いざ王都へ・魚の為に
それから僕は謁見の日まで毎日走りまくった。
おかしい5歳児だからなんだと言っておきながら、無茶苦茶厳しい気がする。少しでも休もうものなら、後ろから魔法が飛んでくる。絶対5歳児にする事ではない、僕じゃなかったら絶対泣いてる。
そして、陛下に謁見をする為に、家族全員で王都に向かう。移動は勿論馬車だ、それしか移動方法が無いから仕方ない。
「父上、王都まではどれくらい掛かるのですか?」
初めての領地外という事で少しワクワクしている。
「王都までに、3つの町に立ち寄るから4日はかかるよ」
町によるのか。あれか、貴族の義務としてお金を町に落とさなくてはいけない経済何とかか。
「町に寄るのですね、どんな町があるのですか?」
「あんまり家の領地と変わらないよ。その町毎に特色はあるけど、これといって何かある訳では無いかな」
「そうなのですね」
なんだ、何か目新しいものがあったら面白かったのに。
「アロイス、王都は素晴らしい所だからそんなに落ち込まないの」
おっと、また顔に出してしまった。
「はい、母上。王都はどんな所ですか?」
「そうね、物価がとても高いわ」
最初に言うのがそれ?
「そ、そうですか、他には何かありますか?」
「とにかく煌びやか」
えー、それもなんか微妙。
「他には?」
「さぁ?分からないわ」
えー⁉︎それだけ?それって絶対つまんないじゃん。素晴らしい処じゃないのかよ。
「ユーリ、流石にそれは無いよ」
父上が少し呆れた顔をしながら母上を見やる。
「そうかしら?王都なんてそんなもんじゃないかしら?」
「はぁ〜、良いかいアロイス。確かに母さんが言ってることは間違えではないけれど、それだけでは無いからね?」
それだけじゃないのか、ホッとした。でも物価が高くて煌びやかなのは間違いでは無いのか。
「そうですよね、安心しました」
「王都はね、色んな商人がいてそれぞれが色んな処から商品を持ってきて売っているから、現地で買うよりも高くなってしまうけど、結構なんでも揃ってるよ」
商人が現地で調達してから売るのか、それなら物価が高くなってもしょうがないな。輸送費とかその他諸々の経費がかかるから、どうしても値上げをしなければならないもんな。
「では、家の領地にある物とかも売っているのですね?」
「そうだね、家にも商人が良く来るからあるよ。でもこの国は海がある領地は一つしか無いから、魚介類なんかは流石に無いかな」
保存方法が確立していないのか。
「では魚介なんかは食べられないのですね」
まだこの世界に来てから一度もさかな食べてないな。
思い出したら食べたくなってきた。
「王城なんかでは食べられているよ」
な、なんだと、ズルイ。
「こら、そんな顔しないの」
不満顔をしていたら父に指摘されたが、家では魚なんか出てこないのに、王家は食べているのだ、こんな顔にもなる。
「僕も魚食べたいです」
「それはちょっと難しいかな?」
「王家は食べているのに何故家は無理なのですか?お金ですか?」
家だってそんな貧乏ではない筈なのに。
「お金といえばお金かな?魚を新鮮なまま持ってくるのに使う魔道具がとにかく高いんだ、とてもじゃないけど家では買えないな」
ま、魔道具。そうだよ、この世界魔道具があるんだ。買えないのなら作れば良いんだ。
「その魔道具は作れないのですか?」
「それがね、作り方が秘匿されてるから作り方が分からないんだよ」
だれだー秘密にしているのは!こうなったら僕が前世の知識を駆使して作ってやる。
「一般的な魔道具とはどうやって作るのですか?」




