懸命頑張ってくれてはいましたが、多勢に無勢ではどうしようもなくて。ベルク伯爵様が通らなかったら、騎士達はおろか私も死んでいました。なので、本当に感謝いたします」
めっちゃ可愛い子が降りて来た。金髪に紫?いや、角度によって色が変わる?なんだあの目。
臣下の礼を取りながら王女殿下を観ていると。
「とんでもございません。通りかかったのは偶然ですが、助太刀するのは当然の責務。礼を言われることの程では」
「そんなことはありません。助けて頂いたのです、感謝をするのは当然のことです。それでそちらのお二人は?」
少し顔を赤くした王女殿下がこちらを見る。
「この2人は私たちの息子です。ユリウス、アロイス挨拶をしない」
「はい、お初にお目にかかります、アーガス=フォン=ベルク伯爵が嫡男、ユリウス=フォン=ベルクでございます」
「お初にお目にかかります、アーガス=フォン=ベルク伯爵が次男、アロイス=フォン=ベルクにございます」
「ユリウス様にアロイス様ですね。初めまして、私はエリナ=ヴァン=メイガスです。今代の陛下の次女になります、以後お見知り置きを」
「こちらこそよろしくお願いします」
兄上を見ながら自己紹介をするエリナ王女殿下。たまにこちらをチラチラ見る。こちらを見るたびに目の色が変わりとても不思議に思っているが、その事に触れて良いのか分からないな。
「王女殿下はこの後どうなさいますか?、もし王都に帰る様でしたら私達もご一緒しますが」
「え?あ、はいそうですね。もしご迷惑でなければよろしくお願いします」
「かしこまりました、それではひとまずこの先にある町へと向かいましょう」
父上の言葉にハッとなって返事をしていたが、どうやら王女と一緒行くらしい。
「ユリウス、アロイス馬車に戻るよ」
「あっ、まっ」
「?どうしましたか王女殿下」
「いえその…出来ればこちらの馬車にもだれか来ていただきたく…」
俯きながら消え入りそうな声を出す王女に父上が
「これは、ご配慮が足りず申し訳ございません。では私の妻ユーリをそちらに乗せましょう、ユーリ良いかい?」
「ええ、大丈夫よ。王女殿下、道中よろしくお願いします」
「あの…そのー…出来ましたらアロイス様が…」
声が小さすぎて上手く聞き取れなかったが、今僕を指名しなかったか?
「アロイスは男の子ですが、よろしいので?王女殿下と2人きりにするのは些か見聞が悪いのでは?」
「そんなことありません!アロイス様となら何を言われても、ハッ!いえ今のは何でもないです…」
急に大声を出したかと思ったら、顔を真っ赤にさせて俯いてしまった。
「あの、父上。理由はわかりませんがどうやら僕をご指名の様ですので向こうの馬車に乗りましょうか?」
「今のを聞いて分からない方がどうかしてると思うけど、そうだね。王女殿下があそこまで仰るのだからそうしなさい」
いやなんとなく察しは着いたけどまだ5歳だ。早いと思う。
「アロイス、絶対に粗相をしては駄目よ。あと手を出しても」
この母親は何を言ったいるんだ、粗相をしないのは当たり前だから分かるが、手を出すって。僕は5歳児だぞ、そんなことするわけないだろ。だが、こんな可愛い子と2人きりは素直に嬉しい。
「勿論そんなことはしませんよ」
「貴方の顔を見たら余計に不安になってきたわ。可愛いのは分かるけど、お願いだから何もしないでよ?私は貴方の死ぬところなんか見たくないわ」
何故僕はそんなに信用が無いのだろう。嬉しさが顔に出てしまったのはこの際だから諦めるが、女の子に手を出したことなど一度も無いはずなのに。
「流石に大丈夫ですよ、僕もまだ死にたくありませんから」
「なら良いけど、何か困ったことがあったら言いなさいね」
「はい」




