アロイスの勝利
ニコニコしながら母上が戻ってきた。
「準備しながら考えたのだけど、もしこのテストに合格出来なかったら罰ゲームすると言うのはどうかしら?」
「罰は1人で魔法の練習をしない事、では無いのですか?」
母上の言ってるとこが良くわからないな。
「何を言ってるの?それは罰ではなく当たり前の事よ、今回は貴方の我儘に付き合ってあげてるのだから約束の他に罰があってもおかしな事ではないでしょう?」
た、確かに今回は僕の我が儘ではあるな。
「それに、合格する自信があるのなら罰ゲームがあっても関係ないでしょ?」
「分かりました。もし不合格なら罰ゲームを受けましょう。念のため罰ゲームの内容を教えて下さい」
合格すれば罰を受ける必要も無ければ1人で魔法練習も出来るのだ、はなから合格する気持ちでいるのだから関係ないな。
「それは秘密よ」
あ、怪し過ぎる。これは魔法練習云々を抜かしてでも絶対に合格しなければ。
「それじゃあ始めましょうか。フフッ」
「はい!」
よしっ、気合入れてやるぞ…?
「うふふ、やっぱりアロイスには難し過ぎたかしら?辞めたくなったらいつでも辞めて良いからね」
「え?あ、いや、やります」
気合を入れたのは良いが、これ簡単すぎじゃないか?
こんなの五分もあれば終わるな。
ー五分後ー
ふっー、終わったー。
「諦める?」
「いえ、そうではなく終わりました」
「ん?何が」
「テストが」
「えっ⁈解けないから終わりにするって事?」
「いえ、全問解き終わりました」
こんな簡単な問題出来ない奴の方が少ないだろ、母上は何を考えているんだ?実はここからが本番なのか?
「と、取り敢えず回答を見せて頂戴」
回答用紙を渡す。
ん?母上の手が震えてる?
「あの、どうし…」
「アロイス⁈何故5歳の貴方がこの問題を解けるの?この問題は高等部の最終学年で習う事しか出してないはずなのに!」
え?この問題が?こんなの前の世界では小学生で習う事しか無かった気がするけど。
「えーっと、あれ?これそんなに難しい問題でしたか?」
「難しいってレベルではないわ、この問題を解ける人は大体主席になる様な人だけよ、それなのに何故貴方は解けたの?」
前世の知識があるからです、なんて今言ってもしょうがないしな〜、適当に誤魔化すか。
「たしか屋敷の書架に解説付きであった様な、それで独学で学びました」
「貴方って言動もそうだけど、頭脳も5歳児らしくないわね」
なんとか誤魔化せたか?
なんとなく疑われてる気がするけど、陛下に謁見する時にちゃんと話すから、今は許して下さい。
「そうですか?屋敷にある本は大抵読みましたからこうなるのも致し方ないかと」
「まぁ、今はそれで良いわ」
「あの、それでテストの方はどうですか?」
今肝心なのはテストだ。
「文句無しの合格よ、つまらないわね」
つまらないって、僕にとっては死活問題なのに。母上の本音がツライ。
まぁ、何はともあれ今は合格を喜びますか。
「やった!それでは約束通り1人でも魔法の練習をしても宜しいですか?」
「ええ、約束ですから良いわよ。ただし、無理しては駄目よこれだけはちゃんと守りなさい」
「はい、無理せず頑張ります」
無理して怒られたら今度こそ魔法練習禁止を言い渡されるだろうから、そこだけはしっかり守ろう。
「あーそれと、あとでステータスを確認しておきなさい。魔力量が増えてるはずだから。訳は次回のお勉強の時に教えます」
「分かりました」
魔力量が増えてるのか楽しみだな。




