1年半で209万文字書いた人間の話
小説を書き始めて、まもなく1年半になる。
3日前にふと思い立って、これまでに書いた文字数を計算してみた。
――209万3000文字。
一瞬、手が止まった。
ちょっと意味がわからない。
これは3日前の計算だから、このエッセイを更新すれば、
もう210万文字に達成していると思う。
計算してみると、毎日ほぼ4000文字。
文庫本にすると20冊以上。
正直、そんなに書いた実感はまるでない。
半年前に計算したときは、1年で150万文字だった。
そこから半年で、59万文字。
数字だけ見れば、明らかにペースは落ちている。
――おかしいな。
書く時間が減ったわけじゃない。
むしろ、前より考えている時間のほうが長い。
よくよく考えてみたら、この3ヶ月、公募を書いていた。
なろうで毎日連載をしながら、10万文字の公募。
さらに、20年以上続けているブログも毎日更新している。
――冷静に並べると、ちょっと意味がわからない。
なろう毎日更新+公募+ブログ更新。
パニックの極みである。
ちなみに雨日の職業は自営業だ。
働き方改革?
労働基準法?
ない。そんなもの。
ずっと小説だけを書いていられたら幸せだけど、
現実はそうもいかない。
仕事の隙間に、文章を書く。
この生活を20年以上続けてきた。
そこにさらに、公募を足した。
無茶だったと思う。
けれど、これが自分の癖でもある。
忙しくなればなるほど、仕事を増やす。
引き算をしない。
足し算が好きだ。
一度書き始めると、止まらない。
妙に体力があるものだから、何時間でも書いてしまう。
気づけば、体力も集中力も全部使い切っている。
こういう生活をしていると、隠していたものが出てくる。
焦りとか、こだわりとか、弱さとか。
燃え尽きるまで、没頭するところとか。
自分の凸凹が、やけにくっきり見える。
これ、何年続くんだろうな、とふと思う。
書いても、書いても、
書きたいもののゴールが遠すぎる。
小説家になろうは、商業出版とは違う。
頑張っても、すぐに収入になるわけじゃない。
むしろ雨日の場合は、
実用書を書いたほうが現実的だ。
それでも――書きたいのは、小説だ。
書きたいものと、読まれるものは違う。
それは、わかっている。
商業は、売れるものが正義だ。
けれど――
本を一冊書き上げるのは、途方もなく労力がいる。
正直に書くと、
本業のほうが、ずっと効率はいい。
このくらいの年齢になると、
あんなに大変なことは、少し距離を置きたくもなる。
それでも――
小説は、好きなように書ける。
誰に合わせるでもなく、
売れる形に寄せるでもなく、
ただ自分が書きたいものを書ける。
だから、楽しい。
趣味の世界は、好きなことだから、
何時間書いても苦にならない。
「時間がない」と言いながら、なぜ書くのか。
正直、よくわからない。
けれど、ひとつだけ確かなことがある。
小説を書くのは、楽しい。
どうしようもなく、面白い。
考えたものを、こうして気軽に発表できる。
そういう意味では、今はとてもいい時代だと思う。
だからたぶん、これからも――
足し算をやめられないまま、書き続ける。
理由はわからない。
ただ、やめる理由も見つからない。




