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海岸の言い伝え……といっても実際どんな由来であったのか、詳しい内容は今となっては良く分からないのですが……
日本最古の歌集である万葉集で、その効果について知る事が出来ます。
「暇あらば拾ひに行かむ 住吉の岸に寄るといふ恋忘れ貝」 万葉集 No.1147
(暇があれば拾いに行こう、住之江の岸に寄るという恋忘れ貝を……)
「住吉に行くといふ道に 昨日見し恋忘れ貝言にしありけり」 万葉集 No.1149
(昨日、住吉に行く途中、恋忘れ貝を見たというのになんの効果も無いではないか)
※恋忘れ貝:ワスレガイという貝だと言われています。
この歌から、住之江の岸は、愛しい人に逢えぬ寂しさを忘れさせてくれる場所であり、想い悩んだときにはそこに打ち寄せた貝を拾って、恋しい気持ちが消えるよう、再び逢えるまでの間我慢できるよう、お守りとしたのではないでしょうか。




