秘密・戦う術
「父上、母上。申し訳ございません。確かに皆んなには秘密にしていることがあります、しかしそれは絶対に話せない事では無いのです。陛下との謁見の時にお話ししようかと思っておりました」
「何故、陛下との謁見の時なのだい?」
「理由は色々とあります。しかし1番の理由は今後もし僕のやりたい事が1人では無理な時に力を貸して頂ければと思っていたからです」
二度説明するのがめんどくさいってのもあるけど、それは言ってはダメだろうな。
「私達だけでは駄目という事なのかい?」
「必ずしもそういう事ではありません。ただ力を貸して頂くひとが多い方が良いのと、なるべく権力の高い人にお願いする事があるかもしれないからです」
国を挙げての一大事業なんかやろうとしたら確実に王の協力は必要だし、素材やらなんやらと融通してくれたら嬉しいなと思っているからね。
「なるほど、アロイスはもう将来の事を考えていたのだね、父さんのいや、ベルク家の力が必要になったらいつでも言いなさい」
「ありがとうございます、それで秘密なのですが…」
「いや、今話さなくて良いよ」
「よろしいのですか?」
気にならないのだろうか?
「どうせ後数日もしないで、謁見の日になるのだからそれまで待ってるよ。そうすれば説明は一回で済むしね」
うっ、めんどくさがったのバレてる。
「ふふっ、アロイスは顔に出やすいのだから隠し事は無理よ」
母上もか、どうも感情を隠すのが苦手な様だ。
「すみません。では謁見した時にお話しさせていただきます」
「うん、じゃあこの話は終わりだね。朝ご飯を食べに行こうか」
にこやかに言う父上と母上そして、我関せずと静かに待機していたセバスを伴って食堂に行く。
「アロイス!何があったんだい⁉︎」
食堂に入るとソワソワしながら待っていた兄上に声をかけられる。
「申し訳ありません、兄上。ただの魔力欠乏症です」
少し恥ずかしく思いながらも、兄上にも心配をかけた事を反省する。
「そ、そうか。魔力欠乏症だったのか、良かったアロイスに何かあったのではないか心配したよ」
「ご心配おかけしました」
そう言い頭を下げる。
ここまで僕の事を心配してくれる家族に嬉しく思いながら、もう心配かけない様にしようと決意する。
「ユリウス、アロイスはさっき散々母さんにお説教されたからもう大丈夫だよ」
「か、母さんのお説教。アロイス良く無事だったね」
「ユリウス!それはどう言う意味かしら?」
「いえっ、なんでもありません」
「まったく、取り敢えず朝食にしましょう」
「「「はい」」」
それから朝食を食べ部屋で休んでいると母上が部屋に来た。
「さてと、アロイス。昨日の続きをしましょうか」
あっ、そっちか。てっきりまたお説教があるのかと身構えてしまった。
「宜しくお願いします」
「何を身構えてるか知らないけど、まぁ良いわ。では魔法使いに必要なことを教えます。それは、魔法以外で戦える術を持つことです」
魔法以外の戦う術?
「例えば、剣術などですか?」
「そうです、魔法使いは魔法が使えなくなったからと言って、ただの役立たずになってはいけません。魔法のみに頼っていては死にます」
確かに、魔物と対峙してる時に魔力が無くなったらどうしようもないもんな。
「魔法と武術両方を使えるようにならなければならないのですね」
「その通りよ。でも武術に限らなくても良いの、例えば逃げ足の速さだけでも良い、死なない事が重要だから。
他には、あまりお勧めしたくないけど暗殺術かしら」
他の人の迷惑にならない様な術を身につけろってことか。暗殺術か、良いな。ゲームとかの職業だとめっちゃカッコいいよな。僕に出来るとは思えないけど。
「分かりました。自分の得意な事を見つけたいと思います。」
「よろしい。さしあたって今日は基礎鍛錬をします」
「鍛錬ですか?何をするのですか?」
「とにかく走りなさい。魔法を使わずに走って走って走り回りなさい。体力は何をするにも必要な事よ」
げっ!走るのか。あんまり好きじゃないんだよな。
「わ、分かりました」
「サボったらお仕置きよ」
うわー、ヤダなぁ。しょうがない真面目に走るか。
「行ってきまーす‼︎」
「いってらっしゃい」
凄い良い笑顔で見送られた。




