断食をすると小説が整うらしい(雨日は無理だった)
こんばんは。雨日です。
最近、連載が重い。
いや、もともと重い小説ではある。
読んで元気になるとか、スカッと爽快とか、そういう話ではない。
雨日の粘着質な性格が、しっかり滲み出ている。
それでも重い。
朝から、ため息まで重い。
気づけばその話、六十万文字を超えていた。
おい。長い。
重たい描写が続くと、得意の速筆まで鈍る。
いつもなら一話一時間くらいで書けるのに、その回は四時間かかった。
悩んで、唸って、それでもどうにか進めた。
これでは困る。
さすがに、この時間配分はまずい。
弱った雨日は、家族に相談した。
「展開が辛くて、サクサク進めないんだ。
一話に改稿が十回以上かかる。
自律神経も乱れるし、クタクタになる」
表向きは相談。
だが中身は、ただの愚痴である。
雨日の悩みに、家族は一蹴した。
「一日一話書かなくてもいいでしょ」
……いや、そうなんだけど。
ストックは14話しかない。
今の雨日の生活では、一日一話書くのがやっと。
仕事、公募の編集、ブログ更新。
これを回すためのギリギリの配分。
これ以上、増やすとヒトらしい暮らしが崩壊する。
それなのにーーもう一つ増やしてしまった。
もう、あかん。
だめだ。
無理。
そうブツブツ言いながら、原稿を書いている。
最近は、泣きながら。(やばい)
「十四日あるんだから、のんびりやればいいじゃん」
家族は言う。
正論である。
けれど、腑に落ちない。
正論とは、そういうもんだ。(独断と偏見だ)
「自分を見習え。今週は一話も更新しない」
家族は、にこやかに言った。
う……うん。そうだね。
今週も更新していない人に言われると、説得力がすごい。
なんなら家族は、五年間、小説を書いては改稿を続けている。
「その間に、たまに断食をした。整う」
……え、それ断食じゃなくて、書いてないだけでは?
小説を書かないと整う。
そんなこと、雨日にはできない。
家族は、今日も、小説に向かってる。
真剣な表情をして、しきりにキーボードを叩いている。
進捗状況を質問をすると、
なんと、十五話も書いたらしい。
「もうそれだけ書いたら、じゃんじゃん放出したほうがいい。
公開してナンボだ」
雨日は“なろう先輩”として、つい口を出した。
「だめだよ。まだ主人公のキャラクターが決まってない」
……え。
十五話書いて、キャラが決まってないの?
動揺が止まらない。
そ……そうか。
「その話、最後はどうなるの?」
「決めてない」
……ラストを決めてない?
それは、プロットを書かずに取り組む雨日ですら、呆然とした。
書きたいラストがあるから、ニンジンをぶら下げられた馬のように走り続けるのだ。
少なくとも、雨日はそうだ。
そのゴールが遠すぎて、競走馬ならとっくに息絶えているけれど。
「ラストを決めないで、どうやって書いているの?」
思わず、真顔で近づいた。
「書きたいシーンがある」
……うん。
雨日は、書き続けて乱れている。
家族は、異次元なくらいマイペースだ。
これを割って、半分にしたらちょうどいいのに。
世の中、うまくいかない。
家族は更新しない代わりに、今日も雨日の公募原稿をチェックしている。
余計なマイルールや、変なこだわりがないから、それができる。
雨日自身は、書きすぎて、乱れに乱れているけれど、
唸りながら――
それでも最後まで書き上げようと思う。
……断食は、しない。
書いて乱れて、書いて整える。
たぶん、それが雨日だ。
激重の連載小説を書いています。
二百話を過ぎてから、ようやく盛り上がってきました。
……長い。
でも、ここまで付き合ってくださる方は、きっと同志です。
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