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異能力者《オレ》の日常は非日常になりました  作者: 平凡 日常
変わりゆく日常ーー徐々に始まる非日常ーー
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異の非35話 「また遭遇。いや、休ませろ」

やっと非日常っぽい展開が!?

本編へすぐどうぞ!

「今日も疲れた……」トオルは帰りのHR後に学校の外にある自販機の前でそう口にした。彼はまるで仕事帰りのサラリーマンのように疲れている様子で一口手に持つ飲み物を飲んだ。今、ここで買ったばかりのものだ。


「あま〜」

トオルはそう言って幸せそうに顔を緩ませた。

カフェオレだから甘いのは当然なのだがついそう口にしてしまう。それほどに今日は特に疲れる一日だったのだ。原因はレイナとリンが昼休みに何度も攻撃という名のマシンガントークをしてきたからだ。正直、それでめちゃくちゃ疲れた。

早く家に帰ろう、そう思ってトオルはさっさと駐輪場に向かおうとする。だが、それを止めるものがいた。


「待ちなさい」


「うるせーよ待たねーよ変じ……え?」

自分に話しかけてきた相手をレイナかリンかと思っていたトオルは振り返り驚いた。

そこにいたのはーー、


「修学旅行の時以来ですね♪ 中村 トオル。私、あなたに会いたかったんです」

修学旅行の時にワンパンした異能力者、(しのぶ)だった。その表情は笑っているがそれが無理に貼り付けているものだということはトオルにもすぐわかった。

めちゃくちゃあの時のこと根に持ってんじゃん!


「……俺は会いたくなかったよ」

トオルはこの後の展開を想像していっそう疲れた顔をしてそう言った。


「(出会うにしても何でこのタイミング!?)」

心の底からトオルは、まるで仕組まれてたんじゃないかというほどのタイミングで現れた忍を見ながら思った。目の前の彼女は修学旅行の時とは違って制服姿で顔も見える。その姿は銀色の髪が特徴的で体全体を見ると……ちんちくりんだった。


「……ぷっ」


「何かおかしなことでも?」


「い、いや何も」

忍のその見た目と口調のギャップにトオルは吹き出しそうになるがなんとか笑うのをこらえる。


「それで、俺になんかよう?」


「あら、わかりませんか?」

いや、だいたい何しに来たか分かります。

やめてください! と心の中で思いながらトオルは忍を見る。忍はあの時と同じように俺に向かって片手をまるで指揮者のようにふるってこう言った。


悪夢(ナイトメア)


瞬間、忍の周りに一度見たときのある紫色のボールのようなものが四個ほど現れる。そして、トオルに向かってまっすぐ飛んでくる。


「ちょっ、あぶなっ!」

前とは違い足を普通に動かせることもあってなんとかトオルは四個とも回避する。


「(松葉杖をしてたら即死だった!)」

トオルは自分の異能力を避けられてイラついているのかピクピクと小刻みに震えている忍に向き直って、彼女に言った。


「用はこれで終わりか? なら、俺は帰るぞ」

正直言って怖いと言う感情がちょっとずつ湧いて来ているのでさっさと帰ろうとするトオル。


「終わり? そんな……そんな……」

忍のその完全にキレている声を聞いてトオルはすぐさま振り返る。すると彼女の周りにはーー、


「なっ!? 八個!? 一気に増えすぎだろ!!」

先ほどの紫色のボール、もとい悪夢が八個現れていた。


「(おいおいおい! 無理ゲーすぎるだろこれは!? どれか一つでも当たったら終わりだろ? 一気に飛んでくる球。しかも八球同時とか避けれるわけないだろ! バカじゃねーの!?)」

打開(クリア)するのがあまりにも無理ゲーすぎる目の前の状況にトオルは心の底からそう愚痴る。


「こんなので終わるわけがない!!」

忍の声とともにすべての球がトオルに狙いを定める。


「(どうする! どうする!? 考えろ俺!! じゃないとまた意識がプツンだ! 何か何か!)」

必死に現状を打破する方法を考える。そして、トオルは一つ、というかそれしかない方法をとる。


「(こうなったら俺も使うしかないだろ! 異能力! 正当防衛だから仕方ない!)」と意味不明な言い訳を自分にしながらトオルは異能力を使うことを決める。


「血流操作!」

そう口にして自分の体内の血流を操作する。

一瞬だが、血の流れを右足に一点集中させてその部分だけを強化する。


「っ! 間に合え!」

トオルは自分に今にも飛んでくる様子の悪夢を視界に捉えながら右足から踏み出し思いっきり地面を踏む。


「(なんでかわかんないけど体育のクラウチングスタートを思い出すな)」

そして、そのまま地面を力強く蹴る。


「死になさい!」


「いっけぇぇー!」

その言葉が合図となり悪夢がトオルめがけて飛んでいく。だが、その位置にトオルの姿はなかった。トオルもその言葉を合図に動いたのだ。


ただ、一歩。


「な……なんで……!?」

忍はただそう言った。さっきまでそこにいたのはずなのに今は目の前にいるトオルに。


「さあ、なんでだろうな?」

そう余裕ぶりながら避けれたことに内心トオルはホッとする。そして、そのまま目の前に立つ忍にもう一歩近づく。忍は驚きのあまり動けないでいた。

トオルは異能力で一時的に次は右手を強化し、流れるような動きでーー、


「くらえ!」


「なっ!?」

デコピンをした。そして、そのデコピン一発でさっきまでの出来事が嘘のように静かになった。

「……ふぅー疲れた……」ただでさえ疲れていたのに異能力を使ってまた疲れが溜まったトオルは自販機付近で意識を失っている忍を見ながら長いため息をついた。


「まじで俺の日常はどうなっちゃったんだよ」

目の前に倒れている異能力者から視線を外しトオルはそう呟いて、駐輪場へと向かう。その姿は今さっき襲われた人のそれではなかった。彼に倒された忍の首あたりには黒いタトゥー? のようなものがあった。が、そんなことは気にも止めず彼は帰っていった。



最後まで読んでいただいてありがとうございました。ブクマや評価くれると嬉しいです!

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