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二十九話

「カイト!!全員食い終わったぞ」

「ん?」


 何故か怒っているエーベハルト。それに首を傾げる私。そんなに夢中で食べてたかな?それでもなお食べ続ける私。その上で私の魔力を食べ続ける結晶天使の子供。魔力欠乏症と結晶天使の恐ろしさを知った。

 エーベハルトに言われて仕方なく桃を食べながら皆の前に行った。


「えー、ムシャムシャ、これからのー、ムシャムシャ、説明をー、ムシャムシャ、始めたいとー、ムシャムシャ、思いまーす」

「食べるの止めなさい」

「ぶっ!!」


 食べながら話す私にリュツィフェールがハリセンで私の顔面を殴った。それがクリーンヒットした私はその場にのたうちまわる。そんな私に呆れた視線を寄越す執事達。容赦が無いわ、本当。


「んじゃ、説明を始めるよー。えーと、先ずは奴隷と言うか野郎共についてだな。今後の話に関わるから耳をかっぽじって聞くように。特に野郎共」


 ちゃんと説明を始めた私に全員が耳を傾ける。


「じゃあ、まず君達のチョーカーを外させて貰うよ」

「は?」


 私が落とした爆弾に全員が唖然とした。


「……どういう事ですか?」

「私が欲しかったのは戦える奴であって奴隷じゃない。戦えれば種族は問わない。だから、チョーカーなんて必要ない」


 全員が唖然とする中、先に我に返った青年が聞いてきた。それに素直に答えると全員が沈黙した。そして、私は男達に着いていたチョーカーを破壊した。


「これで君達は晴れて自由の身。さて、ここからが本題だ。君達さ、私に雇われてみる気はない?これから行く場所で私達を守ってほしいんだ。もちろん、断ってくれても構わない。給料も出すし、衣食住も保証しよう」

「……断れないのを分かっていて狡いです」

「そんなことないさ。君達が家族の元に帰ると言うなら援助はする。それくらいの甲斐性はあるつもりだよ」


 私の持ち掛けた取引に男達は苦笑した。私はあくまでも野郎共の意思を尊重してあげたいからね。無理矢理押し付ければいつかは反発する。それを無くすには自分の意思で決めさせるのが良い。もちろん贅沢を言うなら話し合うだけだ。


「やらせてください」

「俺もやらせてください」


 一人が立候補すると次々と声が上がる。そして、全員が立候補した。それにニヤリと笑う私。


「よし。ならば明日から修練場で鍛練を始める。明日朝食後、修練場に集まるように。部屋割り諸々は後で説明する。それと、少年が二人」

「いえ、一人です。もう一人は幼子になりますので」


 野郎共に明日の指示を出した私が彼らと一緒に拾った少年の事を言うとミカエリスから追加情報が入った。その情報に少し驚きつつ言う私。


「少年一人と幼子が一人加わる。クリス達は仲良くするように」

「はーい」

「幼子は医務室で治療中だよ。栄養失調だから今は点滴をしてる。様子を見ながら食事の調節をしていくから」


 クリスとアルバートとセフィリナが頷くのを確認した私にジュードが更に追加情報を渡した。だいぶ危険な状態だったんだね。だから、リュツィフェール達が私に無断で連れ帰ったのか。それに私は頷いた。


「わかった。次に二十人程の少女達も加わる事になる。彼女達は様々な事を学びながらシド達の手伝いをすることになる。サーシャ達も仲良くするように」

「はーい」


 サーシャとミーアとリーリナにもクリス達と同じように伝えた。当分は色々な方面に気を向けないといけない。まぁ、女性陣の方はミーアに任せても大丈夫だとは思うけど。


「これからもここには異種族が大勢来ると思う。だからと言って苛め等はしないように。お前達と同じで生きている。姿形が違えど同じ人類だ。それだけは胸に刻んでおけ」


 この時点で既に二種族以上の人種が集まっている。エルフ、人間、龍族。人種差別はどの世界でも必ずあり、一度起きてしまうとどうしようもできない問題でもある。先に忠告だけはしておくが、後は本人達に任せるしかない。何も起こらないことを祈るしか私にはできない。


「それとこれは全員への忠告だ。当分の間はこの人数で居ることになると思う。だから、よく聞け。男は女への手出しを禁止!!幼女趣味になりなくないなら私に相談すること!!少しでも手を出したらその場で殺す。後、この中を拡大したからメイドや執事が常に動きまわっている。特にメイドへの手出しを禁止する。まぁ、出しても返り討ちにされるとは思うけど。執事達にはつまみ食いをするなと釘差しをしているから大丈夫だと思うが、女性陣は何かされたら必ず私に言うこと。シバくから。常識的な行動をとるように心掛ければ私にシバかれる事も半殺しにされる事もないから」


 団体行動の最も厄介な事について忠告しておく。今の段階で一番注意しておくのは十代後半以上の男達(エーベハルト、アルシュタート、フィオリーナ含む)だ。女性陣はまだ十代前半以下。守られるべき子供だ。だがしかし、一度社会に出た野郎は他の野郎に毒されてしまう。なので、釘を刺す。本当にやったら体が覚えるまで説教だよね。本能回避をするくらい説教だ。良い笑みで告げると男達は顔を青くして頷いた。


「取り合えずそんくらいかな。じゃあ、次はこの馬車内の管理者を説明するよ。私、カイト・カミガヤはこの馬車の総責任者です。何かあれば私に言うように。そこら辺に居なければ執事やメイド、受付諸々に言えば改善されるから。次にこの馬車での筆頭執事のリュツィフェール、ミカエリス、シドの三人。優しそうに見えてドエスだからからかわれないように注意してね。次にジュードとルセア。この二人は医療部になるから医務室待機。怪我をしたら二人か医務室に行くように。後は教師陣になるよ。クリシュナとマーラは武術を教える教師。フレイは魔法を教える教師。セラフィエルは魔法制御を教える教師。あ、ジュードは回復魔法を教える教師でもあるね。後、新たにシンジュとラフィエルが加わって教養や作法等を教える教師となります。主に女の子達を見るから野郎はあんまり関係ないと思うけどね。私のシンジュに手を出したら殺すから。私も教師として野郎共を鍛えるからよろしく。それ以外に私の世話係りでユナンが滞在するからよろしくね。それ以外にも出入りする奴等もい

ると思うから話し掛けられたら適当に対応すれば良いよ。人物紹介については以上」


 一気に主要人物について話した私。それぞれ紹介される度に前にでて礼をしていた。全員の名前は覚えなくて良いけど、顔だけは知っていてほしいしね。まぁ、後は徐々に覚えていけば良いよ的な軽い乗りで言う私。釘を刺すところはしっかり刺して。


「それじゃ、施設の案内するよー。まずは、今いるのが食堂。朝昼夜はここで食事。おやつとか夜食とかは各自でシドか誰かにねだれ。それか三時にくらいにいけばおやつはあるだろう。特に全員で集まって食べろとか言う規則はないが皆でワイワイしながら食べるのも良いとは思う。交流にもなるしね」


 馬車内の見取り図を即席スクリーンに映し出した私は現在地を赤く点滅させて説明した。まぁ、食事に関してはそれぞれ任せるよ。


「次に修練場。ここは鍛練や魔法の実習、私の私による私のための特別強化訓練が行われたりする。修練室は受付に言えば開けてもらえるから」


 修練場が赤く点滅する。修練場の中には個別に修練室があり、さっき健康診断したのもその一つだ。修練室の中の設定もできるがこれはまだ良いか。


「次は医務室。医療部が常時五人滞在してるから何かあったらすぐに行け。個室もあるから入院可。ここの責任者はルセアとジュード。この二人は必ずどこかにいるから」


 修練場の隣の医務室が赤く点滅する。鍛練が始まれば最初の方は怪我人が続出するだろう。それを考えて近くに設置にした。


「次は風呂場とトイレね。まぁ、説明受けてるから良いでしょう」


 お風呂場とトイレが赤く点滅するが一度受けているはずなので飛ばした。


「次は洗濯室と中庭ね。ここは殆ど近付かないと思うよ。洗濯物がたくさん干してあるところだからね」


 洗濯室と中庭も赤く点滅するが使わないので飛ばす。……あれ?クリシュナ達ってどこで遊んでるんだ?もしかして中庭か?……あり得る。クリシュナが改造したらあり得る。


「次は図書室と勉強部屋ね。図書室の蔵書量は一万冊以上。探しても見つからない場合は受付に言ってね。勉強部屋は受付に言って開けてもらうように。魔法を使う場合は予め受付に言っておくように」


 図書室が赤く点滅する。ここは一般で販売されている本を置いてある。ただし他世界多し。受付に言えば探してもらえる。勉強部屋は魔法が使える様に結界が張ってある。ただ常時稼働はしてない。使用目的によって内装が変更できるので勉強部屋となっている。クリスやサーシャなどはここで本を読んで基礎の勉強をしている。


「そして、お待ちかね。部屋割りだよ!!つっても、二階は客室、三階が男性陣、四階女性陣、五階私の部屋。詳しい部屋割りは……あ、出来てる。各階の廊下の案内板に書いてあるから確認しといて。部屋の中にはトイレと風呂場は完備。その他、他の日用品は全部用意してある。欲しいものがあったら適当な街に寄るから言って。服は今夜作っとくから待っててね。寝巻きは……あ、リュツィ。私の衣装部屋にフリーサイズの服があるはずだから人数分出しといて。子供の服もあるはずだから」

「畏まりました」


 二階以上の階は生活居住区となる。さらっと部屋割りは流してリュツィフェールに寝巻きを出すように指示。頷いたリュツィフェールが他の執事に指示を出す。


「五階に関しては立ち入るとき注意してほしいんだ。鍛冶のアトリエ、調合のアトリエ、薬品倉庫、武器庫、衣装部屋、危険庫、素材庫の他にも危険な部屋があるから勝手に入らないように。基本的に鍵はかけておくけどさ。開いてても入らないでね。私の自室は一番奥の真正面の部屋だから。私に用があるならそこら辺を歩いてる奴に言うと良いよ。私に連絡が来るから」


 一番の危険箇所の説明に入る。一階には置けない危険な物を私の部屋の近くに置いた。私と執事やメイド達は無線で繋がっているので呼び出しが可能。なので私の呼び出しは執事とかメイドとか教師陣の方が安全だね。


「私からは以上かな。質問ある人ー?」


 私が聞くと誰からも手が上がらないし声もかからない。大丈夫なのか?まぁ、後で個別に聞かれるか。


「じゃあ、後は好きにして良いよ〜」


 私の掛け声と共に一斉に動き出す。エーベハルトとアルシュタート、フィオリーナは男達と集まり、少年と少女達は子供組と集まった。完璧に二手に別れたよ。私は桃を食べながらそれを見ていた。




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