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寿司は当て字で正しくは鮨、らしい。

しかし……簡単についてきたのはなんか心配だなぁ。ラブコメ的展開は無さそうだし。

古い言葉で陸釣りとでも言うのかな?

なんて思いながら、肩に乗ってると別荘に着いた。

「うわー!でっかい〜!!黒犬の別荘よりでっかいかも!」

ぴょんぴょんと一番背の小さい女がはしゃいでいる。呆れたのか、隣に居た女が溜息を付きながら「恥ずかしいね……そんなにはしゃぐなよ!黄犬!」

と言った。

それを言われても黄犬と名付けられた女は

まだはしゃいでいる。はしゃぎすぎでは?と思ったが、これが普通の子だったな。という事に気づいて微笑ましく思った。

倭斎隗は興味も無いのか、さっさと別荘に入っていった。

そして、建物の表口の電話で寿司を注文した。


「い、如何わしい目的なんかに負けないんだから!!」三人の中で唯一名前が分かってない女は手をばってんにして胸に付けている。

「庭で寝てる人を見て、如何わしい目的がどうたら考える方が変態なんじゃねぇの?」

倭斎隗が白い長椅子に寝そべりながら釘を刺した。確かにそうだ。庭=如何わしい目的と考えるなんてかなり変態じゃないか。よし、この女は’’変態’’と名付ける事にしよう。巨乳だしね。(よく見たら気づいた)

「さすがね〜。野犬団の中でただ一人処女じゃない女は。ね?白犬ちゃん。」

黒犬は何処からか持ってきた、パイナップルジュースを飲みながら、嫌味たらしく言った。

「何よ!この貧乳!!」

白犬は黒犬に飛び交った。

「うるさいわね!その胸!2カップぐらい私に寄越しなさいよ!!この、ビッチ!!」

黒犬は白犬の頬を抓った。何とも低レベルな争いだ。コメディちっくだ……ほっといて俺は倭斎隗と話をする事にした。

「倭斎隗!何であんな女を別荘に連れてきたの!」

「いいじゃん。名前だって分かったし。」

「だからと言って、明らかに中学生と巨乳はまずいですよ!児童ポルノ法に引っかかるって!!」

「そんなに喋るとバレるよ?」

言われてハッと気づいた。そう言えば俺はぬいぐるみだったのだ!ヤバイ!バレたか?

周りを確認してみる。

白犬と黒犬はまだ仲良く喧嘩している。じゃた黄犬は?

黄犬は海を見ていた。はぁ……なんとかバレなかったみたい。安心して目を瞑った。

するとそこへ「すいませ〜ん!寿司届けに来ました~!!」

入口から声がした。寿司が届いた様だ。

倭斎隗は起きて入口に行こうとしたのだが、

「私が払う。」と黒犬が向かっていった。

ああ、そうか。とまた倭斎隗は寝たのだった。暫くして寿司が運ばれてきた。まぐろに鯛にハマチ等なんとも高そうな寿司だ。

その桶を真っ先に取ったのは、黄犬だった。

歳上にも一切配慮が無いなどさすがである。

「ありがとうぐらい言いなさいよ!」

いや、さすがでは無いか。怒る黒犬の顔を見て思った。

「まあまあ。とりあえず食べようよ。折角のお寿司なんだからさ。」

と、言いながら既に白犬は寿司を食べている。

「言われなくても食べるわよ!!」

黒犬は寿司桶から厚焼き玉子を一つ取った。

「あ〜!玉子食べてるし!そんなに貧乳脱出したいの?」

笑いながら、イカの寿司をパクリと食べようとした。

「えい。」黒犬は手に持ってたイカの寿司を奪い取ってしまった。確かにイカも、巨乳になれると聞くが……そこまで。三人が食べるのに夢中な隙にマグロの寿司を一つ食べる。それは中トロだった。美味である。しかも、いつの間に星空になってるし。これは非一般的に言う「幸せ」って奴なんだろう。更に寿司を取ろうとしたのだが、空になった寿司桶に手が当たった。倭斎隗がいつの間にやら食べたらしい。

「ま、心配するな。お前の分の寿司だってちゃんと……あ、あれ!?」

椅子から手を伸ばしてテーブルの辺りを探している。

「寿司が消えた……」

手を顔の下あたりに当てて、周りを倭斎隗は見廻した。

俺も見ると、空になった寿司桶を持った、黄犬が居た。それはどう見ても二つ!

はぁぁ……と二人で溜息を付いた。



「おじゃましましたー!寿司ごちそうさま〜!」

三人は腕を組みながら、何処へ帰った。それを見送った後、寿司桶を片付けていた。

「結局、よく分かんなかったな〜。名前も分かんなかったし。」

「え?名前?」寿司桶をテーブルに置いて、倭斎隗は振り返った。

「名前なら分かった。黒犬が友暖ゆのんで白犬が

凪杜なずらしい。後、あのちびが夜衣虎よいこってんだとさ。」

「何で分かったのよ。」

「バックに書いてあった。個人情報的にどうかと思ったけどな。」

そういや、三人共バックを持ってた事を思い出した。

名前が書いてあったとは、知らんかったな。おや?

「ねぇ?このフライドチキンは何?」

テーブルの傍に三つフライドチキンが入った箱があった。

「知らないぞ。誰かの忘れ物か?」

誰が置いたのかは検討がついていた。すると、突然目の前に女性が現れた。

「じゃじゃーん!女神ちゃんだよ〜!あ、鶯谷倭斎隗君!初めまして。」

女性は一礼した。

ぽかんとしていたが、理解したようで倭斎隗も一礼した。

「このフライドチキンはあなたのプレゼント?」

「そ!寿司食べられないのかわいそうだから。」

「ぬいぐるみが喋るのを信じる人の前なら出て、大丈夫かな〜。ですか。」

「よ、よく分かったね。私、鶯谷倭斎隗君に会ってみたくてね。」

フライドチキンを一つ持った。齧ると肉汁が出て美味しいと言えば美味しかったのだが、女神のドヤ顔が浮かんで味がしなかった。

「じゃ、帰るからね。ば〜い☆」

女神は消えた。

「ま、悪い女神では無いからね。」

「いや、悪いというかアホ……」

あ!と思ったら既に遅し。倭斎隗の頭にタライが降ってきた。

「痛っ!何これ〜!?」

痛がるのを見て苦笑いした。まあ慣れるだろう。

フライドチキンを更に齧り、また星空を眺めていた。

「もう一度言ってやる!アホ女神!」

またタライが降ってくる。だが、咄嗟の攻撃でタライを殴った。

「やったぞ!勝った……痛っ!」油断してるとバスケットボールが次に降ってきた。

負けず嫌いな女神って……

空に向かっつ溜息を付いたのだった。

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