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礼儀作法と父、母の馴れ初め?

翌日。

朝食の準備ができたと言うので、食堂にはいる。


「おはようございます、父上、母上、兄上」

家族に朝の挨拶をしてから席に着く。


「おはようアロイス。さっそくだけど、陛下への謁見が来月に決まったよ」


来月か、まだ時間はあるんだな。


「分かりました」


「それでね、アロイスには悪いんだけど謁見が終わるまでは魔法の勉強は無しだよ」


「な、何故ですか?」

実質身体強化しか教えてもらっていないのに。


「今日からは礼儀作法のお勉強よ」


礼儀作法か、確かに陛下に謁見するのならしっかりと学ばなければならないな。


「分かりました、確実に身につける様努力します」


「あら?随分素直ね、もう少し駄々こねるかと思ったのに」


駄々って僕はそんなに子供っぽいのか?


「陛下の前で失敗などしたら目も当てられません、それに、昨日も言いましたがベルク伯爵家の名に恥じない行いは、大切ですから」


「良い心がけだね。まぁ、謁見の為だけではないのだけどね」


「どう言うことですか?父上」


「アロイスは次男だから、家督は継げない。それは分かるね?」


「はい。この国は基本的に嫡男のみに家督を継ぐ権利がある事は知っています」

嫡男が死んだり、目に余るほど素行が悪かったら家督は継げないだろうけど、幸いウチは健康状態良好で素行がとても良い兄上がいるから、よほどが無い限り大丈夫だろう。


「うん。それでね、アロイスが今後何をしたいのかはまだ決めていないだろうけど、冒険者だろうが、傭兵団になろうが礼儀作法は必須科目なんだよ」


「冒険者や傭兵団にも礼儀作法が必要なのですか?」

僕のイメージでは荒くれ者の集まりみたいな感じなのだけど。


「今から何百年も前の話なんだけど、当時の冒険者や傭兵団の素行が悪すぎて誰も依頼しなくなって潰れかけた時期があったらしくてね、その時の冒険者ギルドと傭兵団ギルドのトップがこれはまずいと登録しているギルドメンバーとこれから登録する人達に礼儀作法を強制的に教え込ませたみたいで、それから両ギルドに登録するには礼儀作法は必須になったみたいだよ」


「そんな過去があったのですか。しかし、貴族は良いとしても平民に礼儀作法を会得するのは難しく無いですか?両親が冒険者なら大丈夫でしょうけど」


「それなら大丈夫だよ、登録する前にしっかりとした講習があるから。それでその講習を受けて合格した者だけが晴れて冒険者や傭兵団ギルドに入れるわけだよ」


「しっかりと考えられているのですね。それにしても父上は随分とお詳しいですね?」


「そりゃもちろん私も冒険者ギルドに登録しているからね、そこでユーリと出会った訳だし」


「そうね、確かあなたに礼儀作法を教えてもらったのだったわね、懐かしいわ。今思えば一目惚れだったのかしらフフッ」


少し顔を赤くして昔を懐かしむ顔をした2人を見て首を傾げた。


「あれ?母上って貴族の出身では無かったのですか?」


「私は平民出身よ」


「良く結婚の許しが出ましたね」

貴族と平民の結婚なんて珍しいだろうに。


「ふふっ、アロイス貴方物語の読みすぎよ。もう何年も前から貴族と平民の結婚は当たり前なのよ。まぁ平民との結婚に反対の貴族も少なくない数はいるけれど、そうした家でも他家の事には口出さないし、蔑ろにしたりもしないわよ」


随分寛容と言うか緩いと言うか、まぁ平民には生きやすい国なのかな。


「そうだったのですね。本ばかりの知識ではやはり偏りがありますね、教えていただきありがとうございます」


「アロイスはまだ5歳なのだからこれから色々と知っていけば良いよ、あと将来のこともね」


「はい、父上」


前世では研究者だったからな、また研究者ってのも良いけど、他の国にも行ったりしてみたいから冒険者ってのもありだな。それはおいおい考えればいいか、まずは目先のことから始めよう。

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