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日本最古の歌集、万葉集の中にこんな歌が収録されています。
麻乎其母能 布能末知可久手 安波奈幣波 於吉都麻可母能 奈気伎曽安我須流
東歌 万葉集 No.3524
※東歌 :東国の人の歌
真小薦の 節の間近くて逢はなへば 沖つま鴨の嘆きぞ我がする
(真小薦の 節の間くらい近しい仲になれたのに逢えないとは……沖のま鴨のように私は嘆いてしまいます)
真小薦とは沼地の植物で、葦と同じように節があります。
この歌は、「真小薦の 節の間近く」で「その節と節の間くらい近しい仲なのに」と表現し、なのに遭えない嘆く気持ちを詠んだものではないでしょうか。
さらに、この歌の面白いところは「真小薦」と「ま鴨」、そして「近く」と「沖(遠く)」で対応しているところです。




