二十三話
「ぬぁ!?」
「え?」
私は転移で布団で寝ている子の所に移動して容態を確認した。それに驚くお兄さん。でも、私はもっと驚いたよ!!この子瀕死だよ!!後数分の命だよ!!
「ちょっ!!ヤバイヤバイ!!死ぬよ、この子!!なんでこんなところにいるんだよ!!ちょっ!!先ずは私とパスを繋いでマナ玉持たせて……【具現せよ 命のマナ ゼーレ】」
大慌てで子供の生命ラインを私の生命ラインと結んで不思議ポーチから命のマナを凝縮した玉を取りだし抱え込ませ、グリモワールを開いて命のマナであるゼーレを呼び出し子供を抱えさせた。これでもまだ子供の容態は回復しない。
「ゼーレ、この子抱えてて!!次は鍋にエリクシールと賢者の石と金丹と変若水とネクタルとアムリタとソーマと竜血とエーテルと生命の水と中和剤を突っ込んで時間早回しして……良し、できた!!ごめんよ、これを飲んでおくれ。飲みきってくれないと君が死んじゃうから!!お願いだよ!!あぁ!!偉い偉い!!後は回復量だから……【緊急事態ッー!! ルセア ユナン】」
ゼーレに子供を預けた私は不思議ポーチから調合セット一式と神薬と中和剤を取り出して火にかけた鍋に神薬と中和剤を突っ込んでかき混ぜて魔法で時間短縮して作り上げた薬を何とか子供に飲ませ、片手で回復魔法を無詠唱で掛けながら片手でグリモワールから医者と秘書官を呼び出した。その一連の騒ぎに他の少女達とお兄さんは唖然としていた。
「何事ですか!?」
「この子に回復お願い!!」
「わかりました!!」
呼び出された医者もといルセアは急いで回復魔法をかける。秘書官もといユナンも回復魔法をかけるが腑に落ちない顔をしていた。
「……この子供、何者ですか?」
「結晶天使。天使の突然変異だよ。あ、ヤバイ。このままじゃ死ぬ」
「この子、どれだけ魔力が枯渇してるんですか」
「この子、燃費が悪すぎるんだよ!!結晶天使って常に魔力を消費してるけど、こんなに燃費が悪いのはこの子位だよ!!私の膨大な魔力があってしてもこの子に吸い付くされるよ!!」
ユナンが顔を顰めながら私に問いた。子供の体から抜ける魔力量が多すぎて回復量が足りない。生命ラインを繋いでいる私はルセアやユナンよりも魔力を吸いとられていて私自身が危うくなってきた。私は慌てて魔力の制御装置である装飾品を外して魔力を確保した。本来の魔力が解放された事により、子供は私から一気に魔力を吸い上げた。底無しの魔力を持つ私でも一気に半分以上持ってかれたら干からびます。常に供給し続けなければ生命維持ができない結晶天使とはいえ、ここまで燃費が悪いのは……もしかしてこの世界のマナが合わないのか?それなら話はわかるが……後で調べてみるか。
「容態は安定しました。後は魔力供給だけです」
「はぁ……死の淵より脱したか」
ルセアが子供の容態が安定したことを確認し、私はそれに脱力した。ゼーレを還して子供を布団に寝かせる。子供は安らかに眠っていた。
「はい。もう大丈夫です。魔力タンクがあれば」
「私を見て言うな。ルセア」
魔力タンクとか……笑みを浮かべて言う言葉ではありませんよ、ルセアさん。ユナンもユナンで後片付けしてるしさ。巻き込まれないために。薄情者ー。




