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不可視属性の魔法少女と夢見る使い魔  作者: へるきち
不可視の国のアズキ

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49/52

049. 不思議の国のアズキ:序

挿絵(By みてみん)


 Pythonと夢を見て

 Javaで現実を知り

 Rubyに逃避した


 COBOLは老後を保障する


 自作の詩を刻むことで、この物語を占拠した証とするわ。

 私は、アズキ。

 タマヨンと共に旅をする、17歳の座敷童。

 半年前まで3歳児だったけどね。

 プラチナドラゴンだから、時空の流れに縛られないのよ。

 この物語は、タマヨンの日記なのだけど、今日は私の日記をお送りしましょう。


 私が参加した以上は、出版化して1億部を目指すわよ。 

 ガンダムとかトヨタとか許諾をとるだけでも大変だろうけど。

 ほんとタマヨンはろくでもない事しか書いていないわよね。

 そんな困ったタマヨンだから、私達の誰かが面倒を見る必要がある。

 ニャアとアンが家出した今、その役目は私が担うしかない。

 今も、せっかくニャア先生が車で送ってくれというのに、指輪を探すと急に言い出したから、一緒にお風呂まで戻ってきたところ。

 ニャア先生は、梅ちゃんだけ乗せて帰ってしまった。

 明日また、迎えに来てくれるそうよ。


「あー、やっぱり流れちゃったのかなぁ」

「もう諦めなさいよ。ただの記念品でしょ。そんなもの、これからいくらだってあげるわよ」

「でもアレ、ワシの肋骨なんじゃけど」

「その髪飾りは、頭蓋骨らしいわよ」

「え!? あいつ、わやへるのう。タマヨンの頭、穴開いてんの!?」

「過去から取り寄せた、折れた前歯だったかも?」

「そんな事できんの!?」

 現実のタマヨンは、一人称がワシになったり、ニャアみたいなお国言葉が混ざる事もあるのよ。

 この物語の中では、ラノベの流儀に則って、キャラごとに話し方の特徴を持たせてるんだって。

 確かに、テキストにすると、ニャアが戻って来たのかしら? ってなるわね。


「本当はね、タマヨンの指輪は、尿管結石だったのよ」

「タマヨンの血尿が止まったのって、アンが結石をとってくれたからって事?」

「そうみたいよ」

「じゃあ、要らんわ……」

 やっと諦めてくれたわね。

 もちろん、結石なんて嘘よ。

 たまにタマヨンは、くだらない事を気にして、脳がスタックしちゃう。

 そういう時は、意図的にエラーを割り込ませて、タマヨンを再起動させる。

 だから、憤怒を取り上げたとか、これまでにもいくつか嘘を伝えている。

 ヒトの感情なんてものは、薬物で一時的に抑えられたとしても、取り上げたり出来るワケないのにね。

 きっとこれを読んでも、勝手に深読みするから信じないとは思うけど。

 もう飽きたから、タマヨンに返すわ。

 どうせ1億部なんて無理だし。

 哀れに思ったアナタは、私にいいねをつけるのよ。

 いいわね?



 お分かりのように、今度はアズキに日記を乗っ取られた。

 アンの次はニャアだって言ってたのに。

 しかもタイトルに「序」ってつけて3部作かと思わせておいて、途中で投げやがった。

 それこそ、勝手な深読みなんだろうけど……。


 梅ちゃんだけが、ニャア先生に送ってもらった翌日。

 猫バスみたいなミニバンに乗って、ニャア先生が来てくれた。

 保育園の送迎バスだったそうで、猫柄のラッピングがされたミニバン。

 タイムリープ回路搭載、無敵のドングリウム合金製で大気圏突入も可能。

 高度AIで自動運転まで出来る。

 アクセルとブレーキに足が届かないニャア先生でも、安心だね。

 SFなのかファンタジーなのか、分からなくなってきたけど。

「バカ共に車を与えるな、の最新の回答がコレじゃ」

「へい! 彼女! 俺に乗ってかない! いい喫茶店知ってるんだぜ」

「昭和のナンパみたいなAIだね。ミニバンでナンパはしなかっただろうけど」

 最近の若い世代は、ナンパなんて分かんないかもな。

 マッチングアプリってやつがあるからね。

 もちろん、老害SEのタマヨンは、使った事なんてないよ。

 今は、14歳の乙女だもんね。


「じゃあ、神聖カワサキ帝国の喫茶ヨミランドまで行ってちょうだい」

 自動運転なんて大丈夫なのかな?

 なんて心配だったけど。

 神聖カワサキ帝国では、自動運転が義務化されたんだって。

 つまり、路上はAI同士が連携して協調する平和な世界なのだ!

 自動車が危険なのは、運転席にバカを搭載してるからだもんな。

 なんだ、こっちの方がずっと安全で安心じゃん。

 って事で、猫ミニバンに乗り込んで行き先を告げたのだけども。

「ヨミランドっすか? そんな店、もうねえっすわ」

 猫ミニバンの自動運転AIは、そんな返事をしたのだったー。

 どういう事だ?

 神聖カワサキ帝国に、一体何があった!?


 つづく


予告

「ワシに、アジャイルは無理じゃったかー」

 次回 不思議の国のアズキ:破

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