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十四話

「そっちの事情はわかったから。じゃあ、エーベ達に事情を説明するね」

「あぁ、頼む」


 フレイ達の方は情報が少ないので後回しにすることにした私はエーベハルト達に事情を説明する。


「先ずは前提条件があります。それは私が転生者であること」

「ミーアと同じってことですか?」

「ちょっと違う。私の転生条件が特殊で前世の記憶、人格、能力、知識を蓄積しながら転生することが義務付けられている」


 私は自分なりに噛み砕いて説明することにした。それでも言葉だけでは難しいので魔法で空中に巨大なパネルを用意した。そこに絵を書いていく。


「どう言うこと?」

「例えば、今のエーベハルトが死にました。この時点で一つの生の記憶、人格、能力、知識が魂に刻まれる。次の転生で赤子からやり直し。だけど、人格があることで赤子の時から自我が発生する。その時点で羞恥で死ねるとは思うけど」


 アルシュタートの問いにパネルに描かれる絵を駆使しながら説明する私。それに説明を加えて解説する。


「何でだ?」

「お前、自我があって母親のオッパイ吸うんだぞ。死ねるだろ」

「……」


 エーベハルトからの問いに顔を顰めて言う私に大人組と年長組、ミーアは黙った。ミーアに至ってはつい最近体験したことだった。それを思い出して黙るしかない暗黒期だった。


「その魔の期間が過ぎたら体が成長を始める。ただし、前世の能力、知識があるので普通の子供みたいにはならない。筋肉はなくても武器の扱い方を知ってるし、料理だってできる。言葉や文字だって聞いて覚えられるし。前世の能力、知識を上手く使わないと不気味な子と思われて捨てられる可能性も出てくる」

「……」


 私の言葉に大人組が顔を顰めた。それは自分の子供の事を想像したのか捨てられる子供についてかわからないが。


「んで、その生を終えたらまた魂に刻まれて次の転生。終えたら魂に刻まれて次の転生。これの繰り返し。これは自我を強く持たないと魂が転生に耐えられず消滅する、なんて事多々あるし。結構ハイリスクな事なんだよね。魂も歪んでいくし。まぁ、そんなことを繰り返したらフレイ達がいた世界に転生したんだよ。ブーリと言う原初の神としてね。私からしたらだいぶ昔になんだけどね。私はその世界でラグナロク……世界の終末で死に絶えた」


 私はこの転生がどれだけ危険であるかを話し、フレイ達と出会った世界での死を語った。


「世界の終末?」

「又の名を世界再構築システム。腐敗した世界を再構築させる為に不必要な物を排除して新たに作り出す仕組みの事さ。私はそれにより排除され、新たな生を違う世界で受けた。どれくらいの奴等が生き残ったかは知らないけど、フレイは生きたようだね」

「生き残ったのは私とフレイアとオーディンが隠した人間のみです。私は神々の館や宮殿を巡り知識を集め、ブーリ様の復活を試みましたが既にブーリ様が転生されていたので失敗に終わりました。それに絶望し、表舞台から姿を消した私は世界崩壊のその時までブーリ様の住んでいた城にいました」


 この世界にあるかはわからない世界再構築システム。いつ何時そのシステムが稼働するかわからない不安にかられながら過ごした人生(時間)。私は真っ先に排除され、残された者達の行方を知ることなく転生させられた。その後の事はフレイに振って話させた。そのヤンデレ具合に頭が痛くなりましたが。エーベハルト達も引いてるよ。


「まぁ、そんな訳で私がフレイ達と知り合いなのは前世の一つで一緒だったって事さ」

「想像を絶する話だな」

「でも、嘘を吐くにしては設定が細かいですし……」

「これがカイトだけなら嘘だって笑えるけど、証言者が他にいるのが微妙な所だね」


 私の説明が終わり、エーベハルト達は溜め息を吐いた。想像を絶する話に混乱しているのだろう。フィオリーナやアルシュタートの言葉に私は苦笑した。


「ですが、ミーアの前例もありますし……本当なのではありませんか?」

「サーシャお姉ちゃんは信じるの?」

「えぇ。こんなわかりやすい嘘を吐くほどカイトさんも暇ではないでしょうし」

「そう、ですね。僕達を助けるほどのお人好しなカイトさんがわざわざ僕達を騙すとも思いません」


 だけど、サーシャから私を援護する言葉が出た。それに驚いたミーアがサーシャに問う。サーシャはミーアに笑みを向けて頷いた。クリスも今までの私の行動を思い出してサーシャに同意した。


「まさか、子供達に言われるなんてね」

「確かにカイトは今までだって嘘は言ってないもんな」

「素直すぎるのは如何なものかと思うけどね」

「ゴメンね、口が勝手に喋るんだよ」


 サーシャとクリスの言葉に大人組が苦笑した。これではエーベハルト達の立場がないと。


「アルバートやセフィリナの事も気にしてくださいますしね。私達、エルフはカイトさんを信じましょう」

「仕方ねぇな。俺も信じてやるぜ」

「僕もカイトを信じるよ」

「ありがとう、皆」


 エーベハルトもアルシュタートもフィオリーナも笑みを浮かべて言った。私も信じてくれた事が嬉しくて笑った。シドもリュツィフェールもミカエリスもクリシュナも笑ってくれた。マーラは本の少し笑みを浮かべていた。


「……私もブーリ様を愛してますよ!!」

「離れろ、変態」


 ただ一人、話に入れなかったフレイが拗ねて私にタックルしてきたがいつも通り足蹴りした。それに笑いが起きた。




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