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現界⇔異界  作者: MayaMaya
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転移-リスク

綾凪です

今の自分はとても未熟で

早く強くなっていつかあの人に認められるようになりたい

土曜01:00南校舎屋上

東校舎の方で術式が発動したのを知覚する。

彩香ちゃんが3年の綾らしき姿を追いかけるのを確認出来た。

2人が屋上から落ちる。私達ならこの程度の高さは問題ではない。

余裕を持って南校舎から飛んで落下地点に向かう、あれ?今私学校の飛び降りの影の怪異になってない?


居ない!彩香が居ない!落下の痕跡も、術式の痕跡も何も見つける事が出来ない。

そうだ携帯「お掛けになった電話は…」繋がらない!

壁を走って屋上に上る、そこには誰も居るはずもなく...

携帯が鳴る、協会関係かこんな時に!

『鬼塚さんすみません、リッチーが出現しました』

「リッチー?何でしたっけアンデット?何処です?」

『美河公園なんですが近くの寺に意識を向けているようで...』

「それは...だめよ絶対にだめ!絶対に近づけさせないで!」

汚されるなど絶対にあってはならない。


車で乗り付ける、なんとかもっているようだ。

当然寺には悪しきを払う結界が敷いてある、しかしこの1か月の化物をみて決して油断はできない。

あのアンデット目算で5mとかなり大きい上に感じる魔力が恐ろしい。

突然リッチーの両腕に魔法陣が2つ現れる。

「全力で阻止しなさい!」

リーダーを差し置いて大声を出してしまったがこの場所でアンデッドは不味いのだ。

低級であれば問題は無い、しかしあのような強力なものは抵抗できないかもしれないのだ。

30人の戦闘員をもってしても魔法を阻止出来ない。

リッチーの2倍もの大きさの骨兵が2体現れる。

どんどん状況が悪くなっているのを感じる、彩香ちゃんが居てくれれば...


「ほいほい、みんな危ないよ!」

ホイールローダー(重機)に乗ったガチムチ退魔士さん(35)が現れる。

「前回の見て持ってきてよかったわ!1匹抑える補助頼んだ!」

骨兵の1体を押さえてくれるらしい。

「ごめん遅れました!」

「ごめんねー!」

この地域で有名な双子姉妹のゴーレムマスター。

2人が協力する事で20m級のゴーレムを生み出す事が出来る。

「佐倉!もう片方の頼んだぞ!」

残るはリッチー、これ以上寺に近づけさせるわけにはいかない。


大きな盾とメイスを持った退魔士を先頭にリッチーに突っ込んでいく。

私は消耗品の石をセットし、マグライト型術式照射装置に魔力を溜める。

非常に高価な石を消費する事で威力を倍増させる仕組みでこの地域の切り札的退魔士/術式になっている。

普段は石を使わずに使用している。

石を使用するとオーバーキル気味になってしまうのだが早めに使用して被害を抑える方が良い。

それでも過去10年で3度しか使用したことが無いのだが内2回がこの1か月だ。

どうせ石は協会からせしめるのだしー....チャージしながらそんなことを考えていると息苦しさにハッとする。リッチーを中心に黒い瘴気が溢れ出していた。

こちらの魔力に気が付いたのだろう、十数人に囲まれているにもかかわらず真っ赤な瞳をこちらに向け暗い敵意を私にぶつけてくる。

「チャージまだなのよね、皆もうちょっとがんばって...」

突然手で触れられる距離に骨だけの顔が現れる、短距離テレポート!?

右手に握られた剣が私を狙って突き出される、早いこいつって魔法使いじゃないの?

回避しきれず瘴気を纏った剣が左肩を貫き、そのまま押し倒されアスファルトに縫い付けられてしまう。

痛い痛い痛い!悲鳴を上げるのはこいつに負ける気がしたので絶対に拒否する、代わりにー

「さやかちゃんはあ!」

私に圧し掛かったままとどめを刺すべく左手の剣を振り下ろす、それは仲間が阻止してくれた。

「おねえちゃんがまもるからあ!」

半チャージだった照射装置を奴の胸元に押し当て術式発射。

奴が暴れるが倒すまでは至らない。射出装置に力を注ぎ込む、早く消えてしまえ!

肩に食い込んだ剣の瘴気濃くなり私を蝕む、我慢比べでもしようっていうのかしら?

姉の愛をなめるなよ!

「彩香ちゃんの!」

今まで以上に力を注ぐ。

「彩香ちゃんの!!」

さらに強く。

「膜はお姉ちゃんの物ですからあああああああ!」

全ての力を吐き出す、もう1滴も残って無い。

佐倉姉「リッチーの人ドン引きじゃねえか」

ヤツが止まってる?本当に引いてるんじゃないよ...ね?とその時光の粒子をなって消えていった。

肩に食い込んでいた剣も消える、なんとかなった...

私はそのまま意識を手放した。


03:00地区協会医務室

「鬼塚さん実は肩の傷が治せないんです、傷口が瘴気に汚されて回復を阻害しているんです」

目覚めて一番に聞くのがそんな事なのか、英雄様にそのまま死ねというのだろうか。

「教会のお偉方なら何とかなるんじゃないんですか?我慢出来ないからはよ呼んでぇ...」

「はい、すでに連絡済みで了解も得ていますが...その3日は掛かるとの事です」

そーですよねー、総本山からご足労いただくなら移動だけで半日以上かかりますものねー。

「肩が千切れかかってますんでベッドから起きないでくださいね」

本当に危険な状態なんですよとカーテンを開ける。

「こちらの2人がお世話してくださるようなのであとは宜しくお願いします」

「この私佐倉つつじがお食事と!」

「このボク佐倉ふじが下のお世話をがんばっちゃうよ!」

私はそのまま意識を手放した。


土曜14:30地区協会医務室

愛しの彩香ちゃんがお見舞いに来てくれた、うれしい!

「お姉ちゃんごめんなさい」

涙ぐむ彩香ちゃんの頭を撫でてやる、うんうんそのワンピース似合っているわよ。

「今高いお坊さん呼んでるから大丈夫よ、瘴気払えばすぐ治せるわ」

涙なんて似合わない、貴女は笑っていた方が可愛いわ。

「それより昨日はどこに行っていたのかしら」

「それは...まだ調査が続いているから終わったら報告するね!」

おーけーおーけー、あの野郎がなんかやったんだな。

私の顔に出ていたんだろう、彩香が先程とは違った不安そうな顔になる。

「瘴気が悪影響を及ぼすかもしれないから今日はお母さんと帰りなさい」

後姿を見送る、あれ?あんなワンピ有ったっけ?


日曜01:00

すぐそばに気配が生まれ意識を覚醒させる。

探知系術式を解いた覚えはない、ここまで接近するとはどんな暗殺者だ。

敵意は感じ無いのだが...ソイツは私の顔に掛かっていた髪の毛を払って、頤に手をかける。

「すみません先生」

(この声お前あや...)

私の唇に唇を重ね舌をねじ込んできた。

◎△$♪×¥●&%#○!

声にならない悲鳴を上げる、動く右腕で抵抗するが意に介さず。

たっぷり数十秒、お互いの唾液の交換をする。

異なる体温が同じになって、1つのモノになったと思った矢先、また2つに分かたれる。

「あ...」

そいつはすまなそうな顔をして離れる。

「この野郎!」

全力で右の平手打ち、とても良い音がした。

ゴシゴシと唾液にまみれた口元を左手で拭う。

「なんのつもりよ!このレイパー!」

「すみません、自分が未熟で粘膜接触のような深い接触でないと治せなかったのです」

「なにが...治ってる?」

左腕が自由に動く、包帯を外すが傷一つない。

「ちょっとあんた一体なに「良かった、それではまた月曜に」

こちらのセリフをさえぎって行業しい一礼をしたまま突然消える。

一体何者?いやそれより...


「彩香ちゃん以外に唇を許すなんてえええええええええええええええ」

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