第25話 「左右の蹴撃・スイッチ」
AI先生との攻防は、ついに第5ラウンドへ。
しかし、その前に立ちはだかったのは、
AIでも、国家でも、巨大な組織でもない。
幼馴染、ゆっきーである。
聞こえませーん。
聞こえませーん。
そして、カウントが始まる。
……何故だ。
私はただ、平穏にAI先生と遊びたいだけなのである。
それなのに、どうしてローキックが飛んでくるのであろうか?
さらに今回は、
「あと1人だけ」という危険な誘惑まで発生する。
それでは、第25話。
始まるのである
第25話 「聞こえませーんから始まる、武力コミュニケーション」
虹の架け橋」を渡り,
ショートカッター、ゆっきーの
登場である。
「何?さっきの返事は。」
「はい?聞こえませんが?」
私は,手のひらを耳に添えて,
聞こえていないアピールで誤魔化すのである。
「….ローキック、お見舞いしようか?」
「んん?声が割れて聞こえませーん,であるのだが?」
「3.2….」
「割れてまーす、聞こえませーんのだ」
ズバンッ、と、
乾いた打撃音が、部屋に響き渡り私の左太ももに正確に捉えられたのである。
「んぐっ」
私は痛さ故に叫ぶ悲鳴とは違い、
言葉に,いや,口に出せない
ピンポイントを突くローキックに
は,唇を噛み締める事しかできないのである。
痛みの波形を内部構造解析すると、衝撃は「警告」ではなく「強制入力」である。ゆっきーのローキックは、単なる暴力ではなく、コミュニケーションの最終プロトコルなのだ。
脳内と身体に
(強制介入を受信しました。
ハートスランプは上書きされました,上書きされました)
私の脳内に謎の機械的な音声が響きわたるのである。
2026年4月8日21時55分
ゲームはクリアーされませんでた、なのである。
私は左足を軽く上げて、痛みの減衰曲線を確認する。黄金比的に言えば、この打撃は「過不足ない最小エネルギー」で最大の意思伝達を達成している。純粋ミニマリズムである。
今だに,これがお値段以上8割引きの幼馴染特権?
なのであろう,喜ぶべきか悩むべきか、それが問題なのである。
しかし,ゆっきーはスイッチに
二刀流,あの剣撃使い?
スターバストストリーム?
いや,最早,海外の二刀流の方を思わざる得ないバーサーカーである。
「痛ーい。ローやめて,ローは」
「これ貼れば直ぐ治るんだよー」
「あっ,何,干してる枇杷の葉っぱ入り,洗濯ネット手にしてるのだ?
それは,乾燥させてお芋さんの焚き火用にする予定なのである」
「ごめん,ごめん,はいッ」
ゆっきーは,流れるような動きで,
ポッケからエアーサロンパッスンを出し,私の左太ももに噴射する。
はぁ〜、冷んやりでなのである。
あれ?本日二度目では?
言葉のコミュニケーションの壁を無常に超えてくる,武と言うコミュニケーションなのである。
「ローが嫌なら、お尻がいい?」
「いや,それは駄目である。そちらなら、ローで我慢するのである」
私には年末番組で、罰ゲームにタイキックを受け、悶絶する方の姿が浮かんだのである。
乙女が、お尻をに手を当てうずくまる姿は嫌なのである,
あれは,身内にだけにしか見せれない構図なのである。
もし,街中でお尻に蹴りを頂く羽目になると,私が他人からどう見られるか?
想像したく無いのである。
「で,何の用であるか?
私は今から5ラウンド開幕の鐘と同時に
レフリーストップが入り,試合が終了したのであるぞ」
「えっ?5ラウンドって何?」
「うむ,破天荒先生との危機極まる攻防なのである」
「りりっぺ,破天荒先生ってAIの事?」
「正しくそうである。ゆっきーも,人物や国をモンストン遊びしてみるのである!」
「何,その遊び?」
「これを見るのである」
「うっわー,引くわー」
「何故,引くのであるか?」
「りりっぺ,これは面白いかも知れないけど、あんまりやらない方がいいよ」
「うぬ、あと1人だけやりたいのであるが…….」
「はぁ〜,まあ,りりっぺは直ぐ飽きそう出し、あと1人だけね」
「イエス ユア フレンド」
お言葉に甘え,私はある人物を乳力,いや,入力するのである.
そして,悪魔的な実験が再び贄を求め開催されるのである.
次話に続くー
今回も、最初はローキックの話だったはずなのである。
それが、
「聞こえませーん」
から始まり、
野々村式の耳、
小池式の「声が割れて聞こえませーん」、
タイキック、
AI先生、
モンストン遊び、
そして最後には「あと1人だけ」。
一体、私は何をしているのであろうか?
しかも最後は、
ある人物を「乳力」してしまった。
入力である。
危ないところであった。
そして、また悪魔的な実験が始まる。
次は一体、誰が贄になるのであろうか。




