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セミファイナル
「あつ゛い…」
『み゛ゅ…』
うだるような暑さに床に転がったまま動けない。
天使も飛ぶのをあきらめて俺の横に落ちている。
ああ、夏だな。
「というか、お前は瓶に戻れよ。あっちのがまだ涼しいだろ」
『……』
反応がない。
「おい。なんだ、屍になったのか?」
『…………』
本当に返事がない。
あまりに静かで心配になって手を伸ばす。つついてみるか。
つん。
『み゜ゅわ゛あああ゛あ゛』
「うわ!?」
途端に大声で鳴き叫びながら飛び回り始めた。
なんだ?壊れたのか??
何回か壁に当たったところで力尽きたのか、『ぴっ』という声とともに床に落下した。
静けさと暑さが戻ってくる。
「……お前、やっぱりセミかなんかなのか?」
『み゜うぅ……』
そうかも、と言いたげな自信なさげな返事が返ってきた。
びっくりさせんな、ばか。




