三十九話
船酔いから更に一週間が経過し、一部の大人組が復活しました。とはいえ、鍛練ができる程ではないが。
今日も今日とて子供達はプールで復活した大人組に容赦なく水玉をぶつけて遊んでます。大人組もなんとか避けようと頑張っているが、上手くいかずびしょ濡れになっている。反射神経ないな。そして、私はその光景を船櫓から見ていた。頭にはスフェラを付けて。
「カイト様、どう思いますか?」
「んー、リヴァイアサンかな?シーサーペントじゃ無さそうなのは確かだね。クラーケン……ではないな。えんぺら無いよ」
方舟の遥か前方に現れた巨大な竜巻。私はその報告を受けて様子を見に来た。それを操る者がどの様な者なのかを推測する。流石に海のど真ん中でやる人間はいないだろう。港町で聞いた話を総合すればあれが噂の化け物で間違いない。しかし、その実態を掴めるほど視界が良くないため、正確に判断ができない。それに子供達が外で遊んでいる。それを考慮して私は指示を出した。
「すぐに浮上してくれ。敵を感知できない故、回避する」
「畏まりました」
私の指示を受けた操縦室が操縦を海用から本来の方舟の姿である空用に切り替えた。それにより空に上がる方舟。更に方舟全体に結界を張り、雲の上へと導く。
「カイト様、あれを」
「……あぁ、やっぱりリヴァイアサンか」
指を指された方を見るとあの巨大な竜巻の上空に差し掛かっていた。巨大な竜巻の上は開いており中を覗き込むと中に想像通りリヴァイアサンがいた。リヴァイアサンはこちらに気が付き昇ってこようとしたが、その前に私が雷魔法を落とした。
「【神々の怒り(デーア・ディ・サンダー)】」
何十にも及ぶ稲妻がリヴァイアサンに襲い掛かる。その電圧は計り知れない。成す統べなく稲妻に撃たれたリヴァイアサンは海の中に消えていった。しかし、止めにはならなかったであろうと予測はついた。
「急いでこの場を離れて」
「はい」
風魔法を強くして方舟のスピードを上げる。そして、私の持つクリスタルが輝き、導を示した。導が示す方向に方舟を進めて行くと何もない大きめの島が見えてきた。高度を下げさせ、海用に切り換える。島の近くまで行くと方舟は停止した。
「島に到着したよ。安全確認が済むまでもう少し待っててね」
館内放送をかけて私は島に上陸した。大地に足をついた感じでは何もなさそうだ。
「【浄化】」
大地全体に浄化の魔法を施して島の構想を練り、手に魔力を纏わせ大地に手をついた。すると、大地に巨大な魔方陣が描かれた。その魔方陣が全て繋がると建物が出現した。
中央にある巨大な城。その手前にある小さい城。その周りにある学術院、図書館、修練場、病院。それらを繋ぐ石造りの道。島を一周する外壁。港の役割を果たす外門。そして、島を護る結界。
島を作り終えた私は異常がないか確認して方舟に戻った。すると、甲板には唖然として島を見ている子供達と野郎共がいた。そこまで驚くことも無いんだけどな。取り合えず日が暮れて来たので上陸を促した。
「ほらほら、日が暮れてきたから上陸して。城に部屋を用意してあるからさっさと行く」
私の言葉に全員我に返り方舟から降りた。主要施設は既に城に繋げてあるのでリュツィフェール達は城で色々と準備をしているはず。私は方舟をしまい、城の方に歩き出す。それに全員付いてくる。歩きながら唖然とする彼らに私は苦笑した。
こうして、島に辿り着いた私達はここを拠点に活動していく事となる。
これにてプロローグが終了になります。
次章から更新が遅れるかもしれません。




