魔法使いに必要なこと・二度目の魔力欠乏症
「さて、全ての属性を使ったから本当はこの後に魔力欠乏症について説明してから、魔力上昇について教えるはずだったのだけど、貴方にはもう教えてしまったのでここでもう一つ魔法使いに必要な事を教えます」
魔法使いに必要なこと?今までの勉強から言って、魔力とイメージ力、魔力操作、他に何かあったかな?
「魔法使いに必要なこと。母上、それは何ですか⁈」
「それは…」
「それは?」
「また明日ね」
「えー‼︎教えてくれないのですか?」
だいぶ引っ張っておいて教えてくれないのかよ。
「だって、今日は色んなことやったから疲れたでしょ?」
「確かに疲労はありますけど、教えるだけならいいではないですか」
「だーめ、疲れてる時に教えても意味ないわ」
これは何を言っても教えてくれそうもないな。
「分かりました、明日まで我慢します」
「素直でよろしい。じゃあ屋敷に戻りましょうか」
母親らしい笑顔を見せて僕の手を握りながら屋敷へと歩いていく。
そしてもう習慣になりつつある寝る前の自主練に、部屋の中でも出来る光と闇の魔法を追加した。
「まずは軽く圧縮魔力から」
ん、しっかりと出来るな。次は光だな。
「スイッチオン」
口に出す意味は無いけどなんとなく言ってみた。
「ピカー」
「ちゃんと出来るな。なんとなくスイッチオンとか言ってみたけど、魔法名とかって無いのかな?明日聞いてみよ」
そして闇魔法、いや影魔法だ!
これが1番好きだな
「えい!」
「スーッ」
よしよし、しっかりと伸びたな。
自分の好きな形に出来るかな?やってみよ。
まずは、立体にしてみよう。影を床から剥がす様にして、おっ!出来た。よしじゃあ次はこの影を鋭くして…⁉︎
意識が遠のいていくと思ったらすぐに気絶した。
「コンコン」
「アロイス様、もう朝でございます。皆さま食堂でお待ちですよ。ん?いつもならもう起きてるはずなのに、今日はどうしたのでしょう?昨日の疲れが出てしまわれたのでしょうか。アロイス様入りますよ…⁉︎アロイス様!」
セバスがアロイスを起こしに来たが一向に起きてこないアロイスを不思議に思いながら部屋の中に入ると床に倒れているアロイスを見つける。
「誰か!旦那様か奥様を!アロイス様が倒れている!」
ドタドタ音をさせながら父アーガスと母ユーリが急いでアロイスの部屋に入る。
「「アロイス!」」
「セバス何があったんだ!」
「分かりません。アロイス様を起こす為に部屋に入りましたら、床にアロイス様が倒れておられました。申し訳ございません、旦那様」
「いや、セバスが悪いわけでは無いのだ、すまない少し取り乱しただけだ」
「いえ、私がしっかりとアロイス様を見ていればこの様な事にはならなかったのです。全て私の責任です」
「2人とも落ち着きなさい。それと、セバス貴方には一切の責任は無いわ。これはアロイスが全て悪いの」
アロイスの様子をしっかりと見ていた母が2人をなだめる。
「ユーリ、どう言う事だ?」
「奥様?」
「しっかりとアロイスを見れば分かるわ、魔力欠乏症よ」
「「えっ?」」
「だから、魔力欠乏症よ、おおかた寝る前に魔法の練習でもしていたのではないかしら?昨日すごく嬉しそうに
していたから、寝る前に光か闇の魔法でも使ったのよ。自分の魔力残量を確認もしないで」
「ゆ、ユーリ魔力欠乏症なのは分かった、だから少し落ち着いてくれ。お説教はアロイスが起きてからすればいいのだから」
「そうね、アロイスが起きてからしっかりとお説教もとい説明をして差し上げましょう」
「んー?あれ?父上、母上にセバスまでどうしたのですか?」
「アロイス、お前はまた、微妙なタイミングで起きるな」
ん?父上が何故か哀れみを持った目で見てくるが何かあったのか?それにしても僕は何故床にいるのだろうか?
「アロイス様、ご武運を」
セバスに至ってはこれから戦場に行く者を送るみたいに言ってくるしホント何があったんだよ。
「アロイス‼︎」
「はっ、ハイ⁉︎、母上何故そんなにも怒りを露わにしているのですか?」
めっちゃ怖いんだけど、僕何かやってしまったのだろうか。
「貴方昨日寝る前に魔法を使いましたね?」
「はい、寝る前の日課として練習をしていま…あっ!」
そうだ昨日寝る前に練習してたら急に意識が無くなったんだ、魔力欠乏症を起こしたのか。だが何故そんな事で怒るんだ?
「貴方が練習する事は約束ですから、それに関しては何も言いません。でもね、いくら魔法が楽しくても他人に迷惑をかけてはいけないわ」
「も、申し訳ございません」
魔力欠乏症になるのは迷惑をかけるのか?
「その様子だと何がいけないのか分かっていない様ね」
「いえ、あの、はい。分かりません」
「はぁ〜、では教えてあげます。まず魔力欠乏症になるのは別に悪い事では無いのよ、まぁ自己管理が出来ない点では悪いけれど、それは今は良いわ。けれど床に倒れるのは頂けないわ、皆んな貴方に何かあったのではと、心配になるのよ」
あー、なるほど。確かに部屋に入ったら床に人が倒れてたらビックリするな。
「貴方は強制魔力上昇のデメリットを聞いて魔力欠乏症にならない様にすると思っていたから、言わなかった私も悪いのだけど、お願いだから心配させる様な事はしないで」
母が少し涙目になりながら懇願してくる。
僕凄い心配かけたんだな。申し訳なくて顔を上げられない。
「貴方が私たちに秘密にしてることがあるのは知っているわ、だからそれと何か関係があるのではないか余計に心配になってしまうのよ」
「そうだね。アロイス、母さんの言う通りだよ。自分の息子が床で倒れてたら誰だって心配になる、アロイスが何も言わないから私達は君の秘密を無理やり聞こうとは思って無い、けれどもし私達に出来ることがあるのなら遠慮なく言ってくれ。力になるから」
前世の記憶がある事を秘密にしていたせいで余計な心配をさせているのだな。




