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パラマス号⑨また哲学的な話(箱船)
空間認知が失われ突如始まる強制的メタファー、私の思考に映る体験済みの記憶たち。
輪廻の出発が始まり幾度となく積み重なって重厚に上書きされ、形成されていく新たな自我。
その境界線の狭間に特異点があり、私自身がそこに存在する。
星崎一世が乗り込むパラマスという箱船こそ、私、星崎一世の作り出す器そのものなのだろうか。
私の存在意義は果てしなく続く時間の概念と起因あるいは起源。
それを言い切れるだけの言質記憶を、星崎一世とパラマス号は持ち合わせてはいる。
しかしまだ私の使命がなんであるかの説明は私自身持ち合わせてはいない。
ざらつく胸が今日という中に、星崎一世を留める。
私は今、軽い鬱的思考に酔いしれているのだろう、ワインの鏡面に映り込むナルシストの面構えがそう言っているようだ。そのような思考ほど危うい崩壊の始まり。
流れる光の粒子がざわめき、その崩壊を構築し保管する役目を負う。
星崎一世が考えると、また一つ解けない疑問が課題として受け継がれていく。
七回目の星崎一世は足を組み直し座り直した。
バウンス美沙子がその様子を憂いを帯びた目で見つめていた。
おわり




