恋愛小説のはずなのに、NTRだと言われた話
おはようございます。雨日です。
先日、雨日の連載小説を読んでいる家族から質問をされた。
「雨日よ」
家族の手にはスマホがある。
「なに」
雨日は、必死に公募の編集をしていた。
「この連載は、恋愛小説なのか?」
唐突な質問に、思わず顔を上げた。
――何を言っている?
恋愛も恋愛。ど真ん中だ。
誰が見ても恋愛だ。
そう反論した。
家族は首をひねる。
「最初は恋愛だと思っていた。鬱屈している三角関係か、と」
――ああ、そうだ。今もそれだ。
鬱屈は余計だが、雨日の性格を考えたら仕方がない。
書き手が粘着質なのだから、小説も粘着質になる。
雨日の反論に、家族は言った。
「違うだろ。恋愛じゃない」
「じゃあ、なんなのだ」
「NTRもある」
え?
NTR?
いや、ちょっと待て。
ここで一度、説明しておこう。
NTR――いわゆる「寝取られ」と呼ばれるジャンルで、
本来は自分のものだと思っていた相手が、別の誰かに奪われていく関係性を描くものだ。
恋愛が「結ばれる過程」だとすれば、
NTRは「崩れていく関係」を描く側面が強い。
……なるほど。
言われてみれば、雨日の連載。
結ばれない。
想っているのに、別の誰かに触れられる。
選べない、逃げられない、でも手放せない。
――たしかに、綺麗な恋愛ではない。
むしろ、執着と葛藤と諦めが煮詰まった何かだ。
家族は静かに言った。
「NTR、それだけじゃない。サスペンスが入っているじゃないか」
「サスペンス?」
雨日の声は甲高くなった。
サスペンスを書こうと思ったことは、一度もない。
というか、あまり読んだこともない。
――どこにあるのだ、サスペンス。
一人で、ざわざわする。
「誰かを殺そうとする女主人公は、もはや恋愛小説ではない」
――え。
「それを、共謀する展開もあり得ない」
――なんと。
「それにアレだ。官能も入ってくるじゃないか」
「いや、あれは官能じゃなくて――」
反論しようとした雨日に、家族は静かに刺した。
「憎しみや復讐が恋愛小説なのか?的外れだよ」
――そうなのか。
そんなことを言われると、揺らぐ。
恋愛小説を書いていると思っていたのに、
NTRだの、サスペンスだの、官能だの、復讐だのと並べられる。
……自分は、『小説家になろう』にいていいのか?
少しだけ、自信がなくなる。
この話、あと5千文字で65万文字になる。
そして――
鬱屈した三角関係だけだった頃よりも、
復讐だの、NTRだのが顔を出してからの方が、読んでくれる人は増えた。
……どういうことだ。
こんなに長くて、ねちねちしていて、
感情が絡まり続ける話を読んでくれる読者様。
本当に、ありがとうございます。
そして――
雨日も、なかなかすごいと思う。(自画自賛)
だって、需要がないと思う日でも。
アクセス数は少ない時でも、連載をやめない。
これは、根性ではない。
もう、取り憑かれているとしか思えない。
恋愛小説のつもりで書いているこの連載は、
気づけばドロドロの沼になっていた。
めちゃくちゃ重い、沼の中で歩いているようだ。
それでもいい。
綺麗じゃなくても、
正しく分類されなくても、この話は、ここまで来た。
ここまで来たものは、もう止めない。
このまま最後まで、沈みきってやろうと思う。
ゴールは、ちゃんと決まっている。
――完結だ。
――いや、65万文字なんて読めんわ。
そう思った方へ。
大丈夫です。雨日もそう思います。
激重展開の自称・恋愛小説。
『両親を殺した国王の妾になりました
〜復讐を誓う私と、乳母子との許されぬ恋〜
(秘密を抱えた政略結婚)』
https://ncode.syosetu.com/n9067la/
199話からどうぞ。
なぜか、そこからアクセスが増えました。(なぜ)
▼おすすめ開始地点
ep.199「その婚姻は、私が引き受けます」
そこから先は――
だいたい、泥沼です。




