転移-観光
鬼塚千早××歳です
私彩香ちゃんと◎△$♪×¥●&%#○♪ですから!
海外旅行は大学の卒業旅行で友達とハワイに行ったくらいかな
あそこ日本語で十分だよね
「異世界へようこそ」
窓からみる景色は、石造建築の建物群。
古臭く汚い印象は無く、小奇麗で統一感がある。
あーこれTVとかで見た事有るわ、実は異世界なんて嘘でイタリアとかどこかでしょう?先輩の方を見る。
先輩はチョイチョイと道路を指さす。
アスファルトではない石畳の車道には、馬も居るが見た事の無い生き物が荷車や客車を引いている。
歩道にはさらに様々な生物が歩いている。
二足歩行の犬や猫やトカゲ。
お?すごい美人さんが居るわー....耳が長い?噂のエルフ様?
オイオイオイこっちは和風の鬼さんか、節操が無いな。
今度は上を指さす。
何あのドラゴンかなり大きい、目算100mは軽く超えてるのが空飛んでる。
呆気に取られていると先輩が、
「ご飯食べたら観光に行きましょう」
「この恰好でも問題無いですかね?」
黒のジャケット/パンツにタクティカルベストと軽めのヘルメット鉄板入り編み上げブーツ、全て戦闘用術式が施してある征十郎さん謹製。
目立つ武器では背中に太刀を括り付け、コンバットナイフを2本。
腰からGlock17cを抜いて見せると先輩は顔を顰めた。
「銃刀法違反...」
「こっちの世界でもあるんですか?」
「元のですよ」
「退魔士なんで特別な許可とってるんですよ、術式改造している物ですし弾も特別なの使ってますし(通常弾の事は黙っておこう)」
あとは見えにくいところに投擲針だの呪符だの、アレは持ってこなかったが結構な装備している。
「ここは大きな街でして、襲われることは無いと思います。ので全部置いていきましょう」
「んじゃジャケとパンツだけで?」
「最初に服屋さんに行きましょう、こちらのお金は持っています」
ふと先輩の目をみつめる。
「先輩結構しゃべるんですね」
手を繋いで通りを歩く。
「こんな世界だから勝手に動いてほしくなかったのです」
だからと言ってうら若き乙女をベッドに連れ込むのはどうなのだろうか。
初めての異世界、流石にきょろきょろとしてしまう。
見た事の無い種族、装束、道具。建物は多少似た処はあるが、誰のデザインなのだろうか。
住宅街から商店街に移ると更に目移りしてしまう。
服屋さんに着いたようだ、とても美人さんがお出迎えしてくれる。
「いらっしゃいませ、カップルさん」
「いえ、恋人じゃn...先輩ジャパニーズが通じるんですけど!」
「鬼塚さん落ち着いて」
「そういえばさっきから看板とか意味わかるんですけど!これが異世界転移のチート能力の一端ってやつですかああ!」
騒いでいるとぎゅっと抱きしめられる。
「鬼塚さん鬼塚さん、実はこの国の共通語は日本語なんですよ」
エルフの美人店員さんに着せ替え人形にされつつ建国の話を聞く。
昔々世界は化物と呼ばれるものが大漁に発生していた。
化物は生きとし生けるもの全てに敵対心を抱いており、魔族と呼ばれる種族も対象であった。
世界が危機に瀕しているとき日本から来た男子高校生が全ての種族をまとめ上げそれに対抗し勝利した。
異界からきた少年は全ての種族間の争いを許さない国の王となった。
「と簡単にね、全ての種族を受け入れるこの国は大陸一大きく、強大になった」
真っ白いワンピースを着せて満足した表情のお姉さん。
「今着ていると先程の2つを、ワンピースは着ていくのでバッグも売っていただけますか」
「はいはい、おまけして20万円で良いわよ~」
へー、通貨は違えど名称は円なのかって、
「たっか!ワンピ1着とシャツ/スカート1着で20万ってたっか!」
ニコニコとお姉さんが笑って、実は繊維がちょっと良い物なのよーと。
オイオイオイ、先輩現金払いだわ。
「ありがとうございます、それでは靴屋さんに行きましょう」
ちょっと高そうなカフェでお昼。
因みに今は白でヒールの高いサンダルを履いている。
上から下まで白一色かい、中の人が野郎ばっかりネトゲのファッションみたいだな!
追加で買ったバッグの中には履いてきた編み上げブーツと買ってもらった動きやすそうなブーツが入っている。
普段スニーカーや鉄板入りブーツしか履かないわたしに、ちょっとでもヒール高いのは慣れてないし怖いんですけど!
「騎士たるものピンヒールでも戦え「おい止めろ」
食後のケーキを食べつつ、今まで聞かなかったことを初めて口にする。
「綾先輩、ここには2年前から毎週金曜日に来ているんですか?」
「...そうです」
随分素直に認めたな。
「学校の異変は全て先輩ですか?」
「そうです」
「なぜあんなことを?」
「そうしなければ此方に来れないからです、そして学校内でなければならない」
他でも色々試したんですがだめでした、と肩を竦める。
テーブルに両肘をつき、組んだ手の上に顎を乗せて先輩を見つめる。
「巨木の森に居た巨人が、元の世界の美河公園にも現れています。恐らくは先輩の転移とリンクして」
寝耳に水だったらしい。
「それ...は、どういう...」
「そしてここ1か月、特に強力な化物ばかり出現しているようです」
先輩は左手で右腕を抱き、右手で口元を隠すように抑える。
目はテーブルの上をせわしなく動いていたが、なにやら思い当たるところはあったらしい。
「なるほど、そんな大変な事が。急いで帰りましょう」
が話はくれないらしい。
「確かに心配ではありますがわたし達退魔協会が結構な人数かけて守っています、ので大丈夫だと思いますよ」
「それは良かった」そう言って大きく息を吐く。
「退魔士には幾分か被害はあるでしょうがね」
先輩とわたしの視線が交差する、がすぐに先輩が外してしまう。
「来週移行も続けるんですか?」
「...続けます」嘘は言えないらしい。
毎度あんなのとやらにゃならんのはしんどい、まだ大きな被害が無いのが救いだが。
どんどん敵が強くなっているらしいから時間の問題だろう。
「先輩、午後はどこに行く予定だったんですか?」
「それはー...」
元世界の事が気になって仕方が無いらしい。
害があるなどと思っても居なかったところに、自分のせいで死人が出るなど耐えられないのだろう。
「ここに来なければいけない理由はなんです?お手伝いしますよ」
「それは、その、私的な理由なので。手伝ってもらう必要は...」
「ここまで来ればもう他人じゃないですよー。それに昨日一緒に寝ましたし」
先輩の渋い顔は変わらない、今日はここまでにしてあげよう。
「では今日はもう帰りましょう、服ありがとうございます」
土曜14:00異界
「そういえば先輩この家って?」
「こちらでの活動拠点用に購入したものです」
時間はリンクしているらしいのでワンピースのままで帰ることにする。
地下室に向かう、
「先輩、申し訳ないですが姉には報告します」
「わかりました、このような事態になっているとは知らず申し訳ありません」
2人で魔法陣の中心に立つ。
「すみません、2人で来たのは初めてですので密着を」
そう言って何度目かわからないが抱きしめられた。
不意をつかれて目一杯息を吸い込んでしまう、先輩の匂いがああ。
はふぅ、力が抜けて体を預けてしまう。
と空気が変わった気がした、もうついたのか!はやい!
そこは東校舎の屋上だった。
カギは持っているので校内には入れる。
「それでは」
「待ってくだ...もう居ない何を使って移動しているのか...」
携帯が使えることを確認し、姉に連絡をする。
「お姉ちゃんごめん、今学校に戻ってきたから迎えに来てくれる?」
『彩香?お母さんだけど深夜の仕事で千早がケガをして、今までどこに行っていたの?』




