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魔女はペン先と黒インクにて集う  作者: wicker-man
胞の章
11/194

胞の魔女2

『すいません、驚かせるつもりは……』


椅子の上で黒い塊が縮こまる。上に乗っている特大の帽子の傾きが、微かな俯きを大げさに伝えた。


「いえ、いえ、滅相もない。だいぶ落ち着いてきましたし、こちらこそ、なんだか申し訳ない」


金床に座って心臓を押さえたまま、なんとか平静を繕うクロス。

"胞の魔女"の姿を見た彼は、驚愕と怖気のあまり心臓に変調をきたしたのだ。

それには"胞の魔女"の方こそ仰天し、彼を金床に座らせ、水を飲ませ、互いに落ち着くのを10分ほど待ったのである。


「大丈夫、もう大丈夫です。水をありがとうございます」


空の木椀を突き出す。

"胞の魔女"がそれを受け取ろうと腕を伸ばした時、改めてその顔を覗き込んだ。

やはり錯覚でもなんでもなく、そこにあるのは鉄檻と無数の蠢く虫どもだった。

虫の種類にはまるで統一性がなく、強いて言えば大抵の個体が黒か茶色であるという程度である。

それらの虫は、それぞれが独自に動き回っているように見えたが、不思議と鉄檻の隙間から外に出ようとするものはなかった。


『それじゃ、その、ええと、儀式、しましょう、か?』


受け取った木椀を懐にぐいぐいと押し込みながら、遠慮がちな声色が響いた。

その声の全てが、虫たちが偶然にかき鳴らす羽音と足音と咬合の協奏曲であり、ひどく揺らめいた調べである。

一体どのような原理で統制されているのかは皆目見当もつかない。

見当がつかないならば、今は相手の提案に唯々諾々と従うのみだった。


「あ、はい。それでは、お願いします」


急いでコートのポケットを弄り、招待状を差し出す。

"胞の魔女"がそれを受け取って袖に近付けると、カマキリの腕が伸び出てペーパーナイフのように封蝋を切った。


『魔女協会第二団51期魔女学会招待状、1代目"胞の魔女"クルギャ。はいはい』


最初に比べて言葉づかいそのものは流暢になっていた。


『立会人クロス・フォーリーズ……まあ! あなたがあのフォーリーズさんだったんですね。すごいわ〜、あの赤ん坊がこんなに立派な男の子になったのね』


足を揃えて身を乗り出す。そのような些細な動作にも鉄の軋み音が割り込んだ。


「私のこと、ご存知だったんですか?」

『あなたがアッサルートさんに引き取られた時、私もそこにいたのよ〜懐かしいわ〜。学会でシリネディークにお邪魔した時には姿が見えなかったから、気になってたのよね〜嬉しいわ〜』

「そ、そうですか」

『あなたの治療にも手を貸したのよ。あの時は大変だったけど、今は元気そうで何より〜』


掌を合わせて無邪気に喜ぶ様子はまさに人間のそれである。

黒衣一枚下の姿さえ思い描かなければ。


『あら、それよりも儀式ね。ごめんなさいね私だけはしゃいじゃって』

「いえ、滅相もないです」


どうすればよいのか分からず、ただ肩を縮こまらせるだけのクロス。

"胞の魔女"は察したか否か、咳払いをして姿勢を正す。

咳を払うべき喉など無いにもかかわらず。


『私は"胞の魔女"。胞の魔女クルギャ』


「恐れ入ります」と礼を返す。

これで仕事は終わりだが、金床から腰を上げる気にはならなかった。

相手もそれは確実に察したようで、椅子に対して横向きに座ったまま机に肘を置き、楽な姿勢をとる。

その姿勢に意味があるのかは、判然としなかったが。


『私に訊きたいこと、あるのよね?』


当然、疑問は山ほどあった。

クロスはそれを、あくまで一つ一つ確実にぶつけていくのを選んだ。


「あの、全身、それなんですか? なんていうか……」


手振りつきながら要領を得ない質問となってしまったのは、無理からぬ事ではある。


『そうです。私の身体構成は人間型の鉄檻と、詰め込まれた無数の虫さんたち、それだけです。ご覧になりますか?』

「いえ! いいです! わかりますから!」

『え? いいんですか? 貴重ですよ〜魔界現界合わせても唯一の生命体なんですよ〜』

「大丈夫です! 大丈夫ですから!」


自らの襟に手をかけるクルギャを必死に制止する。

その慌てぶりを楽しみ、クロス本人は冷や汗を得た。

ともあれ、緊張はいささか緩んだようであった。


『私の魂、私の魔力はちゃんと具えています。同時にこの子たちも独自の魂と魔力を持っています。私個人は人造生物ですが、この子たちは何の変哲も無い、ただの虫さんです』

「虫、ということは、やっぱり、入れ替わったりとかも」

『亡くなった子は土に還してあげます。そのあとは外から補充したり、中の子たちが繁殖で増えるのを待ったりして、大体の個体数がいつも同じになるよう、調節してるんですよ』


愛おしげに胸に手を当てる。

虫たちの立てる雑音がその瞬間だけ、一際大きくなったような気がした。


『この子たちは私にとって大事な大事な肉体です。常に動き回らせて放熱や換気をしたり、ごはんや水やりも必要です。私は常に、この子たちと共にあって、そしてこの子たちを最後までお世話する義務があるんです』

「意思疎通、なんかも、出来る? んですか?」

『疎通、というほどでは。自分の体を動かす延長で、動いてもらうことは出来ます』


右腕を横に動かしてみせる。

確かに、単なる鉄檻と虫の集まりであるならば、その鉄檻を動かしているのは実際には無数の虫たちだ。

クロスは袖で額の汗を拭った。


「いや、すごいですね。"石の魔女"の所で見たゴーレムもすごかったですけど、これはまた」

『ゴーレムの開発には私も手を貸したんですよ〜。初代さんの頃でしたけれど』

「へぇぇ」


考えてみれば、ゴーレムもある意味では魔導生物と言えなくもない。


「そういえば、魔女王国初期ごろに生まれたんですよね?」

『ええ、そうです』

「その、どういった経緯で?」


"胞の魔女"が顔を上げる。

思わず視線を逸らしそうになったが、ぐっと堪えた。


『私の母は初代"屍の魔女"ナルサリィ・カシッド・イルです。彼女はカシィ領東部を占領し魔女王国を打ち立てた後、数多くの実験を重ねました。私はそのうちの一例で、初めの名前は"実験体6号"だったそうです』

「どういう、実験だったんですか?」

『"眼の魔女"さんには、もう会いましたか?』

「はい」

『では知っていますね、"原初の目"は生贄でもある生きた器を必要とします。彼女は"原初の目"を取り出し、人造の器に移すことを考えていたようです。屍術への傾倒も、広く魔女たちの知恵を求めたのも、元々はそのためです。私はその実験で、鉄檻の中に詰められた無数のミミズの塊として、初めて生を受けました』

「初めは、人型でもなかったんですか?」

『ええ、今の鉄檻は70歳ごろに"鉄の魔女"さんが打ち直してくれたんです。私は独自の魂と魔力を具えて生まれましたが、母にとっては失敗作だったようです。私はすぐに、廃棄処分が決まりました』


つまり、は、実の母から捨てられたということか。

クロスはそのように解釈した。


『処分される寸前に、初代"眼の魔女"様の目に偶然留まりました。当時の私は、ただ蠢くだけの塊で、意思や記憶と呼べるようなものは何一つなかったのに、彼女は私に知性の片鱗を見出したのです』


再び顔を少し伏せる。それだけで、広い鍔が顔面を覆い隠した。


『彼女は母に頼んで、私を引き取ったそうです。そして、毎日、毎日、いろいろなお話を聞かせてくれました。それを理解しているか、そもそも聞き取る能力があるかどうかもわからないモノに。そうしてある日突然、私は閉じていた蓋が開いたように、知性に目覚めたのです』


雑音が、いつの間にかごく小さなものになっているのに気付いた。

虫たちの行動は"胞の魔女"の心理によっても影響されるようであった。


『抱えられるぐらいの小さな檻の中で、ミミズたちの蠢く無秩序な音の群れの中から、確かに言葉のようなものを聞き取った。彼女は後年、そのように言ってくれました。私の最初の言葉は『さむい あつい』だったそうです。それから、彼女は自分の命が尽きるまで、私に様々なことを教えてくれました。世の中のこと、魔法のこと、言葉や算術、料理や農業、編み物まで』


"眼の魔女"は皆短命である。

"胞の魔女"が彼女と共に過ごせた時間は僅かだろう。

だが300年以上生きてきた身でも、その時間を実に愛おしそうに語るのだった。


『彼女は最期に、三つのものを私に遺してくれました。私を子として認めるよう、母へ向けた遺言。女性の人型の鉄檻。これは後で破損した時に打ち直してしまったのですけれど……』


左手の手袋を取る。そこにあるのはやはり、手の形をした鉄檻と無数の虫だった。


『三つ目が、命名権。私が、自分で自分に名前をつける権利です』

「クルギャ、は自分でつけた名前なんですか?」

『"眼の魔女"様がそう呼んでいたのです。私の最初の言葉『さむい(クー) あつい(ギャー)』をもじりながら、体を表す意味も通るということで"クルギャ(群れ)"と。その名前が、私は好きだったんです。"眼の魔女"様も喜んで私の名前を呼んでくれました、自分の子供ができたみたいだ、と』


魔女は師弟の繋がりさえあれば継承が可能で、本来血の繋がりは必要ない。

だが実際には血縁者が跡を継ぐことは魔女王国時代も今も頻繁にあった。

その中にあって"眼の魔女"は、殆ど全員が未婚を貫いている。結婚した者も、子供を設けることはなかった。

あまりに短すぎる人生の中で、子供とは、遠い遠い夢物語であったのだ。

故に彼女らは、限りある有り余った母性を矛盾そのままに、他者へ注ぐのだ。


この"胞の魔女"も、そうした母性の犠牲者なのである。


『私は、母と和解しました。私を処分しようとしたのを、母はずっと気に病んでいたんです。その上で私の学識を認めてくれて、魔女名持ちにしてくれました』


魔女名は王国時代であれば女王か執政が、協会時代であれば会長が、それぞれの学識に応じて許可するものである。

だが実際にどのような名を名乗るかは、当人が決められる。

僅かな例外もあるが、それは学びを求める女性たちが現状得られうるものの中では最高の名誉であった。


「そういえば、専門は小生物と生理学ですよね」

『はい。最初は自分への探求、だったんですけど、今は少し違いますね』

「というと?」


問いかけに対し、"胞の魔女"はまずきちんと姿勢を整えた。

足を揃え、両手を腿の付け根に置き、背筋を正し、そしてやや前屈みになって、何故か声を潜めて話し始めた。


『研究と観察を始めてすぐ、奇妙なことに気付いたんです。私はこの通り、どの生物とも全く違う姿をしていますよね。なのに、実際の生活サイクルが驚くほど他の生物と似通っているんですよ』


それは小さな秘密の暴露のように、やや興奮したような声色だった。


「へ?」

『食事を必要とし、睡眠を行い、肉体の不要部を排泄する。全て秩序立っていて、身体の各部が各部の役割をこなす。似ているんですよ、私の生活は、正常なる自然の動物たちと』

「それは、肉体がふつうの虫だから──」

『虫たちではなく、私という一個の生命体として見た時! 構造としてはエレメンタルに近いはずの私が、非常に生物的な活動を本能的に行うんです。例えば、このトオリムシ』


左手の檻の隙間から、ぴょこっと一匹の虫が飛び出て指先に立った。

茶色く細長い体と羽に、特徴的な複眼と非対称の二本角を持った昆虫だった。


『この子は本来、夜に活動する虫さんです。しかし私の一部となってからは、私の生活サイクルに合わせた活動をするようになりました。そしてこの子は消化の役割を持っています。食物が檻の中に入った時、この子を含んだ消化個体コロニーが食物を消化分解するのです。消化された食物は、更に循環個体コロニーの虫さんたちが全ての虫さんに行き渡るよう、隅々まで運びます』


指先の昆虫がぷくぷくと口から小さな泡のようなものを滲ませる。

恐らくは、これが消化液なのだろう。


『他にも、通気用の小さな管状の空間を維持する換気個体コロニー、虫さんたちの排泄物を集積して廃棄する排泄個体コロニー、そして私の意思のもとで鉄檻を動かす筋肉個体コロニー、他にも様々な役割に分かれて活動しているんです。どれも、生物の機能として聞き覚えがあると思いませんか?』

「それって、つまり」


『そう、同じなんです。私と、全ての生物は同じ構造を持っている』


思わず顎を押さえて、膝に肘を置いてしまう。


『全ての生物は、極小である他の生物の集合体なのだ、と』


あまりにも前代未聞であり、突飛な学説に思えた。

だが、まずどう反論するか、クロスは計りかねた。


『疑ってますよね? まあ無理もありません。しかし、そう考えると全ての辻褄が合うのですよ。極小の生物が増殖と死滅を繰り返して成り立つのが生物で、治癒は増殖、代謝は増殖と死滅の均衡の結果として生じるもの、というわけです』

「そうですね、俄かには、ちょっと、信じられないです」

『それを証明することが、私の研究のテーマなんです』

「具体的に、もうちょっと話を聞きたいですね」


左手袋を着け直し、再び咳払いをする。

どうやら、これが彼女の癖のようであった。


『最初はささやかな疑問でした。"眼の魔女"様がくれたルーライの卵をかじった時、彼女の左手の指に傷痕が見えたんです。その傷は先日、私に料理を教えようとしたとき誤ってつけてしまった傷でしたが、すっかり塞がっていました。なので私は、かじったルーライの卵も、時間をかければ治ってまた食べられると思いました。当然果実が治ることはなく、結局は腐ってしまいました』


滔々と語って聞かせるような口調には、確かに年季のような何かを感じさせる。


『何故? どうしてだろう? 人間の指の傷は治るのに、果物は治らない。その疑問の種は私の心の奥底に植え付けられ、学識を深める度に根を張り、魔女を目指すに従って茎を伸ばし葉を広げ、魔女名が許されたとき花開いたのです。これが私の生涯のテーマなのだと、確信しました』


改めて言われてみると、確かに奇妙だとクロスも感じるに至った。

傷の自然治癒だけではない。毛や歯、爪の生え変わり。擦れば取れる皮膚片や垢。

魔力が活力として、肉体の再生や代謝を行うのならば、その魔力は何が受け取るのか?

魔力を受け取り、それによって活動する何かが肉体であるならば、それはまるで、独立した生き物だ。

新しく生まれる肉体の物質は、一体どこから来ているというのか?


『現在確認されている生物の中で、一番小さなものは全長0.4mmです。私の推測では、通常の生物を構成している微小生物の大きさは0.02mm以下。この、生物の最小単位を私は『細胞』と名付けました。それは集合物である生物の形態から見て、最低限の機能を薄い皮膜で包んだ構造のはず。故に私は"胞の魔女"を自ら称したのです!』


えっへん、と胸を張る。

どうやら自説にかなりの自信があるようだ。


「細胞」


噛みしめるように呟く。

自分の体はとても小さな生物が集まって出来ている。

やはりどうにも、クロスには信じがたいように思えた。


「治癒や代謝の仕組みは、他にも学説がありますよね? 天核教は食物と魔力の反応で人間の臓器が肉を作り出して埋めるのだと言っていますし、魔道士会では生物の肉体は単なる変換器で、治癒や代謝は生体が一部位を他の部位に変換し続けていることによる変化に過ぎない、というのが主流だったと思います。王宮学者は自然発生説を支持していましたよね?」

『それらも結果として、巨視的には間違いではないと思います。私はそれらを補強する存在として細胞という考え方が是なのだと思っています。より微視的に見た場合の詳しい仕組み、その解明の糸口になればいいですよね』

「でも、さすがにまだ証明は出来てないですよね?」

『そーなんですよねぇ』


困ったように頬に手を添える"胞の魔女"。

段々と、そういった様子や動作にも違和感を覚えなくなっていた。

それだけ議論と思索に気を向けている、ということなのだろう。


『当代の"光の魔女"さんがレンズを発明してくれた時は本当に心が躍ったんですが、まだまだ拡大倍率が足りないみたいで〜』


レンズの発明はおおよそ10年前で、その製造は"光の魔女"が経営する工房が担っている。

故に、魔女はその供給を優先的に受けられるのだ。


「論理的に詰めていく方法は無いですか? その、細胞、というものが増殖と死滅を繰り返すなら、採取して育てることができるんじゃないですかね」

『試してるんだけど、中々上手くいかないんですよね〜。色んな温度や湿度に、栄養液の種類や魔力液の濃淡、土に埋めたり、植物の葉や動物の体の一部に植えたりもしましたけど、やっぱり小さな変化も観察できるような方法が無いとなると……』

「やっぱり、その、違うんじゃないですかね。細胞なんて無くて、生物は生物として一つのものなのが普通なのかも」

『うぅぅ〜〜〜んんん』


議論が完全に止まってしまった。

"胞の魔女"は決め手に欠けたまま考え込んでおり、クロスも素人考えであるために遠慮していた。

会話が止まり、沈黙の中で虫たちのざわめきのみが響く。

少々、気まずい。


「あ、そういえば、協会から伝言を頼まれてたんでした」


空気を変えようと思ったか、それとも単に思い出しただけか、クロスは少しわざとらしく手を叩いた。

"胞の魔女"が帽子の鍔を押し上げ、聞く態勢に入る。


「"薔薇は木口で咲く。飛蝗に備えあり" だそうです」


虫たちの雑音が止んだ。

あたかも凍りついたように、もしくは引き攣ったかのように。

無言の静止が1秒、2秒、3秒と続き、


4秒目で、何事もなかったかのように再び虫の蠢動は再開された。


(え? なに? 今の反応って、どういうこと?)


当然のことながら、クロスは困惑せざるを得なかった。

先ほどの反応が、彼女にとってどのような意味を持つのか、虫の群れと鉄檻のみで作られた顔からは窺い知れない。

その上、虫たちの動きは再開したとはいえ"胞の魔女"本人は未だ微動だにせず、一言も発していないのだ。

クロスはただ、待つ他は無かった。


そうして、更に10数秒が経過した頃だった。


『クロスさん、昼食にしませんか?』


やにわに立ち上がり、呆気にとられた顔を見下ろしながら、唐突にそう言ってのけた。

口調はあくまで優しく、羽音混じりであったが、ただならぬ何かを感じ取ったクロスは思わず「はい」と応えてしまう。

先ほど食事を済ませたばかり、とは言い出せずに。

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