必ず、会いに行くから
…やっぱり愛花ちゃんがいないのは寂しい。
だから僕、愛花ちゃんに会いに行くね。
○月○日○○で待っててもらえないかな?
必ず会いに行くから。
今ね!お小遣い貯めてるんだ。
だから、必ず待っててね。
僕はそう書くと封筒にその手紙を入れた。
住所が書かれた封筒に切手をはる。
この封筒を明日学校に行くときにポストにいれなくちゃ。
僕は折れないように丁寧にクリアファイルに入れるとランドセルにそれを入れた。
そして、タブレットを取り出すと愛花ちゃんに会うための準備をはじめた。
朝。ポストに届いた手紙。
ここのとこ私宛の手紙がよく届く。
封筒をひっくり返し、裏の送り主を確認する。……やっぱり、駿くんだ。
私は嬉しくなって駆け足になる。
「ママー!新聞届いてたから机のせとくねー!」
朝食を作っていたママがキッチンから顔をのぞかせる。
「愛花、ありがとう」
私はコクりと頷いた。
そして、スキップするようにして部屋へ向かう。
ママが小声で
「フフッ……駿くんからお手紙が届いたのかな?」
と言ったとは露知らず。
一度窓から差す朝日に封筒をかざす。
中の紙がどの位置にあるか確認すると私はハサミを入れた。
封筒の隅をチョキチョキと切って、中身を取り出す。
手紙には駿くんの日常が書いてあった。
駿くん楽しそう!私がいなくてもうまくやってるのね。良かった。
そこまで思い、胸の痛みに気づく。
なんで?駿くんが楽しいならそれでいいのに
『……やっぱり、愛花ちゃんがいないのは寂しい。』
駿くん!
いつの間にか胸の痛みは収まった。私もやっぱり寂しかった。
『だから、僕愛花ちゃんに会いに行くね。』
本当に!?胸がドクドクと音をたてて鳴る。嬉しい、嬉しいけど……
でも、一人で大丈夫なの?
私は焦りはじめる。
「愛花ーご飯できたわよー」
ママが下からよんでいる。
あぁこの返事は学校から帰って書こう。
名残惜しく封筒を一撫でするとランドセルを背負って、リビングへと向かった。




